【1】 桜麗side ある日の昼下がり、桜室には剣道部員が集まって昼食をとっていた。 『あのー総司先輩?皆さんが睨んでる気がするんですが…』 「んー?僕には関係ないよ。」 『でも…、それになんでこんな体勢になってるんですか?』 私は先程まで剣道部の皆さんといつも通り楽しくお弁当を食べていたんですが… 何故か今、総司先輩の頭が私の膝の上にあって、視線を集めていた。 「桜麗ちゃんの太もも、気持ちいいね。本当に寝ちゃいそうだよ。」 「総司!いい加減にしや『総司先輩、疲れてるんですか?』 「そうだね、疲れてるから少しこのままで寝ていいかな?」 「てめぇはさっきから何、馬鹿なこ『少しだけですよ?私も足疲れるんで。』 「桜麗ちゃんは誰かさんと違って優しいね。」 そう言いながら、土方先生を見て笑う総司先輩。 「唯原、無理して総司を寝かせなくてもよいのだぞ。」 私の頭を撫でながら心配そうに見る一先輩。 『大丈夫ですよ、少しくらいなら。』 笑顔で言うと一先輩は微笑んでくれた。 「おい、桜麗。なんで俺が話してるのに被せて喋りやがる。」 眉間に皺を寄せながら、煙草にに火をつける土方先生。 『被せたつもりはないんですが…ごめんなさい。』 土方先生はつけたばかりの煙草を消して 「すまねぇ、怒ったつもりはねぇんだが…」 と目を細め私の頭を撫でた。 [しおりを挟む] 7 / 20 [ back ] |