「…嫌、です。」


「僕は嫌じゃないですよ」





このやり取りにはもう大分慣れました。
同じクラスの優等生、瀬田君に毎日毎日付き纏われています…私なんかが。



同じクラスの女子達からの人気が非常に高い瀬田君なので、私は必然的に敵が出来てしまって。
挙げ句の果てには陰湿な虐めなんかにもあっています。





「ほら、授業始まっちゃいますから…ね?」





誰もいない(であろう)階段で、ぐいっと瀬田君の顔が近付く。
心臓はやっぱりドキドキしてて、何だか手から汗が滲み出てて。





「ん、」





ちゅ、と静かな階段に響いた音を掻き消すように、授業が始まるチャイムが鳴った。





「続きは、放課後ですね」





目を細めて優しく笑った瀬田君に、まだまだ敵わなかった。









優等生の君と


( nameさん、迎えに来ました ) 


( …瀬田くん、教室まで毎回迎えに来ないで下さい。 )


 ( 何でですか?悪い虫が着いたら大変ですから )

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