・黒子達が高校2年
・キセキ和解後設定
・夢…?
2年目の夏が始まる。
中学を卒業して、高校生になってもう1年半近くの時が経過しているなんて信じられないけど、確かに時は経っていて。その証拠に髪は伸びたし、背も、少しだけ、伸びた。
周りも少しだけ変わった…いや、元に戻った?違うかな…前よりもっと、近くて穏やかになったかもしれない。
「おい、遅れんぞ。」
「大丈夫ですか?体調でも、悪いんでしょうか。」
「わ、ごめんごめん!暑いなーってぼーっとしてた!」
あと、ちょっとだけ昔の事思い出してた。と言えば黒子くんはそうですか、と穏やかに笑った。あの頃の事をこうして穏やかに話せるようになって、変わったなぁと思う。成長、したのかもしれない。
大きな壁や段差を乗り越える事で彼等の絆はより深いものになった。私は特殊な能力も何もない、元マネージャーでしかないけれど、その事をとても嬉しく思っている。
I・H予選前の連休。赤司くんが少しだけこちらに帰ってくるとの事でみんなで会わないかと言う話になった。もちろん試合があたった時は全力でぶつかり合うけれどそれ意外の時はこうして集まったり、ストバスでバスケを楽しんだりしている。
火神くんや、氷室くん、高尾くんなどと言った新しい仲間達を加えて。
そんな仲間達の集まりにさつきちゃんだけでなく、未だに私も呼んでもらえるのがとても嬉しいとそう言った時みんなに何を言っているんだとひどく驚かれ、私も驚いた事があった。
みんなに馬鹿じゃないのかと言われ、さつきちゃんにまで馬鹿と言われぎゅっと抱きしめられたのも今ではいい思い出だと思う。青峰くんのデコピンはめちゃくちゃ痛かったし、赤司くんはすごく怖かったけど。
でもそんな事さえも、仲間だと言ってもらえるようでとても嬉しかった。
「ほら、みんな待ってますよ。」
「うん!」
とてもとても幸せそうに微笑んだ黒子くんの視線の先では私にとって奇跡と呼べる大切な仲間達が待っていて、黒子くんは光へ導くように私の手をひいてくれた。
なんで黒子っちと手繋いでるんスか!?なんて言う黄瀬くんとテツくんと手繋ぎずるい!!なんて叫ぶさつきちゃんを筆頭にみんながわーわーと叫び出して青峰くんが耳を塞ぐ。
そんな中で紫原くんはお菓子をもさもさと食べて、そんな姿を氷室くんが諌めて。笑い上戸状態の高尾くんが爆笑する姿に緑間くんがため息をついて。
そんなワンシーンがとても幸せで、つい顔が綻ぶ。向こうにいる赤司くんも少しだけ笑っていた。
黒子くんが悪戯に微笑んで見上げた先には、私たちが大好きな、ずっと見たいと願ってきた、キセキ的な仲間達の笑顔があった。
あぁ、幸せだよ。
そのキセキにありがとうを
20120924
アニバスありがとう!