「あの、柔造……」
「……」
「柔造さーん?」
「ん、なんや…?」
「今仕事中だよね?」
「おん」
「じゃあなんで私は柔造に抱き締められているのかな」
書類を取りに京都出張所に戻ってきたところ、私の愛しい彼氏さんの柔造に捕まった。こんな誰が通るかわからない場所でわたしは彼の腕の中にいる、
「それはあれやな、俺がなまえを愛しとるから」
「う…っ…、そ、そんな事言われても仕事は仕事!」
首筋に顔を埋めながら喋るものだから耳らへんに息がかかってくすぐったいのだが。
「ん、ちょっと柔造!」
「なんやええ香りやな…?風呂入ったん?」
「汗かいたからね…て違う!」
「なんやなまえに触っとらんと、落ち着かんねん」
「……私だって柔造ともっとゆっくりしたいけど、仕事があるでしょ?」
そう宥めるために言ったはずなのに墓穴を掘ったらしくて彼はいきなり、せやな!と何かを閃いたらしくて。
次の瞬間、ふわりと体が浮いた。(というかお姫様抱っこをされている、)
「ちょ、ちょちょちょ?どこに行くんですか?」
「ん?俺の部屋や」
「……何しに」
「愛を深めるために決まっとるやろー?ははは、」
「ははは、じゃないから!」
いくら暴れようが、柔造の力に適うはずもなく。
「ほんま、かわええな?」
「っ……」
なんで、そんな優しい笑顔でこちらを見て言うのだろうか。わたしはとりあえず照れ臭くて、でも好きってキモチも溢れて。
「わたしも、大好きだよ…」
「!……なまえ」
「え?……んっ、」
小声で気持ちを伝えれば彼は一瞬驚き、そして触れるだけのキスをしてきた。
「あんまかいらしい事言うてくれるなや、我慢できなくなるやろ」
なんて赤い顔で言われたら、わたしも素直に頷くしか出来ないじゃない。
(んっ、や、まだあ?!)
(まだまだやで?)
(ふぁっ、ちょ、っとォ…ッ)
20111007
――――――――――――
刹那様、こんな微妙な
小説でよければ
受け取ってやって下さい!
※刹那様以外持ち帰り厳禁