「宗!ど、どうしたの!」


「はは…やられちゃいました」





顔に三本の傷を付けて任務から帰って来た宗次郎。



あんなにこんなに、宗次郎は強いのに。





「とりあえず、あの、消毒!あ、あと絆創膏!」


「大丈夫ですよ。猫の引っ掻き傷ですから」


「…猫?」





ん?
任務に行って、猫にやられた…って?





「任務中に猫がいて、触ろうとしたら引っ掻かれちゃいました」





けらけらと笑う宗次郎に、溜息が出た。
良かったのか、なんなのか。





「…そ」


「怒ってます?」


「…別に」





宗次郎は心配そうに私の顔を覗き込んで、微笑った。





「心配してくれたなんて、嬉しいです」





敵わない、この笑顔には。








頬のキズ


( 心配して損した… ) 


( でもこれはこれで痛いんですよ? ) 


( へえ、そう。 ) 


( …冷たいです )

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