愛した痕と痣と(木原/痛甘)






ドサリ、鈍い音と共に床に押し倒される私の体。ああ床は冷たい、なんて考えていたら首を絞められた。呼吸をする暇などないくらい
あーやばいなコレ、そろそろ死ぬのかなわたし。今まで生きてた事自体不思議だもんな



「オイ、なに考えてやがる」

「べつに…強いていうなら貴方がいつ私をキモチ良くしてくれるのかって事くらい」



なんて思ってもいない言葉を私を見下ろす人物に投げ掛ける。だけど私はこの男が好きなのだ、わたしも狂っているのかもしれない、もしくは重度の快楽者(マゾヒスト)だったりしてね。



「ハ、今日はやけに挑発的じゃねーかよ、誘ってんのか?」

「…げほッ、うるさいクソ科学者……ぐっ!」

「あァ?マゾヒストがよく言うぜ、今日も泣いて媚びてみろや」

「っは、サディスティックな貴方にはお似合いでしょう?」

「だろうなあ?」


お腹が痛い、蹴られてるからな。しかも手加減無しに。そろそろ内臓潰れるぞ。鼻血もとまらないしブッサイクなんだろうなあ今のわたし。


「くたばってンじゃねーぞ?まだまだ夜はこれからだからな」

「よく言う、貴方の場合は昼夜構わない愛情表現じゃないの…」



苦痛に耐えながら木原を見上げる。彼もすごい楽しそうだし、わたしも楽しいし。



「やっぱお前はサイッコーの玩具だなあ?」

「貴方もサイッコーにいい御主人様よね」



皮肉めいた笑いをかましてやれば、彼はそーだなァとわたしの口を塞いできた。

彼は愛情表現が人より多いから、所有痕と同時に他の痣も増えるから隠すのに大変、とか今からはじまる行為とはかけはなれた考えが頭をよぎったが、すぐに快感に変わった。


「木原、くーん…好き」

「ちったあ黙ってろ、」

「ん」



くすくす笑いながらそう言えば彼はこちらを横目で見て、また行為に専念する。

ま、要するにわたしも木原も快楽を間違った方向で求めてるの、

ほらまた明日も、遊んでね?






(貴方と繋がってる証を)



20111002





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