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 甘いだけの嘘より愛を

-後日談-

エイプリルフールから一週間ぐらい経って、何故か俺はドライでイくことを強要された。
絶対出来ない、てかやりたくもないって散々暴れたのに押さえ込まれて、しかもこの間はちゃんとできただろ、なんて言われて。イった記憶もない上にあんなにヤり倒してたんだから不可抗力も甚だしいと思うんだけど。
だから絶対出来ないって断ったのに、なら試そうぜと言われる始末。一回出来たんだから出来るって、と囁かれて、出来なかったら本当にやめろよと釘を刺して結局折れてしまった。
まあどうせ無理だろうし、キッドに二度とそんな戯けたことを言わせないためには一回ぐらいやらせなきゃ収まりがつかないだろう。これで無理ってはっきり分かったら、もうそんなことも言われなくて済むし。

かくしてキッドと行為に及んだ訳だが。



「んんっ、ひぁ、も、むりぃ…っ、ぁ、いくっ、いくぅ…っ、〜〜っ!!」
「は…すげ、ドライでちゃんとイけんじゃん」

な ぜ イ け る。
え、待って全然意味分かんないんだけど。確かに同じ環境にしないと無理だろうからってキッドに言われて今も出るもんないぐらいイかされてさらにイかされたんだけど、嘘だろ。

「だから言ったろ?一回出来たんだからイけるって」
「ひ、ぁ…んっ、ぅそ…っ」
「嘘じゃねェよ。もう一回イってみるか?」
「あっ、ゃらあ、やめ…っ、ひっ、あぁあ!」

いつの間にそんな淫乱になったんだよ、ってキッドに笑われたけどそんなん俺も知りたいわ。




気付いたらまた気を失ってたみたいで、起きたらキッドに抱き締められたまま眠っていた。起き上がろうとしたけど、とてもじゃないけど腰が痛くて体がだるくて無理。
しょうがないからすやすや眠るその馬鹿面を眺めてこれからどうしてくれようかと考えていたら、ぱちりとキッドが目を開いて。どことなく満足そうな顔をしたキッドにマジでムカついて何度も文句を言ったけど、適当に聞き流されるだけでさらにムカついた。
こんな変なこともう二度としない、頼まれても。そう思って悪態吐きながらキッドの脚を蹴っていたら、そんな行為を全く気に留めてもいないキッドが呟いた言葉に体が固まった。

「思い込み効果ってすげェな」
「…もう一回言って」
「思い込み効果って、ぐふっ、」
「え?なになに、ドライでイけたって言ったの嘘だったってこと?」
「ちょ、鳩尾きまってる、」
「はいorイエスで答えろよ。嘘だったんだろ?」
「落ち着け、エイプリルフールだったろ?信じたのはお前だ。信じ込んでイったのもおま」
「いや、死ねよ」

それからキッドと一週間口を利かなかった。




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