we belong to the sea 3 |
ベックマンは顔を上げた。目があうと、シャンクスが笑った。初めて出会ったときと同じ微笑だった。 シャンクスがベックマンの首に手をかけ、唇に触れるだけのキスをした。前髪が触れ合う距離で覗き込んだ瞳に茜色の陽が差し、緑色が一瞬優しく緩んだ。ベックマンは泣きたいような感傷に気付いた。 沈み始めた太陽が、寄せる波をシャンクスの髪と同じ色に照らしている。 「飲み直すか」 「ひどい熱だから寝てろと言っても、聞かないだろうな」 「聞かねェさ。熱に浮かされてここまで来たんだ」 ベックマンは微笑した。 夕方の欠片の最後が水平線に沈んだ。反対の東の空には最初の星が輝き出している。港に並ぶ店にはちょうど、いつでも懐かしさを覚えるおぼろな灯りが、いくつかともりはじめた頃だ。初夏の優しい空気がまだ肌寒い夜に変わっていく。 劇的な最後の紅に染め上げられた海を眺め、シャンクスは愛しそうに目を細めた。 「……いい夜だな」 we belong to the sea to the waves you and me living in the ocean so blue we belong to the sea open wide being free a minute everlasting with you 私たちは海に帰る 打ち寄せる波の子供 私たちは あの青い海で暮らそう 私たちは海に帰る 広がる自由な海の子供 この一瞬が永遠になる あなたと一緒に we belong to the sea / aqua |