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「「雅(さん)!!」」
「本、借りに来たの?」
「おう、国語の課題にちょっと必要でな。部活前に来たんだ。つか、珍しいって失礼だぞ」

苦笑した宍戸に頭を撫でられる

「ふふっ、ごめんね?
鳳は付き添い?」

私はさっきから感じる視線の元に話しかけた

「はいっ!それにしても雅さん最近来てくれないから寂しいです……」

一気に顔が明るくなった長太郎がキラキラとした笑顔で返事をしたかと思うと、すぐにしょんぼりとした顔に変わる

「あぁ、ごめんね。最近忙しくて、さ」

相変わらずコロコロ表情が変わるなぁ……そうだ、ついでだし少し探りでも入れてみようかな?

「でも、可愛いマネージャーが入ったんだから寂しくないでしょう?」

二人の顔がなんともいえない表情にかわる
(この二人までこれって、いったいどうなの愛沢サン)

「確かに可愛いっちゃあ可愛いけど……なぁ?」
「はい、俺もちょと…」
「何かあったの?」
「はい、なんだか俺たちのこと前から知ってるみたいなんです」
「?でも二人は結構有名だから当たり前なんじゃない?」「いや、ちげぇんだよ
俺が犬飼ってるとかロックがすきだとか、ダチしか知んねぇようなこと知ってんだ」
「俺もなんです
だからなんだか気持ち悪くて」

ほんとに思っているんだろう、二人の顔が歪んでいる
「それに田中(平部員)が言ってたんだけどよぉ、ドリンクとか平の分まで用意しないらしいんだよ」


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