renegade 7







FILE.7
13TH JULY AM00:19
SHANKS: SHOW ME YOUR TEETH


 無数の銃弾が耳元をかすめ、特徴的な赤い髪がいくつかちぎれたが、彼は冷静だった。殺すつもりはなかった。もちろん、殺されるつもりも。

 空中でどうしてもガードが甘くなった青年のみぞおちに強か突きを入れると、まだ細い身体は簡単に後ろにふっ飛んだ。しかし受け身をとる余力があったことは称賛に値し、シャンクスはここ一週間彼が付けてくるのを楽しんでいたことを思い出した。

 青年がもう一度射撃の姿勢を立て直す前にすかさず蹴りを入れ、両手の拳銃を叩き落とした。しかし敵もさる者で、間伐入れずに素手で向かってきた。シャンクスは満足した。こんな若手は、自分のとこにも欲しい。

 飛び掛かってきた胸元を捕まえて、カジノテーブルに叩きつけた。コインとカードが舞い散る。
 黒い獰猛な目が刺すように睨み付けてきた。ジャックナイフの通り名も頷ける。長いしなやかな太腿を割って腰で押さえつけると、焦ったように息をのんで、ますます手首に爪をたてた。

「鉄砲玉には惜しい器量じゃないか?」
「あんたに当たれば釣りが来るぜ」
「残念だな。外れた」
「紙一重だった」
「意味ねぇな」

 前髪に陰った青年の瞳が、茶目っ気に揺らめいた。彼のまだ骨張った手が伸び、シャンクスのサングラスをゆっくりと外すと、

「おれを殺すのか?」

 大した度胸だった。彼の瞳を覗きこみ、面白そうに呟いた。




FILE.8








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