いつものように真ちゃん達に絡んでいたら「何、お前なかなか懐かない系の人間が好きなわけ?」と友人に聞かれて、ちょっと反論出来ないかもしれないと思った、そんな昼休み。


「だから、そろそろ懐いてくれるってど?」

「は、意味わかんない。」


そんな反抗的な言葉を吐きながら、俺を睨みつけるのが俺の好きなコで。真ちゃんの後ろに隠れて俺の事を睨みつけるその姿は懐かない猫のようで可愛い…なんて、思ってしまう俺はおかしいんだろうか。


「そんな事、言わないでよー。」

「やだ、ちょっとこっち来ないでよ!」

「うわ、首!首が締まっているのだよ!」


わ、ごめん…!なんて言いながら真ちゃんから手を離した瞬間にその手をとる。なーんで真ちゃんにはこんなに懐いてるのに俺にはこんなに反抗的なんだろうなーなんて思いながら唇を尖らせる。つないだ手を離そうとしているのかぶんぶんと手を振って来るけど、なんか悔しいから絶対離してやんね。


「て、手はなしてよばか!」

「やーだ。あ、売店着いてきてくんね?」

「それこそやだよ!なんで私が!」

「えーあ、ミルクティーでも買ってやろうか?」

「それくらいで…「チョコレートもつけようか?」

「……レモンティーなら行ってあげる。」


そんな風に上から目線みたいに言葉を吐くけど、俯いた顔が赤く染まっているのがちらちら見え隠れする。俺が手をとってからずっとこんな感じなんだから、俺がついついハマっちゃうのも仕方ないと思うんだよね。
なんてーの?こういうとこ、すっげー可愛いんだよな。沢山冷たい態度とられてもこんな顔見せられると全部忘れちゃうんだよな、なんて分かってんのかな?ちょっとからかいたくなっちまうんだよな、


「あれ、顔赤くない、大丈夫?」

「赤くないし!早く売店行くよ!高尾の買いたい物なくなっちゃうかもしれないでしょ!」

「心配してくれんの?やーさしいねー。」

「心配なんか…してない!」


振り向いた顔は真っ赤で、思わず頬が緩んでしまう。今の俺相当たるんだ表情してんだろうなー、なんて。
気づいてんのかわかんないけど、つながれた手はまだそのままで。

振り向いて行ってくんね!なんて真ちゃんに笑えば、早く行けなんて溜息を吐かれてしまった。

今日も俺の大切な二人は、可愛い!


レモンティーの香る

20120903



詰め込みすぎてどれも中途半端に…!素敵なリクエスト内容だったのに申し訳ありません…。日宇さん、リクエストありがとうございました!
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