■ 愛した証

静寂な夜


「総司君…」


僕はまた愛ちゃんと会った。


僕らの恋は永遠に繋がる事のない一方通行。


愛ちゃんは一君の奥さんで、弱ってる君に僕は付け込んだ。


月の光だけが照らすこの部屋で僕と愛ちゃんは体を重ねる。


速くなる鼓動、二人の乱れる吐息


いつもと違う愛ちゃんを感じながら


不安と快楽に落ちる僕。


ただ今を感じたくて


すべてを僕色にしたくて


君の気持ちを知りながら抱きつづけた。


『愛ちゃん、愛ちゃん、愛してるよ。』


気付いてほしくて
ただ愛してほしくて


「総司君…私も…」


愛ちゃんはその先の言葉を言ってはくれない。


切ない気持ちを隠し、僕は愛ちゃんを抱きしめた。


部屋に差し込む太陽の光で目を覚ました僕。


隣に居た愛ちゃんはもういなかった。


ベッドに残る、愛の残骸
寂しさ溢れる愛ちゃんの香りが


僕の想いを涙に変えた。


愛ちゃんを愛し、乱れたシーツ
それを掴み、声を殺し泣いた。


『愛ちゃん…』


ふと、顔を上げるとテーブルには一枚のメモと僕の部屋の鍵がおいてあった。


《貴方を愛してた
私を愛してくれてありがとう》


最後にくれた君の言葉を胸に抱き、僕は空を見上げた―――










=あとがき=
昔の詩をアレンジしてみました(*^o^*)
悲恋ってこんな感じかなぁ(汗

愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
2012.7.22

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