「なまえ、宿題やったの?」
「あ!忘れてたッ…りっちゃん私に宿題を見せてください…」
「ハァ、しょうがないわね」
「おはよー如月さん」
「おはよう志摩」
「おはよーさんなまえ!今日もかいらしいなぁ大好きやァ!」
「ひっ、寄るなぁあ変態ィ!」
「相変わらずやね志摩さんは」
「アホやアホ」
ここは正十字学園の祓魔塾。祓魔師(エクソシスト)になりたい人が通う塾。この世には悪魔が居る、普通ならお伽噺のような話だが悪魔は本当にいるのだ。悪魔を倒すために力をつけたい人がここに通う。
私もエクソシストになるために、ここに通っているのだが面倒な変態に目をつけられた所為で毎日が大変だ。
「でも志摩が一人の女の子だけにちょっかいかけるんは珍しいわな、なんやマジかいな」
「坊、人聞きの悪い事は言わんでくださいな!俺はいつでも一筋ですよー」
「じゃあその一途な心を誰か別の人に…っ」
「そんなんアカン!俺はなまえちゃんだけやで?」
「何言ってんのよ志摩、この子はアタシのよ」
「りっちゃんまで何を?!」
わたしの左にはりっちゃん。右には志摩とばちばちと睨み合いが続く。
「せや、俺の愛情表現は如月さんには真似できへんで?」
「ふうん、じゃあ見せてみなさいよほらほら」
「ええよ?なまえ、ちょっと堪忍な」
「は?……わひゃあ!」
「志摩おまえっ、な、な、何しとんのや!」
「ここ教室ですよ志摩さん、坊も落ち着いてください」
「アンタ一番落ち着いてるわね」
「た、助け…っひゃ、りっちゃん、出雲ちゃんんん!」
志摩は相変わらずわたしの耳や首筋に唇を寄せる。ぞわぞわ体が悲鳴をあげる中りっちゃんと出雲ちゃんに助けてもらった。
「こない如月さんには真似できへんやろ?」
「……愛情表現ってより、ただのセクハラじゃない」
「セクハラちゃいます!」
「うっうっ、わたしのバカ」
「なんか…頑張ってちょうだい」
りっちゃんと志摩が言い争う中、出雲ちゃんがわたしの背中をぽんぽん叩きながら哀れみの目を向けてきた。
愛情表現?いいえ
立派なセクハラです
(なまえ、俺の愛やで!)
(志摩にあの子は渡さない)
(だれかどうにかして…)
20111011