■ 手放すつもりはねぇ

バンッ


古典準備室の扉を勢いよく開ける生徒は一人しかいねぇ、俺は背を向けたまま


「ひっじかったせっんせっ!」


『愛、てめぇは静かに出来ねぇのか。』


「だって、土方先生に早く逢いたかったんだもん!ダメ??」


背のちっせぇ愛が抱き着き俺を見上げ首を傾げる。
ダメなはずがねぇ…
むしろ可愛すぎるから許しちまう。
そんな事を考えてる俺は愛を怒れる訳がねぇ


「先生聞いてます?」


頬を膨らませ“せっかく逢いに来たのに知らない”と扉を開けて出て行こうとする愛。


『何、帰ろうとしてんだ。』


「だって、先生話聞いてないんだもん。」


『それは悪かった、でも帰ることはねぇだろが。俺に逢いたかったんだろ?』


愛の腕を掴み、再度教室に引っ張りこみ、抱きしめた。


「やん、先生ったらダ・イ・タ・ン。」


『馬鹿か、何が“ダ・イ・タ・ン”だ。自分の女を抱きしめて何が悪い。』


愛は俺の可愛い彼女、そして生徒だ。


こんな餓鬼にハマッちまうとは思いもしなかった。
ここが学校だというのに関係なく愛に触れていたいと思う。


「先生、学校ですよ?」


『愛、お前総司の匂いがする。また抱き着かれたのか、』


「えっと、その…総ちゃんとは会ってません!」


『嘘をつくとはいい度胸だな。それとアイツをその名前で呼ぶな。』


「う、嘘なんかついてないもん!先生は私の事信じてくれないの?」


可愛い目をウルウルさせながら訴えてくる愛。
許しちまいそうな俺がいる、が、やはり俺以外の男の匂いがするのは許せねぇ。


『怒りはしねぇから正直に言え。』


「ホントに?ホントにホントに怒らない?」


『あぁ、』


「……ここに来る前に総ちゃんに見付かってしまいました。」


『で?』


「エネルギー補給って抱き着いてきて……でも、総ちゃんは昔からそうだし!」


『ほぉ、言い訳か。お前と総司が幼なじみなのは仕方ねぇことだがそれとこれは別だ。』


幼なじみで毎日の行動かも知れねぇが愛は俺の女だ。
認めるわけにはいかねぇ、


困った顔をする愛。
優しいコイツが言えねぇのはわかってる、だが…


『愛、お前は俺のものだろ?総司に抱き着かせてるんじゃねぇよ。』


わかってんのか?
俺にはお前だけなんだよ。
誰にもやらねぇし渡すつもりもねぇ、


「ふふっ。」


『何、笑ってやがる。』


「土方先生、総ちゃんにヤキモキ妬いてるから。」


『わりぃかよ、それだけ愛が好きなんだよ。』


「私の好きな人は土方先生だけですよ。」


『あったりめぇだ。』


そういうと俺に抱き着く愛。


「先生が嫌いだって言っても放してあげませんからね!」


愛は力一杯俺を抱きしめている。
そんな必死なとこも可愛くて仕方ねぇ


『誰が手放すかよ。』


小さな愛を抱き上げ口づけた。


『さて、愛。お仕置きの時間だ。』


「えっ?さっき怒らないって言ったじゃないですか!」


『“怒りはしねぇ”とは言ったがお仕置きはしねぇとは言ってねぇ。』


「そんなぁぁぁぁあああ!」


俺は鍵をかけ、愛が立てなくなるまで可愛がってやった――――










=あとがき=
リクエストで切甘か甘々って言われてたのでこんな感じにしてみましたがいかがでしたでしょうか?
なんし、管理人は土方先生にイジメられたいんでねぇ(笑)

リクエストをくれた薫ちゃんどうでしょうか?
期待に添えてなければごめんなさい(ノ△T)

薫ちゃんのみ持ち帰りOKです。

愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
2012.7.28

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