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 赤い首輪は所有の印

「なぁロー、立って」
「ふ、ぇ…立てな…」
「イきたいだろ?それともここで終わりにするか?」
「ゃだっ…だって、…」
「俺に掴まって、ゆっくりでいいから」

宥めるように瞳に浮かんだ涙を舐めとると、膝立ちだったローがゆっくりと腰を上げる。俺の肩にしっかりと掴まって、ふらふらと頼りなげにだが立ち上がったローに、いいこだな、と頬を撫でた。

「ちゃんと出来たからご褒美あげなきゃな」
「ぁ、ひあっ!っ、ふ…っ!」

ローのズボンも下着もずり下げると現れ出た小さな性器を口に含んでやる。幼いなりにもしっかりと反応しているそこはいやらしい液を溢して震えていた。
口内にすっぽりと収まるそれを丹念に舐めあげる。小さく開く尿道口に舌を這わし、あとからあとから溢れ出る先走りを舐めとるように愛撫する。

「ロー、足震えてるぞ。しっかり立てよ」
「あっ、あぁ!ゃ、やっ…だってぇ、もっ、たてな、ひゃあ!」
「イくまで我慢な。もうイきそうだろ?」
「ふ、ぅんっ…あ、だめぇっ、いく、いっちゃ…あ、〜〜っ!」
「…っと、危ね」

絶頂を迎えるのは普通のそれに比べて幾分早い。精通を迎えたばかりの薄い精液が口内に広がり、同時にがくんと膝の折れたローの体を咄嗟に支えてやる。
浅く呼吸を繰り返すローのぴくぴく揺れる耳にキスを落とす。気持ちよくて堪らないといったような蕩けた瞳はいつでも俺の劣情に火をつけた。
だけどいつも言うのは同じこと。

「ロー、疲れたろ?寝てもいいし…終わりにするか?」
「ゃっ、だめ…きっども…」

こうしてその気持ちを振り払って頬を撫でながら優しく問い掛けてやっているのに、ローはいつでも俺が用意した逃げ場から背を背けた。
また今日も。だけど結局そうやって教え込んだのも俺なんだから偽善もいいとこだ。
ふるふると首を振ってだるそうに体を持ち上げたローがズボン越しに俺のものに触れる。薄ら瞳に涙を溜めて、それでも触れる手を止めない。
そのギャップが堪らないのだ。恥ずかしいって嫌がるくせに体は淫乱で、そのたび俺がローに溺れていくのが手に取るように分かる。

「ね…キッドと、」
「ん?」
「キッドとおなじことしたい…いい?」
「いいってか…んなことしなくても、」
「だめ、するの。したい」

ローは時々突拍子もないことを言う。
今のもその一部で、もちろん嬉しいが今まで一度もさせたことがないし、いつもはさせても手で終わるので躊躇いの方が大きい。
子供が駄々を捏ねるような態度でローはかちゃかちゃと俺のベルトを外す。その手を止めようとすれば尻尾で叩かれて、頬を脹らませたローに苦笑した。
その子供らしい態度と今から行う行為があまりにも噛み合っていなかったから。

「じゃあしてもいいけど…出来んのか?」
「できる!…キッドがしてくれたのとおんなじようにすればいいもん」

言ってから恥ずかしそうに目を伏せたローが可愛くて頭をそっと撫でてやる。頭を撫でられるのが好きなローは嬉しそうな、照れたような顔をしながらズボンの前を寛げた。
たどたどしい手つきで下着をずらしたローが、現れ出たそれに大きく息を呑むのが分かった。その様子に無理しなくていいぞ、と笑えばムッとしたような顔をされてぱくりと先端を口に含まれる。大概負けず嫌いな猫は苦しそうな顔をしながらも飲み込めるところまで飲み込んで、必死に舌を動かした。

「ふぅ、んっ、んぁ、ん…」
「…っ、は、」
「んっ、んんっ、」
「っロー…上手だな」

そう言って耳の付け根を擽ってやるとローは嬉しそうな顔をした。
ざらりと熱を持った舌が這い回るたびに背筋が震えて息が洩れた。テクニック云々よりも視覚情報の方が大変なことになっている。

小さな赤い唇から飲み込みきれなかった唾液が顎を伝い、じわりと苦しげに涙を滲ませながらも必死に性器を咥えている。
蹲り腰を高く上げる細身の体はまだ丸みがどことなく残っていて、褒めてやれば嬉しそうな顔をするその表情に滲み出る幼さが、グロテスクな性器を咥えさせている相手が十を超えたぐらいの年端もいかぬ子だと認識させた。
それに頭が沸くほど興奮する。そんな趣味はなかったんだけどな、と客観的に自分を見つめて苦笑した。
今まで抱いたどの女よりもこの小さな猫が愛おしいなんて笑える
自分の指を舐めて軽く唾液で湿らすと尻を撫でて奥でひっそり息づく穴に触れた。
びくりと体を揺らしたローが不安そうにこちらを見つめる。大丈夫、続けて、と耳を撫でてやると気持ちよさそうに目が細められた。

その様子を確認して、つぷりと指を一本挿れる。
指を挿れるのが初めてなわけではないが、数えられるほどしかない。痛い思いはさせたくないし、挿れるとしても二本までと俺の中では決まっていた。

「んっ、ふぁ、んんっ」

慣れない感覚に跳ねる腰を宥めるように撫でてゆっくりと根元まで押し入れる。入ったら今度は第一関節まで抜いて、その繰り返し。
幾分か動きがスムーズになってきたところで指を引き抜くと、床に転がっていた猫じゃらしを掴んだ。

「ロー、痛かったら言ってな」
「ふ…?っ、んん!?ん、っ」

蠢くそこをファーで円を描くように撫でるとローの瞳が不思議そうに揺れる。頭を撫でて優しく声をかけると、状況を把握しきれていないだろう表情に背徳感と興奮が綯い交ぜになり、抑えも利かずゆっくりとピンク部分を埋めていった。
途端に目を見開いたローが塞がった口の中で悲鳴をあげる。そのたびにあたる舌に煽られて、つい残りの半分を勢いよく挿れてしまった。

「ひゃっ、ぁ、あぁっ!」

その刺激に堪らず唇を離したローがびくりと大きく背を撓らせて一際高い声をあげる。
耳につく甘い声に乾いた唇を舐めると、荒く呼吸を繰り返すローの頬を撫でてゆっくりと出し入れを繰り返した。

「ふっ、ぁ、ひあっ…や、きっど、ぁあ!」
「ほら、ロー、口が動いてないぞ?」
「っ、ぁ、んっ、ふぁ、んーっ!」

ピンク色が出たり入ったりする様に思わず目が釘付けになる。ローも大分気持ちいいらしく、とろんと蕩けた瞳はもう何を映しているのかも分からない状態で、ただ俺のものを握っているだけ。
それに見かねて声をかければびくりと肩を揺らし、口に含んで泣きながら必死に舌を動かした。
絶景だな、と独り言ちる。ビデオでも回せばよかったかも。

「ん、んぁっ、あぁ!ひっ、ゃあ、だめぇっ」
「すごい気持ちよさそうじゃん。何が駄目なの?」
「だめなのぉっ、きっどの、なめらんなぃ…ひっ、あー!やぁ、そんなしちゃ、ぁ…っ!」
「っは、かわいー。いいよ、ローは気持ちよくなってな」
「あぁ、だめっ、ひ、あ、あっ!」

何とか咥えようとして、そのたびに失敗するローが俺の性器に頬を擦り付ける。丸みのある頬がどろどろとした先走りで汚れていく様に頭の芯がぐらりと揺れた。
それに従って出し入れする手つきを激しくしてやれば、ローはびくびくて腰を揺らしながら首を振った。

「あっ、んん、きっど、や、でちゃ…あ、もっ、いっちゃう…っ!」
「ん、イっていいぞ」
「ひっ、あぁ、あ――っ!」

少し激しくしてやればすぐにでも泣きながら絶頂を訴えたローに遮ることはせず、ギリギリまで引き抜いて一気に奥を突いてやる。
びくんっと腰が大きく跳ね、ぱたぱたと床に飛び散る精液を確認してからあまり刺激しないよう引き抜いた。
現れ出たファーはしっとりと濡れていていやらしい。ぶるりと震えて真っ赤な顔で息を吐くローとその光景に限界を感じて息を詰めた。

「っロー、口開けて…舌に出していい?」
「んっ、いいよ…きっどの白いの、ちょーだい…」

ローの痴態を目の前で見せ付けられ、すでに限界を迎えていた性器を数度扱くと開いた唇から覗く赤い舌の上に精液を放つ。どろりとした重い白濁色がローの舌と絡まりあい、その光景にまた勃がりそうになるのを何とか抑えた。

舌を引っ込めて、ふらふらになりながらも起き上がったローが自分の両手で唇を塞ぐ。
全身、どこも仄かに赤く、薄らと涙を溜めた瞳を可愛いな、なんて見つめていれば、こくりと喉が上下に動いて目を見開いた。慌ててローの両手を引き剥がすももう遅く。

「ちょ、ローお前…」
「っ、ちゃんと飲んだぞ!えらい?」
「いや、ってか…あーもー」

がしがしと頭を掻くと、蕩けた瞳で機嫌よさげに笑うローを腕の中に閉じ込める。とっとと吐き出させればよかった、と若干後悔しつつ、褒めて褒めてと言いたげに尻尾で腕を叩くローは可愛くてどうしようもない。

「今度から飲まないですぐ吐き出せよ」
「なんで?全部飲んだぞ?ほら」
「見せなくていいから!」

また勃ったらどうしてくれる、と赤一色になった舌に視線をそらす。そうすればぺちぺちと腕を叩いていた尻尾が不意にやみ、見ればローは不機嫌そうに頬を脹らませていた。
ロー的には褒めてもらいたかったのに今の態度じゃ怒られたも同然だろう。別にそういうわけじゃないが、出したものを飲まれるのは何かこう罪悪感が…本当自分でしといて今更っちゃ今更だけど。

酔いが冷めたような頭はいつでもこの行為に対して道徳観念という凍りついた視線を向けた。それでも止められないのは単にこの猫が愛しいから。
ぎゅっとローを抱き締めると旋毛にキスを落とす。耳に唇を寄せれば、ゆらゆらと尻尾が動き出して可笑しくなった。

「ロー、ごめんって。偉かったけど、今度から飲むなよ?」
「なんで?」
「…大人しか飲んじゃいけないから」
「大人になったらいいのか?」
「うーん、まぁ」

いいってか許容範囲だな、と考える俺はやっぱり最低だと思う。でもやっぱり今更か。

「ロー、どうする?飯食いたいか?」
「んー…体べたべたする…」
「じゃあとりあえず風呂入るか。寝たかったら寝ていいから」
「ん…」

床に飛び散った精液が乾いてこびりつく前にティッシュで軽く拭き取ると、ローが小さく頷いたのを確認して、その体を抱き上げて風呂場に向かう。
途中くいっと控え目に服を引っ張られて、見れば不安そうな瞳でこちらを見上げるローと目があった。

「…キッド」
「ん?」
「ここにいる?出かけない?」
「どこも行かないって。ローと一緒にいるよ」

その内容がまた可愛いらしいもので、緩む頬もそのままに額に軽くキスを落とす。擽ったそうに肩を竦めたローがお返しと言わんばかりに頬にキスをしてきて、その嬉しそうな笑顔につられて俺も笑った。




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