■ やっぱり貴方は一番

「原田、いつも言ってんのにてめぇは。」


「そんな事は知らねぇ、俺は愛に聞いてんだ。」


教室の真ん中で、私の腕を引っ張る2人。


『匡ちゃんも原田君も手、離してよ痛い。』


同時に放され、私は勢いよく床に尻餅をついた。


『いったぁ…。』


それを見るなり、また


「原田、てめぇが急に放すから愛が尻餅ついたじゃねぇか。」


「はっ、それはお前もだろ。」


私の事は放置して、言い合いを始める二人。


プッチン


「「えっ?」」


『もう、いい加減にしてよ。二人のせいで尻餅ついた私は放置してまた、ケンカ!?ありえない、もう二人とも知らない!!』


私は怒りにまかせ勢いよく教室を出た。


『だいたい、毎日毎日。お昼をどっちと食べるかで揉めてたら、時間なくなっちゃうじゃない。あー、お尻痛い。』


ドンッ


『あ、すいません。』


頭に血が上り過ぎて、前を見ていなかった。


「これは愛さん、こんにちは。大丈夫ですか?」


『私は大丈夫です。天霧さんは?』


「私は丈夫ですから。それより、またあの二人と何かあったのですか?」


『えぇ、まぁ。いつものようにお昼の揉め事です。』


「貴女も大変ですね。」


『匡ちゃんも別に三人で食べたっていいのに、毎回…』


天霧さんは少し驚いた感じで、


「不知火も大変ですね…」


『えっ?』


「いえ、こちらの話ですよ。」


グーッ


『あはは。怒りすぎてお腹空いちゃったので、平和に屋上で食べますね。天霧さんぶつかってすいませんでした。』


「いえいえ、ではまた。」


私は急いで屋上に向かった。


   *******


「お、天霧じゃねぇか。丁度いいとこに…」


「愛さんなら、屋上に行きましたよ。」


「お、おう。よくわかったな。」


「えぇ、先程貴方達の話をしていましたから。」


「何か言ってたか?」


「いえ、ですが不知火の気持ちにはまったく気付いていないみたいですよ。」


「なんでアイツもわかんねぇかな。」


「天然と言うものでしょう。不知火も早くハッキリ言ってあげてはどうですか?」


「そうだな。早くしないと原田に先越されそうだしな。」


そう言って不知火は屋上へと向かった。


   *******


『今日も晴れでよかった。』


バンッ


「さっきはすまねぇな、愛。」


『原田君。』


真剣な目で近づいてくる原田君。


私はフェンスに追い詰められた。


『や、やめてよ。原田君。』


「愛、お前が好きだ。」


突然の告白にビックリして動けなくなった。


原田君の手が顎に届いた時


バンッ


「原田、てめぇ愛から離れろ!」


無理矢理、私を剥がす匡ちゃん。


それはいつものケンカと違って必死で、まるで…


『匡ちゃん…私の事、す「好きだ。」』


私は頭が真っ白になった。


だって、目の前にいる匡ちゃんが初恋の人なんだから…


「愛、お前はどうなんだ。」


私は嬉しすぎて何もいわず、抱きしめ返した。


『原田、これが愛の応えだそうだ。』


原田君が居たことを忘れていた私はゆっくりそちらを見る。


目が合った原田君は優しく微笑み


「わかった。愛が選んだんだ。それでいいけどよ、もし泣かすような事があれば、そん時は奪ってやるぜ。」


そう言ってその場から出て行った。


「えっと、そのよぉ、いつまで抱き着いてるつもりだ?」


『あ、ごめん。』


匡ちゃんから離れる私に


「別にいやって訳じゃねぇよ。ただな、俺も男だ…」


ハッと意味に気付いた私は茹蛸みたいに赤くなった。


「ははっ、大丈夫だ。まだ、手は出さねぇよ。」


『えっ…』


「これでも待つことには慣れてんだ。なんせ十年もこの時を待ってたんだぜ。」


そう言って頬にキスをくれた匡ちゃんが少し照れていた。


私だって初めて会った十年前から貴方だけなんだよ。


私の一番大事な幼なじみで私の一番大好きな匡ちゃん。


これからも私の傍にいてね。










=あとがき=
アンケートで不知火夢でリクエスト頂きましたので書いて見ました(o^∀^o)
不知火はこんな感じですかね?

愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
2012.6.9

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