「どうしたんです?」


「先生に携帯没収された…」





机で項垂れてるのは、同じクラスのnameさん。
顔は可愛らしい。
でも性格ガサツと言うか…男らしくて。



幼馴染みの僕くらいしかnameさんと仲良くは出来ないみたいです。





「授業中に携帯触る方が悪いですけどね」


「ぐは、痛いとこ突かれた…!」





くるくる変わる表情、お年寄りに電車で席を譲るところ、喧嘩する時の口調ですら、
僕はnameさんに夢中なのに。





「…緋村先生、また神谷先生と帰ってるし」





nameさんが見てるのは、窓の外の緋村先生で。
僕は恋愛対象じゃなくてただの、





「宗次郎、帰ろ」





家が近くて、親が仲良くて、小さいときから知っていて、それだけの幼馴染み。





「…はい」










いつかいつか

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