■ 似た者同士

『おはよー!平助!』
「おはよー!愛!」


――プッ


『「あははは。」』


私達はいつも同じ勢い、タイミングで挨拶をしては笑う。


『もー、平助。真似しないでよー。』


「それは愛だろー。」


と二人でお互いの肩をバシバシしていた。


『「痛い、痛い。」』


又々、被る私達。


こんなに同じなんて、嬉し過ぎる。


ここまでくれば同じ気持ちかな?


そう、私は平助の事が好き。


でも、“友達”って言葉に縛られて告白すらできない。


今の関係が嬉しくてたまに運命かもって思っちゃうくらい。


好きな物も嫌いな物まで一緒。と考えていると


「藤堂くん、おはよー。」


「おはよー。」


平助は人気者でいろんな女の子に挨拶されている。


うかうかしてると彼女出来ちゃう!


やっぱり気持ち、伝えようかなぁ。と思い口を開く


『ねぇ、平助。』
「なぁ、愛。」


『ん?』


「いや、先に言えよ。俺は後でいいし。」


こうやって何か伝えたい事があっても被る私達。


平助は必ず、私を優先してくれる。


そんな平助も好き。


『いつも先に話してるから、今日は平助からどうぞ。』


もし、今考えてる事が一緒なら……、気持ちを


好きって気持ちを伝えよう。


「いいのか?」


『うん!』


「あのさ、こんなに色々被ったりするのって運命じゃね?」


えっ!?


「だからさぁ、愛がよければさ、」


『………平助、』


これってやっぱり――


『私の彼氏になって!』
「俺の彼女になってくれねぇか!」


「なっ、なんでそこ被らせるんだよ!……って、えっ、えぇ!?」


『同じ気持ちってわかったんだもん!今、言わなきゃいつ言うのよ。』


私と平助は目を合わせ照れ笑いながら


『平助、大好き!』
「愛、好きだ!」


私達は皆の見てる中、抱きしめ合った。


その後、教室に向かう途中、平助に


『でも、なんでさっき言ってくれたの?』


「えっ?……あっ、あぁ。」


少し吃りながら


「今朝もいろんなヤツと挨拶してたじゃん……で、」


『うん、』


「愛って人気あるからさ、他のヤツに取られるかもって。」


…………これって、運命だよね。


『クスクス。』


「何、笑ってんだよ!」


『いや、私達って“似た者同士”だなって。』


「なんだよ、それ。」


『秘密ー!』


「ったく。」


同じ事考えてたこと内緒にしとこっと。


だって私達は似てるんだからわかるよね?


『平助!』


「ん?」


『大好き!!』










=あとがき=
初、平助です☆
私の中では平ちゃんは甘甘なんですよ(≧∇≦)

愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
2012.5.30

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