君の瞳は恋の色〜桜散る頃に〜 | ナノ




【4】



桜麗side




どうしよう!!
事故だけど…
あぁ!どうしよう!!恥ずかしい!!


「桜麗ちゃん、待ってよ!」


どこまで走ったのか、わからない場所に出てしまった私は足を止めた。


「はぁはぁ、桜麗ちゃん足早すぎ。」


『ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?』


私が総司先輩の肩を支えていると、不意に上げた顔の距離が近くて


『!!』


「逃げないでよ。」


私は腕を捕まれ、抱きしめられた。


「事故とはいえ、ごめんね?でも、僕は嬉しかった。」


『え…?』


さっき私は物音にビックリして総司先輩を押し倒し、キスをしてしまった。


「桜麗ちゃん…僕は君が好きなんだ。」


私は総司先輩の告白に動けなかった。


「本当はキスする前に言いたかったんだけどね。」


私を抱きしめる総司先輩の手が震えていた。


総司先輩に抱きしめられて告白されて私は凄くドキドキして胸がポカポカしていた。


でもそれが好きかと言われたら自分にはわからなくて涙が溢れた。


『総司先輩…私…わからない。先輩と居て胸がポカポカする。でもそれが好きかはわからないんです…』


「うん、泣かないで。僕はただ君に気持ちを伝えたかったんだ。」


私は総司先輩の腕を振り払えなくて暫く抱き合っていた。


その様子を左之にぃとトシにぃが見ていたのを知らずに…


どれくらいたったのだろうか?
涙も引いて落ち着いてきた。


「そろそろ、戻ろうか?皆、心配してるだろうしね。」


『はい…』


「そんな悲しい顔しないで、笑顔でいてよ。僕は桜麗ちゃんの笑顔が好きなんだ。」


『総司先輩…』


私達は合宿所まで手を繋いで帰った。


泣きつかれた私は皆に心配ないと言って部屋に戻り眠りについた―――――


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