君の視線、俺の目線(金造/甘)






「…さっきから何やねん」

「別になんも」

「嘘つけやお前、さっきから俺ん事じろじろ見てるやんけ」

「………なんもあらへん!」



任務帰り、京都の町を金造と歩いているなまえ。だがなまえは通りすがる人たちの視線を気にしているようだ。一応二人は付き合っているのだが、なまえは身長差があるのを気にしているらしい。

それもそのはず、周りを通り過ぎる女の人達から視線を送られている彼氏を見て誰が楽しいだろうか。あーあ、きっと兄妹くらいにしか見えてないんだろう。となまえは思う。



「おい、なまえ」

「ん?なんや……わっ」

「そんな驚くなや」


名前を呼ばれたと思い横を見れば、するりと絡められた指。(所謂恋人つなぎというやつ)


「な、なんなん?!」

「バーカ、お前の考えてる事俺がわからん思うたか?」

「…おん、いつも鈍感やもん」

「なんやとォ!?んな事あらへんやろーがっ」

「あるわあるわー…」


お互い言い争うも、恋人繋ぎのまんまで。しかし金造はこの身長差が嫌いではなかった。


「ま、お前はちっさい方がかわええ思うけどなあ」

「かわ…ッ?!ば、バカやないの!?」

「はいはい、照れ隠しいうんわかっとるんやからな」

「金造のばか!」


金造の腰らへんで騒ぐなまえを、金造はちらりと見る。ぷりぷり怒るなまえを見てフッと口元を緩める。


「な、なん笑ってはるん?」

「いやあ…知ってはりますかなまえちゃん」

「?どないしたんよ金造」

「ここから見たら、お前の首元から服ん中見えるんやで」

「……………はああぁあ?!」

「や、俺としては絶景なんやけど?なまえは背ェより胸に栄養が……痛ァ!」



もう!金造のスケベ!変態!と言ってなまえは先に行ってしまう。金造はくつくつ笑いながら、なまえを見つめる。


本当はなまえの可愛い顔も怒った顔も、上からなら全部見られるからだなんて言ったら、なまえは何て言うんだろう。と金造は考えた。





(柔兄!金造がエロいっ)
(なんやてぇ!?金造!)
(はぁ?!自意識過剰やろ!)
(なんやって?!)

(あかん、見てられへん)
(お前の実家は相変わらずやな)
(坊、どういう意味ですか?!)


20111010




prev next

 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -