眠っている君に(一方通行/甘)







珍しい、物を見た。実際には物ではなくて人なのだけれど、

買い物から帰ってきた私の視界に入ったのは無防備な彼…アクセラレータの姿が。滅多に人の前で隙を見せないのに、と買い物袋を机に置いてそっと近づいてみる。



「一方通行さーん」

「………」

「起きない、ねえ」



一方通行が起きててくれないとつまんない。生憎とミサカちゃんもお昼寝中なので、構ってくれる人が居ないのだ。つまんなーい!と一方通行が寝そべるソファの近くに腰を下ろして一方通行の顔を見る。

そこら辺の女の人より綺麗なんじゃないか、とたまに思う事がある。(女の私が負けているだと?)


「一方通行、起きて…ないか」

「おーい」

「起きないとキスしちゃうぞ」


なんて独り言を彼に向けて呟いてみる。返事なんかある訳ないのだが、ほんとにキスしちゃうぞバカ!

そっと、一方通行の顔に自分の顔を近付ける。触れるか触れないかの瀬戸際だ。

その体勢のまんま、早3分はたったんじゃないか―――…という時なまえははあっと息を吐いて顔を離した。


「む、ムリムリ!そんな事して起こしたら私の命ないから!」


ぶんぶん手をふり、袋の中に入ってたカフェオレにストローをさした。


「……寂しいから、早く起きてよバカレータ」

「誰がァ、バカだって?」

「えっ!アク、アク…っ」

「なァにびびってンだよ、お前が起きろっつったンじゃあねェかよぉ」

「お、起きてたの?!」

「お前が盛大なため息を吐いた時に起きちまったンだよ」


あ、そこからか。とホッとしたのも束の間。一方通行が私の頭を思い切り(しかもグーで!!)殴った。


「痛っあああ!?」

「寝込みを襲うなんて、いつからそんな趣味があったンですかァ?」

「やっぱ起きてたんじゃない!狸寝入りなんて卑怯よ!」


涙目でキッと一方通行をにらんでも彼は華麗にスルーをしてわたしが買ってきたコーヒーに手をのばした。


「うるせェよ、」

「う……痛い」

「自業自得だろォがよ」

「なんで、あんな事でグーで殴られなきゃなんないの…」

「そりャあ決まってンだろ」

「え…うっ、わ!」


いきなり一方通行がわたしの腕を引いて、ソファにぼすんと押し倒した。上には楽しそうに笑う一方通行の姿が


「俺はァ、襲われるより襲う方が好きなンだよ、バァーカ」

「は?!え、あの、アクセラレータさん?!」

「少し黙れ、なまえ」

「ミサカちゃんが起きるでしょーっ!!」

「ァア"?…知るかよンなもん」

「大丈夫だよ!むしろ続きを見てみたいなーとミサカはミサカは続きを推奨してみたり!」

「チッ…少しは空気読めガキ」

「だからミサカは気にしないんだよとミサカはミサカは胸を張ってみる」

「私は気にするのおお!」





(キスを………無理!)



20110924





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