貴方を愛してもいいですか? | ナノ




【04】



「はぁ、授業終わったぁ。愛那、カラオケ行かない?」




『ごめん、千。今日、図書室の当番なの。また、今度ね。』




「そうなんだ、残念。じゃ、また今度ね。バイバイ。」




『うん、バイバイ。』




私は急いで図書室に向かった。
あまり人が来ない図書室に当番は必要ないくらいだが、私は本が好きで週に一度のこの時間が好きだった。




『今日は何読もうかな?』




私は神話や童話物が好きでその本棚に向かった。




『…………』




困ったものだ。
私は身長が低く、いつも上の本は脚立を使ってでも届かない。
だから自分の取れる範囲の本は読み尽くしてしまった。




『よっ、えいっ』




グラッ




『キャッ!!』




脚立から落ちたのに痛くない。
そのかわりにふわりと浮いていた。




『………土方先生?!』




「てめぇはあぶねぇだろうが!」




私は土方先生に抱きとめられていた。
怒っているのだけれど優しく私を抱える土方先生。




「何、ボケッとしてんだ。大丈夫か?」




『あ、はい。ありがとうございます。』




私は下に下ろされ“どの本だ”と聞かれ答えると土方先生はその本を取ってくれた。




「お前、なんかあったのか?」




『え?』




「今日も授業中、上の空だっただろうが。」




土方先生はよく見てるなぁ。
私の好きな人も当てちゃうし…




「原田の事か?」




『…………』




この人には嘘付けないなぁ。
私は心配させないように精一杯の笑顔を作り




『もう限界かなって。あはは。』




「愛那…」




どうして貴方が哀しい顔をするの?
貴方には関係ない事なのに…




『土方先生…どうしてそんな顔をするの?』




グイッ




『土方先生?!』




私は土方先生に抱き寄せられた。
そして、いつもとは違う優しい声で




「原田なんかやめちまえ。お前の、愛那の哀しい笑顔なんか見たくねぇ。」




『……ヒック、…先生…愛って何?………恋ってなんですか?』




「俺が教えてやる。だから原田なんかやめて俺にしろ。」




『……土方先生』










私は原田先生が好き
でも彼の愛が嬉しかった



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