「ねえ、宗次郎。辞めてってば!」


「何でですか?」


「…だって、」





皆見てるし、今こんな事してる場合じゃないし、空気読んでくれないかな。

要するに今、大広間で皆で会議のようなものをしてる最中だった。
結構重要な。何て言ったって、十本刀がほぼ揃ってるし、こんな事は滅多にない。


なのに、宗次郎は空気も読まず、
私にべたべたべたべたべた……………して来る。





「ほら、いい加減にしないと志々雄さんに怒られちゃうよ」





よし、コレだ!
宗次郎は志々雄さんの命令なら、絶対に聞く。
横目で志々雄さんに助けを求めた…が。





「name、宗次郎と部屋に戻れ」


「…は?」


「解りました!詳しくはまた聞きに来ます、今はちょっとそれ度頃じゃないので…失礼します。」


「え?はい?ちょ、」





何だか話が勝手に進んでる。
志々雄さんは、にやにやしてる。
宗次郎は、嬉しそう。



他は………





「…すみません、ごめんなさい。ええ、はい。」





飽きれたような、冷ややかな目でみていた。
ああ、宗次郎なんなの。
本当なんなの!次皆に会ったとき気まずいじゃない!





「…じゃ、皆さん。失礼しますね」





宗次郎は何の表情の変化も見せず、いつものようにニコニコしていて。



私の腕を引っ張って、軽い足取りで、…え?





「な、なに?!」





宗次郎の部屋を通り過ぎて、大浴場。
何故、どうして…聞いてない。





「ね、今日は一緒に入りましょう」


「い、やあぁああぁぁぁ!」





私の悲鳴は、広い広いアジトの中では誰の耳にも届かず。





「ほら、脱がせてあげますから」





結局。
宗次郎の思う壷、になってしまった。









あまえたがり


( 志々雄さん、ありがとござました! ) 

( おう、楽しめたか? ) 

( え、待って!グルなの?!グルなの?! ) 

( …nameさんたら、嫌がってたくせに結構、 ) 

( ば…っ、宗次郎ばか! )

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