目の前の真実(土御門/切甘)






好きな人(片想い)と一緒に行動すると嬉しい情報も悲しい情報も入ってくる訳で、

今日も同じ様に私は上条達と行動をしている、今は昼食だ。いつもはお弁当なのだけれどたまには学食を食べようって事になって、現在昼食中。


わたしは、目の前にあるフレンチトーストとサラダ(スープ付き)という朝ご飯的メニューを頼んだ。
あまりお腹が減っていなかったので、これが妥当かな、と。



「今日もかみやんは素敵に女の子とフラグをたててたにゃー」

「ビリビリとフラグなんか嬉しくねーよ!会うたび電撃食らわしてきやがって…」

「でも、あの子常盤台中学の子やろ?ええなあそんな子と知り合いなんて!」


上条が先ほど…確か、御坂美琴だっけ?と外で出会い仲良くしていたんだっけか。いや、仲良くは誤解か、でもあの子私を見て不満そうな態度とったな。(ああ、たぶん上条の事が好きなんだろう)



「それよりお前らのロリコンさとシスコンさは異常だよな」

「なに言うてんねん!ロリはええでー?ロリは!」

「二回言う事?ほんと青髪はロリが好きなのね…」

「なまえちゃんも、ロリの良さがきっとわかるで!」

「いや、私の場合はロリではなくてショタになるのでは?」


いや、ショタ好きじゃないけどね?むしろ私が好きなのは目の前でのんびりとご飯を食べているこの土御門なんだけどね…(なんだかめんどうな恋をしてしまった)



「舞夏に関してはかみやんだろうが何かしたら怒るぜよ?」

「あーハイハイ、何もしねえって!それよか舞夏ちゃんに手出したってほんとかよ?」

「――――は?」


スープを飲んでたら上条が変な事を言い出した、おかげで変な部分につまるとこだった。


「確かに、超シスコンならありえますなあ」

「なまえもそう思うだろ?なあどうなんだよ?」

「………だ、出してないにゃ」

「あ、絶対だしただろ!どもってるもんな、上条さんはその反応を見逃しませんよ」


そして、私の恋終了のお知らせ。(ちーん)え、なんで吃ってるのよ土御門。つまり手え出したってほんとなの?え?わたしは義妹に負けたの?しかも血繋がってる(よね?義妹だし)相手に?!

わたしのスープを飲む手が止まったのに気付いた上条がこちらを不思議そうに見る視線に我を戻した

「どうしたんだよ、なまえ」

「……………別に」

「そうは言っても顔色悪いで?保健室行った方がええんちゃう?」

「なんなら俺が連れてってあげてもいいぜよ?」


しかし完全にテンションというか恋心というかを失った感じのわたしは無言で席を立った。


「なまえ、ちょ、おーい!」

「いつにも増してテンション低いんやけど…どないしたん?!」

「土御門が義妹に手ぇ出したって事実に引いたんじゃねえの?」


上条が呆れた声で土御門に言い放つ。義妹、その単語で私の肩はピクリと反応した。


「…………上条当麻」

「は、はい!?」

「……保健室、行って来る」


とりあえず事の発端の上条をにらみつけ、わたしは保健室へ足を進めた。


保健室の扉を開けるが先生は不在。大方昼ご飯でも食べているんだろう、と思いカーテンを閉めてベッドに潜り込んだ。

乙女心は簡単に傷つくのだよ、というかわたしがこんなに女の子らしい思考の持ち主だったとは、


なんて考えていると扉ががらりと開いた。あー、先生かな?と目をつむりながら考えていると、カーテンがあく音、そしてわたしの頬に何か暖かい物…というか手が触れた。

驚いて目をあけると見慣れた金髪が。


「つち、みかど?」

「起こしちゃったかにゃー?」

「何で…先生に用ならまだ職員室だと「ちがうぜ?」」


私の言葉に自分の言葉をはさむ彼の表情は真面目。


「かみやんはちょっと空気を読む勉強をしてくれないとな」

土御門はしかめ面でそう言う、しかし「でもかみやんのおかげでもあるにゃー」とか自分でうんうん納得していた。



「い、いったいなんのこと?」

「なにって…」


ギシ、ベッドが軋む音と同時に土御門がベッドの上にあがってきた。は、は?!さっきまで失恋気分を味わっていたのになんでその相手がこんな、こんな、

期待させるような事はしないで、ほしい。


「俺の自惚れかと思ったんだが、違うようぜよ」

「ななな、何が、何なのよ!」


柄にもなくテンパッてしまう。なんでって土御門がわたしを抱き締めるなんて真似をするからいけないの!

でも、彼は多分真面目だ。そういえば語尾のにゃーがない、


「舞夏の話をされた時はなまえの心理を探るチャンスだと思ったけど、まさか引っ掛かるとはな」

「引っ掛かるって、まさか」

「俺は確かに舞夏を大切だと思ってるぜよ、しかし!お前が好きなのに舞夏に手なんかださないにゃー」


あ、にゃーが戻った。じゃあなくて今土御門は何て?好き?誰が誰を?貴方が私を?とおくでチャイムの音が聞こえた気がしたけど、まるでこの空間だけは時が止まってるみたいで、


「で……その涙は返事と受け取っていいのかにゃ?」


気付けばぽろぽろ零れる涙、を拭ってくれている土御門にわたしは照れながらもはにかんだ。


「……もちろんっ、」






(これで我慢しなくてもよくなったかにゃー)
(え、)
(今までお預けくらってた分、今ここで貰うぜよ?)
(ちょ、え、えええ?!)



20110923




prev next

 

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -