「君、健康状態は良好ですか?」
「誰ですか」
「君の名前や人間関係などどうでもいいんだ」
「いや、あなたが誰ですかって聞いてるんです」
「オレ?オレの名前もどうだっていいことなんだ」
「人に物を聞くときはまず自分からって教わらなかったんですか?」
「…君はなんか屁理屈だな」
「だってあなたどう見たって怪しいですもん」
「分かった。オレはメローネ。」
「ナナシです」
「ナナシね…いい名前だ!」
そう言うとニタッと笑いながら手の甲にキスをした。
「えっちょっと何するんですか」
「この味、君血液型はA型だろう!」
「違いますけど」
「えっ!?」
「A型じゃないですよ。」
「そんな訳がない…ちょっとキミ、次の駅で降りてくれないか」
「いや、私もっと先まで行くんで」
「そんなことどうだっていいんだ!オレはさっきまでキミを母親にしようとしてた!だがもうそんなことよりキミをもっと詳しく知りたいんだ!」
「何言ってるか一個も分かんないですよ。」
「次の駅で降りればアジトも近いし何も心配しないでくれ!!」
メローネと言う男は笑った。
「アジトって何ですか!?あなた絶対やばい組織の人ですよね!」
「ベネ!勘がいいね!」
「絶対嫌です!私ただの旅行者なんで!」
「キミはジャッポネーゼだよね?オレも初めてだよ!」
「警察に電話しますよ」
「警察より組織のほうが強いから無駄だぜ」
「こんなの現実じゃないわ…」
「残念ながら全て現実さ!正直オレは最初キミを殺す予定だった。だけどキミちょっと今までの女と違うしオレの舌で血液型分かんなかったの初めてだしもう殺すとかより個人的にキミの全てを知りたい」
「なに熱弁してるんですか…殺すとか言ってる時点で絶対無理です」
「ねえ、これって恋かな?キミはどう思う?」
「違うと思う」
「いや、絶対に恋だ!なぜかオレは今キミに夢中だ、ナナシ」
「名前で呼ばないでください」
「ナナシ、ナナシ!ン〜〜、いい名前だ!」
「あなた一体何がしたいの?」
「ナナシをもっと詳しく知りたい」
「なんで?」
「なんでってさあ〜〜、恋した相手をもっと知りたいと思うのは変なことかい?」
「恋じゃないですからね」
「いや、今までの女とキミは絶対に違う!!こうなったら何が何でもアジトに来てもらうぞ!」
続く(続かないかも)