偽者を神様は愛してくれない。 | ナノ




陸奥×坂本


悔しくも悲しくも、本当に自分はあの男が好きなのだと思う。自分に無断で地球に降り立っても、キャバクラで一人女の子と(否。おりょうちゃん、のみだ)わいわい(否。蹴られて)していても、あの男を手放せというのならきっと自分は死ぬ。
唇に触れたいわけではない。その身に抱かれたいわけではない。そういった生ぬるい感情ではない。もっと冷めた、どろどろとした感情が好きに変換されて今この体にあふれかえっている。
きっと彼は自分に離れろとは言わない。けれど彼は仲間のためなら、自分のためならこの身を撃てという。
あの男を手放せと言われたなら自分は死ぬが、きっと彼が撃てと言ったら自分は躊躇わない。
頭の中に浮かぶ亡骸を、抱いて、一筋ばかりの涙を流して、そのときになってようやっと自分は、どろどろとした感情の中から磨かれた、鮮やかな好きの感情をそこから取り出し笑うのだ。










コントラディクトメソッド


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テーマ「人外ファンタジー」
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