「マッサージィ?」


顔を歪めながら心底嫌そうにそう言う柔造は、読んでいた雑誌をパタリと閉じた


「なんや、肩でも凝ったんか?」

『肩いうか…最近身体が怠いんよ。柔造やったらマッサージ上手思て』


あははと笑いながら肩を擦る私に、柔造は「…しゃあないな」と苦笑する


「おいで」



そう言いながらポンポンとベッドを叩いて私の腕を引くと、俯せになった私の足に柔造が優しく乗り掛かった



「背中とかか?」


『んー、せやね。ありがとう柔造』


振り向きながらにこりと微笑むと、柔造はふと優しく笑う



「かいらしい彼女の頼みやからな」


『んふふー』





にんまりとした顔を隠すように枕に顔を埋める


柔造の手が肩から背中を優しくなぞった



『ん…』


グッグッと指で押すように動くそれ学校気持ちよくて、ついうっとりとしてしまう



『あ…っ、ん…』


「……」



ツボだったのか、一瞬押されたその部分に声が上擦ったけど、柔造は気にしていないように指を動かしている


『んぅ…きもちい』


「…そ、そうか」


『柔造はいいお婿さんになれるんとちがう?』


「ははっ、現金な奴やな」


けど、なまえの婿さんやったらなってもええなぁ


『…え、それほんま……ひゃっ!?』


振り返ろうとベッドに腕を付いた瞬間、柔造の手が私の胸を掴んだ


『どこ触って…っ』


「ん?ああ、堪忍な。ここもマッサージして欲しい思て」


『そんな訳ないやろ…!ちょっ、やぁ…っ』


ムニムニと巧みに動く手に息が上がる

起き上がろうとしても、いつの間にか身体を押さえつけるようにしていた柔造にそれも出来なくて


『んぅ…ぁ、ん』


「…エロいなぁなまえ」


わざと耳元で囁くように言う柔造にゾクリと何かが背中を駆ける


『やぁ…』


「…嫌?嘘言うたらあかんやろ。ほんまはかなでも気持ちええクセに」


『じゅ、ぞ…』



私の身体をクルリと反転させて馬乗りになる柔造の目は、男の目をしていた


「…さっきからあないな声聞かされて、我慢出来る思たら大間違いや」


『し、仕方ないやんか…!柔造の指が気持ちよかったんやもん…』


「…それ、褒めとるん?」





ニヤリと口角の上がる唇に、嫌な予感が駆け巡った






「なまえがそう言うんやったら、期待に応えんとなぁ?」




なんせ俺は、テクニシャンやから

『そ、そういう意味やな……んぅ!』



抗議の声は、嬉しそうに笑う柔造の口づけで阻まれる


これもマッサージの一環や、と胸に手を伸ばす柔造がどこか愛おしいと思ってしまう私は、笑ってしまうくらいこの人に惚れ込んでいるにちがいない





あなたに夢中





(なまえ、またマッサージしよな)
(これマッサージやないよね!?)
(嫌やなぁ。身体使った立派なマッサージやろ)

(……ばかっ)




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おいしいです!←
こんな素敵な小説を
ありがとうでした(^ω^)


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