【05】 土方さんどこ行ったんだよ。 もうすぐ会議だってのに珍しく土方さんが職員室に居ねぇ。 「原田君、多分土方君は図書室に居ると思うので呼んで来てもらえますか。」 『あぁ、わかった。』 俺は山南さんに言われ図書室に向かった。 『土方さ…』 「………………やめて俺にしろ。」 「……土方先生。」 『!!』 なんで土方さんと雪村が抱き合ってんだ? 俺にしろってなんだよ。 雪村はどうするんだ? 何故か俺の中に黒い物が溢れ出した。 「原田先生!」 俺は無意識に扉を開けていた。 「覗きとはいい趣味だな、原田。」 『ひ、土方さん何してんだよ?!』 俺は今だ抱き合ってる二人を引き離した。 だが、土方さんは雪村を自分の方へと引っ張り 「てめぇには関係ぇねぇだろうが、何熱くなってやがる。」 『そ、それは…』 わかってる。 自分が熱くなってる事も、雪村に触れてる土方さんを見ているとイライラする事も。 わからねぇ… 俺は雪村を、愛那をどうしてぇんだ。 「言えねぇのか。」 「原田先生…」 『…………』 「それより、てめぇ何か用事があって来たんじゃねぇのか?」 『あ、職員会議で…』 「すぐ行く、先に戻ってろ。」 『…………わかった。』 それよりってなんだよ。 先に戻ってろってなんだよ。 そんな気持ちを抱え職員室に戻った。 お前に他の奴が触れるのは許せねぇ 愛那、お前の瞳には誰が映ってるんだ [しおりを挟む] 7 / 8 [ back ] |