「剣心…」


「そこまで、でござるよ」





好きなんて、貴方は言わせてくれない。
貴方は私に言うくせに、私には言わせてくれない。





「…うん」





私が俯けば、ぽんと私の頭に手を乗せて。
優しくて大きな手が、頭上を行き来する。





「好きでござるよ」





ああ、きっと貴方は笑ってる。





「…分かってるよ」





ああ、きっと私は泣いている。









ずっと私は


愛させて、貴方を。


.