この感情は夢のまま(上条/切)





わたしには、好きな人がいる。でもわたしはその人に告白は愚か、話し掛ける事さえも可能ではない。だって私はもう“死んでいる”から。

所謂一目惚れというやつで、幽霊になってまで困った感情があるものだ。


ちなみに好きな人、というのは不思議な右手を持つ少年上条当麻。至って普通の学生だ(ここが学園都市ということを除けば)



「とうまー!とうま?とうまっ、お腹が減ったんだよ」

「さっき食べたばっかだろーが!上条さんはそんなに裕福ではないんですよ」

「とうまのケチ!」



でも、もしわたしが生きていたとしてもこの恋は叶わなかっただろう。あの少女と当麻君は最早切っても切れない鎖でつながっているのは見ていてわかる。


(すきなのに、)

(すきなのに、手を伸ばせば触れられる距離なのに)

(彼の瞳にわたしはうつっていないのだろう)


その事実を実感して、わたしは耐えきれなくなり涙をこぼす。ぼろぼろぼろ、とめどなく。わたしは彼がスキ。好き……だった、


(もしわたしが生きていたら、貴方はわたしを見てくれましたか?)

(否、生きていても彼は…わたしなんか)





(それならばいっそ)
(消えてしまいたい)


20111013


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授業でオペラ座の怪人を
見て切ない話を
書きたくなりました。
ちなみに私はラウルより
ファントム派です←





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