「ふぁ…あ、よく寝たぁ」
「おはようなまえ」
「おはよーりっちゃん」
欠伸を盛大にしたところで、わたしの目は確実に冴える。りっちゃんとは寮でも同じ部屋、わたしの大事なパートナーなの!
と、鞄に今日の教科書を詰めているとパシャリと音が聞こえた。ん?と振り向いてみるがりっちゃんは知らぬ顔をして制服に着替えている。
「りっちゃん、今何か変な音聞こえなかった?」
「そう?気のせいでしょ」
「うーん…そうかな」
りっちゃんは知らないといった顔でこちらを見る。やっぱり気のせいだったのかな?
「準備できた?」
「うん、いこう!」
「そうね」
わたしとりっちゃんは、いつもと同じく祓魔塾に向かった。しかし塾に向かう途中に先ほど聞いた奇妙な音が何度か聞こえた。シャッター音のような…なんだか不気味
「おはよ、なまえに律」
「おはよー出雲ちゃん!」
「おはよ、出雲」
「今日は髪型違うのね?」
「暑いから…ポニーテールにしてみました、どうかな?」
「めっちゃかいらしい!!」
「ぎゃっ、ししし志摩!?」
「悲鳴は可愛くないわね」
後ろからの突然の衝撃に振り向く事もなくわたしは相手の名前を呼ぶ。(つかりっちゃん!悲鳴は可愛くないってどういうことだ!)
こんな事をする相手なんか志摩しかいない。もし他に居たらそれはそれで恐怖だ、常識外れな人間しかいないことになる。
「如月さん、如月さん」
「…なまえ、ちょっと待ってて」
「?りっちゃんと志摩なんて変な組合せ…」
「おーっす!おはよ!」
「燐!おはよー、しえみも」
「おはようなまえちゃん」
ゾロゾロと皆が入ってくる中、志摩とりっちゃんだけはこそこそと携帯をだしながら何かをしている。なんだろう、すごく気になる。わたしは後ろからそーっとりっちゃんの携帯を覗き込んだ。
「な、ななな何これ!?」
「あー…バレちゃったわね」
「あかん!それを急いで隠すんや如月さんっ」
「ええ、わかったわ」
「いや隠さないで、消してよ!なんでいつもと違って変なとこで意気投合してるのよおお!」
りっちゃんの携帯にうつっていたのは、寝顔から着替え登校中さまざまなわたしの写メだった。
いくらで買収されたんだ!!りっちゃん!!
「ごめんなまえ、志摩が限定品の猫太ストラップを持ってたから写メを撮る変わりに…ね?」
「猫太…猫太に負けた…」
くすっと笑うりっちゃんはどこまでも美人…じゃなくて今は黒い笑顔に見えます。
「ほんま、これでなまえフォルダに新しい写メが加わったわぁ」
「え、なにそれ…」
「かいらしいなまえの写メが沢山入ってるフォルダやけど」
「今すぐ消してぇええ!!」
どうやらりっちゃんまでもが志摩に買収されていたらしい。うん、志摩恐るべし。なにものにも屈しないりっちゃんを…猫太ストラップ一つで従わせてしまうなんて!
(というかどんだけ猫太が好きなの!?りっちゃん!)
盗撮も売買も
全部ぜんぶ、犯罪
(消してって、ば!)
(それはできひんなー)
(志摩っ、ちょ、っ)
(あーほんまかいらし!)
(…授業を始めたいんですが)
((はっ!))
20111011
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キャラを沢山だすと
だれがだれだか
わからなくなります←
雪男哀れなり。