■ 夢の中だけは…
「土方先生!」
「どうした、千鶴?」
僕の目の前で、頬を赤く染め嬉しそうに土方さんに話しかける千鶴ちゃん。
土方さんも満更でもない顔してさ。
イライラする…
僕を呼び出しておいて、二人のイチャつくところなんて見たくない。
ガタンッ
「おい!総司、まだ話がっ」
僕は土方さんの言葉を無視して、立ち去ろうとした時
「沖田先輩っ!」
千鶴ちゃんが僕を呼んだけど、今の僕には笑顔で接するのは無理で足早に職員室を後にした。
チャイムがなったけど僕は教室に戻る気分にもならなくて、屋上に向かった。
『なんで君は僕を見てくれないの…』
僕は空に手をかざし、先程の光景を思い出し、ため息をついた。
『なんで土方さんなのさ。』
いつも僕の後ろを"沖田先輩"って笑顔でついて来てたのに…
てっきり僕の事、好きなんだって、両思いなんだって思ってた。
でも違ってたんだね…
君は僕の近くに居る土方さんを見てたんだ。
『あれ、雨?……違う…』
これは僕の涙…
それくらい君の事を好きなんだね、僕は。
この涙と共に君への想いも流れてしまえばいいのに。
『好きだよ、千鶴ちゃん…』
僕は目を閉じ、眠りについた…
(沖田先輩!)
夢の中だけは僕のそばにいてーーーー
=あとがき=
悲恋やっぱり好きなんです。
ついつい書いてしまいます。
日記にあげていたのですがこちらに移動しました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
2013.10.20
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