選択権などない(メフィスト/狂愛)






「メフィスト…っ、ど、して……っ!」

「おや、貴女がいけないんですよ?私以外の男を選ぶのだから」

「っぐ、うあ…!」



ギリギリと首をしめられる。意識がなくなりそうになると緩められてまた意識がはっきりしてくると、しめられる。何時間それを繰り返しただろうか。


「貴女が私を選べばいいんですよ、簡単でしょう?」

「いっ…や、」

「おや…あなたに拒否権はないんですよなまえ」


口角をあげて笑うメフィストに、今日何度目かの恐怖を感じる。痛い、苦しい、なにも、わからなくなってくる。



「ほら、どうしますか?貴女が私を選ぶというのなら…目一杯愛でてあげますよ」

「っ………あ、う…助けて……、り、ん…」


涙目でそういえば、メフィストはひとつ溜め息を吐く。そしてふいになまえの首から手を離した。


「うっ、げほっ…こほ!」

「仕方ありませんねぇ、あまりこういうのは好きじゃないんですけど…」



メフィストがそう言って、アイン、ツヴァイ、ドライと言うと大きな鳥かごがでてきた。



「いっそのこと、私以外見れなくしてやりますよ」

「メフィスト……っ、」



選択権なんか与えない、そうとでも言うように彼は笑っていた。








20110909.




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