■ 俺の萌え処[中編]
文化祭当日。
“ステージ見に来てね”と笑顔で言う愛の為、俺は体育館に向かっていた。
「一君も愛ちゃんのステージ見に行くの? 」
『あぁ。総司、あんたは行くな。』
「なんでさ。愛ちゃんどんくさいからコケたりしそうだ……「キャッ!」痛いなぁ。前見て走りなよ、千鶴ちゃん。」
慌てて走ってきた雪村が総司の背中にぶつかった。
「あ、斎藤先輩…」
「君、ちゃんと謝れないの?」
「ご、ごめんなさい」
俺を見て少し焦ったような雪村は軽く頭を下げ、走ってどこかへ行ってしまった。
『…………』
「千鶴ちゃん、一君見て焦ってたよね?また何かしたんじゃないのかな……愛ちゃんに。」
『…………』
俺は総司の言葉を否定出来なかった。
あの焦りはきっと何かしら俺に対し疚(やま)しいことがあるからだろう。
以前にも愛の体操着を捨てたことがあった。
等の本人は気付く訳もなく雪村はそのような事をしないと雪村を庇っていた。
俺も何かの間違いだと思っていたが総司がその現場を一部始終見ていた。
俺と総司は愛に気付かれぬよう雪村に話をしに行った。
なぜ、そのような事をしたかと。
問い詰めたが一向に黙っていたが総司が“一君を取られたって思ってるんでしょ?”そう言うと
「私が先に斎藤先輩が好きになったのに、愛ちゃんが、愛のちゃんが!!」
と泣きじゃくる雪村に俺は
『愛にあのようなことをしておいて…愛はあんたはそんな事をしないと庇っていたのだぞ!なのに俺が好きだから?そのような理由で愛を傷付けるあんたを見損なった。』
俺の怒りを抑えるように総司が前に出て
「千鶴ちゃん、好きなら好きってあんなことしないで堂々と告白しなよ。それが出来ないなら好きな人の幸せを願うとか出来ないの?僕だって…」
総司は拳を握りしめ、最後の言葉を飲み込んだ。
俺は知っている、総司も愛を好いていると。
総司の言葉に雪村は
「私は沖田先輩と違うんです!」
そう言ってその場を去っていった。
あれから何もなかったのだが…
「た、大変!!どうしよう!」
雪村が走ってきた方から千が慌てて走ってきた。
「お千ちゃん、そんなに慌ててどうしたの?」
「あ、沖田先輩に斎藤先輩!あ、あの誰かこっちに走って来ませんでしたか?」
『それなら雪…?』
俺の口を押さえる総司。
「いや、誰も来てないよ?で、どうしたの?」
「今日の愛ちゃんの衣装が誰かにズタズタに切り裂かれてたんです!私と入れ違いに誰かが走って出て行ったんです。もうすぐ始まるのに!」
『…………』
犯人はわかっていた。
俺は怒りを抑えれなかった。
そんな俺の様子を見ながら総司は
「他に誰かその事知ってるの?」
「愛ちゃんが私より先に見付けて…犯人のこと聞いても見てないの一点張りで…凄く落ち込んでたんですが携帯で誰かに連絡してどこかに行っちゃったんです。」
「ステージは大丈夫なの?」
「今日は衣装がないので愛ちゃんは出れないですが衣装担当のコ達が急いでもう一着作ってくれるらしいので明日のステージには出れますよ。」
「わかった。ありがとうお千ちゃん。僕と一君で愛ちゃん探すから大丈夫だよ。愛ちゃんの為に衣装早く作ってあげてね。」
『千、すまないが頼む。』
「はい!」
千と別れた俺たちは急いで愛を探した。
=あとがき=
愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
久々に書いたので微妙なんですがごめんなさい(;A´▽`A
千鶴ちゃんアンチなんで嫌な思いさせましたらすいません。
次で最後ですヽ(*´▽)ノ♪
2013.4.7
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