君の瞳は恋の色〜桜散る頃に〜 | ナノ




【合宿二日目[前編]】



桜麗side




合宿も二日目になった。
私はいつも通りの仕事をしている。……のだが…




昨日から何だか、おかしい。
その原因は分かっている。




『……何してるんです?左之にぃ。トシにぃ…』




そう。左之にぃとトシにぃだ。
二人とも昨日から昔の呼び方じゃないと“絶対”反応しないし…




何より、いつもは普通にやらせてくれる仕事(例えば、何枚も重なったタオル運びとか人数分の水組みとか…)を幾度と手伝ってくれる。




原「!あ〜。よっ!桜麗!元気か?」




『?何言ってんですか?昨日も今日の朝も会ってるじゃないですか…』




そうだよな…と答える左之にぃ。……いつもの左之にぃじゃない!




『………』




原「ど、どうした…?桜麗…」




『…なんか、左之にぃもトシにぃも何か変!』




原「ギクッ>」




そんな事ねぇよ!と言う左之にぃ。
そこに、ちょうどトシにぃが通った。




『っあ、トシにぃ!』




土「!桜麗!」




トシにぃもいきなり呼んだからかびっくりしている。
そして、そわそわしてる。




『うぅ〜!トシにぃも変!!』




そう言うとトシにぃも焦った表情を見せ、左之にぃとまったく同じ事を言った。




『じゃ、じゃあ、何でそんなに私に気使うんですか!?』




頬を膨らませながら言った。
すると、左之にぃもトシにぃも頭を掻いてため息を付く。
そして、観念したかのように喋り始めた。




原「大変だろ?」




『えっ?』




土「千鶴も千もいない中でマネージャーやってんだ。大変だろ?」




『そ、そんな…。幹部だけの合宿だし…それに大会に向けて暑い中頑張ってる総司先輩や一先輩の方が大変ですよ!』




そう言うとトシにぃと左之にぃは私の頭を撫でた。




『?』




原「桜麗はやっぱりそう言うと思ったよ。」




『えっ…』





土「お前はそういう奴だからな。だから、気付かれないように気使ってたんだが…ばれちまったか…」




『……あんな、分かりやすい事ないですよ…』





原「ま。それもそうだな。」




『とにかく、私にやらせて下さい!頼る時頼りますから!』




私がそう言うと分かった。と二人は頭を一撫でしていった。




そんなこんなで、二日目も終わり…を告げたいのだが…。




永「おし!これから肝試しやるぞ!」




永倉先生のこの一言が二日目の終わりを告げなかった…




続く


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