■ 俺の彼女は○○フェチ

『ふー、やっぱり夏の体育はキツいな。』


授業が終わり、急いで体育教官室に戻った。


『ホント、あっちぃ。』


扇風機をつけながら汗を拭いていた時


バンッ


勢いよく扉が開いた。


「原田先生!」


『もう少し、静かに開けられねぇか。』


「だって、早くしないと汗、拭いちゃうでしょ!?」


変な発言をしながら、抱き着くコイツは桜彼愛。


俺の可愛い彼女であり、生徒でもある。


『こら、学校だ。抱き着くのはやめろ。』


「えー!そんなこと言いながら、先生の腕は私の腰に回ってますけどねー。」


そう言いながら俺の胸元でクンクンと匂いを嗅ぐ愛。


ここは俺しか使っていない教官室。


校舎より少し離れていて、誰も来ないのを知っている。


『お前、よくわかったな、さっき授業してたって。』


「んー、教室から見えたの。だから、チャイムが鳴ってすぐ来たの!」


愛は5限目に俺が授業をしていると必ず、ここに来る。


『次の授業はなんだ?』


「数学ー。だから、ここで先生の匂いを嗅ぐのー。」


と笑顔で擦り寄ってくる愛。


俺はこれに弱い。


『仕方ねぇな、今日だけだぞ。』


新八にわりぃと思いながら、今日もサボりを許してしまう俺。


「ありがとー、先生大好き!」


あぁ、コイツはホント俺のツボを責めやがる。


何、食べてたらこんな可愛く育つんだよ。


『愛、後でゆっくり嗅いでいいから、今は着替えさせろ。』


「ヤダよ。今、超イイ匂いなのにー。」


あぁ、始まったよ。


コイツは極度の匂いフェチで、特に汗をかいた後がいいらしくなかなか着替えさせてくれねぇ。


汗でべたつく服を早く変えてぇとこだが…


「………わかった。不知火先輩のとこに行ってくるもん。」


『なっ、なんで不知火なんだよ!』


「だって、さっきの授業、不知火先輩のクラスだったし。喜んで嗅がせてくれるよ。」


……嗅がせてくれる?


『おい、嗅がせてくれるって嗅いだ事あるのかよ。』


「あっ、秘密だったんだ。」


『ほぉ、俺に隠し事とはな。』


なんだよ、お前。


“先生の匂いが好き”とか言ってたじゃねぇか。


他の男の匂い嗅ぐなんて、と嫉妬をしていたら


「たまたまなの!教室で私が匂いフェチって話聞かれて成り行きで………」


シュンとなりながら上目遣いで言う愛。


やっべぇ、今のきた。


なんて、今は怒るとこだろっ


「ごめんなさい。でも、ドキドキして一番好きなのは先生だよ。」


うっ…………ダメだ、流されるな俺。


『…………。』


「左之助さん。許して、ね?」


チュッ


『――――っ。』


ホント、コイツは。


学校では絶対“先生”なのに名前で呼びやがって、更に照れながらキスしてくるとなりゃ、許すしかねぇだろ。


やっぱり愛には甘いな俺。


『愛、これからは俺だけにしろ。そうしたら、許してやる。』


「うん!左之助さん大好きー。」


笑顔で言う愛。


『だがな、罰は受けてもらうぜ。』


まぁ、わかってるだろうけど…


「えっ?」


チュッ


首筋にキスをしながら、愛の制服に手を伸ばし


『HRまで時間あるし、な。』


好きな女に擦り寄られちゃあ、流石の俺も我慢なんてできねぇしな。


「もー、左之助さんのエッチ!じゃあ、匂い嗅がせてね。」


『っふ。』


お前は俺より匂いかよ。


でも、そんな愛が可愛くて仕方ねぇ。


『わかったよ。』


そう言いながら、俺は鍵を閉めた。










=あとがき=
私匂いフェチなんです!
左之さんの匂い嗅ぎたい(≧∇≦)

愛様、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
2012.5.31

[ prev / next ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -