【1】 原田Side バタバタ―――バタバタ――― 俺と土方さんの後ろを行ったり来たりと忙しそうに仕事をこなす桜麗。 「きゃっ」 『おっと、大丈夫か?桜麗。』 「すいません、原田先生。」 沢山のタオルを運んでいた桜麗は前を見れねぇくらい忙しかった。 本来なら三人いるマネージャーが合宿だというのに桜麗一人。 『にしてもやることが沢山あるのに、他の二人が来れねぇとはな。』 「仕方ないですよ。千鶴ちゃんもお千ちゃんも家の用事ですし…」 『はぁ…お前は優しいな。一人で大変なんだ、困ったら俺呼べよ。』 「でも…原田先生も指導とかで忙しいですし…」 『土方さんがいるから大丈夫だ。新八も張り切ってるしな。』 そう言って桜麗の頭を撫でた。 すると少し不機嫌な声で 「なんで皆さん、私の頭を撫でるんですか?」 『なんだ、撫でられるのは嫌なのか?』 「だって子供扱いされてるみたいで…」 『まぁ、俺らからしたら子供だが、それは桜麗。お前が可愛すぎるからだ。』 「え、あ、うーーー」 桜麗はボンッと音がしそうなくらい顔を真っ赤にした。 あぁ、本当に可愛いよ。 どうしたらこんなに可愛く育つんだよ。 『とにかく困ったら頼れよな?』 「はい、ありがとうございます。」 『それからよ、昔みてぇに俺の事呼んでくれよ。』 「ふふっ、わかりましたよ。左之にぃ。」 そう笑顔で言うと桜麗は仕事に戻った。 いつかその笑顔を俺だけに向けてくれたら… そう思い俺も道場へと戻った――― [しおりを挟む] 11 / 20 [ back ] |