約束のキスをもう一度(一方通行/甘)
いつもふらりとどこかに行く貴方に、私がどれだけの不安を抱いているか貴方は知らないでしょう?
「………アクセラ」
「あァ?……どうしたんだよ」
「また…どこか行くの?」
「……別に関係ねェだろ」
コーヒーを片手にこちらを見る一方通行にわたしは胸がずきずきと痛む。
好きな人が傷つく姿なんか見たくない、アクセラは強いから稀にしか怪我をしてこないのはわかっている。だけど、だけど、
「んな泣きそうな顔すンじゃねェよ」
「アクセラ……?」
「なまえはァ、俺が負けるとでも思ってるんですかァ?」
「そっ、なこと…ないけど!」
ぼろぼろ涙が零れてしまう。まともに一方通行の顔が見れない。と、下をむいていると一方通行がわたしの顎を掬い上をむかせた。
「泣くな、俺は必ずお前のトコに帰ってきてやる」
「……っうん、」
「例え何があっても……俺が帰ってくンのはこの場所だからなァ?寂しがり屋ななまえチャンが待ってるし、な」
だからもう泣くな、とごしごし袖で涙をふく一方通行にわたしは微笑んだ。
「なァに笑ってやがンだ」
「……ううん、わたしはその言葉、信じて待ってるから」
ね?と一方通行に言えば彼はそれ以上は何も言わなかった。だけど、その代わりに優しくも深い口付けが落とされた。
「…っふ、ぁ、は…」
「今回も、必ず戻る」
「うん、約束、だよ?」
そう言って今度は、わたしからキスをした。必ずここに帰ってきて、と
借:確かに恋だった様
20110917
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