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 人でなしの恋とその弁明

好きだとか愛してるだとか、そんな安っぽくて馬鹿らしい言葉には反吐が出る。
でもそれがてめェにはお似合いなんだよトラファルガー。似合いすぎて笑っちまう。俺に愛してるだなんて陳腐な言葉を甘ったるく囁かせるのはどこを探したっていないだろうさ。てめェ以外には。
だからここは一つその愛に免じて、なんて胡散臭い聖職者じゃあるまいし、言葉の性能としてはまるで無力だろうけど、言ってて悪い気はしねェから口に出すだけで、忘れるなよ、他意はないんだ。まあそんなこと念を押されずとも分かってると思うけどな。なぁ、だっててめェは俺の玩具じゃねェんだろ?前に自分でそう言ってたよな。
そもそもそんなこと一々言われなくても自明で、だからてめェが口を開いてまでわざわざ俺に言う必要はないんだよ。例え扱いが玩具でも、そう見えるだけで、俺はてめェを愛してるさ。反吐が出るくらいにな。だから口を動かすだけ無駄な労力だってことだ。そんなことしてる暇があるなら腰動かして、俺を満足させるような言葉を口にする方がよっぽど賢いってもんだ。俺の言っている意味、分かるよな?

……ああ、そうだ、分かってないから今こうして身体で覚えさせているんだっけか。すっかり忘れてた。なぁ、気分はどうだトラファルガー。もう我慢したって今更だろ、気持ち良いとか素直に言ったらどうなんだよ。それとも気持ちよすぎて何も言えないってか?適量の倍は使ったからな、仕方ないか。そういやあの薬って大量投与すると致死に値するんじゃなかったか。バイブ突っ込んだまま善がり狂って死ぬなんて傑作だな。まあでも安心しろよ。「愛してる」てめェを見す見す殺す訳ねェだろ?
ははっ、愛してるってのは本当どこまで便利な言葉なんだろうな。睦言にもなるし免罪符にもなるんだからてめェにかける言葉はそれ以外要らないかもな。

なぁ、愛してる。愛してるぜトラファルガー。嘘は言ってない。そんな目で俺を見るなよ。てめェの綺麗な藍色を抉りとっちまいそうだ。でもそれはそれでいいかもな。そうしたらてめェが俺以外のものを見ることもなくなるだろうし。ああ、でもそうすると俺のことも見えなくなっちまう。それにやっぱり勿体無いな、なくしちまうのは。そんな下種を見つめるような目付きじゃなかったら尚更だけど嫌いじゃねェ。だからてめェは俺の言うことだけ聞いて俺だけを見てればそれでいいんだよ。俺が変な気を起こすようなことはせずにさ。
てめェのその口が、悪態を吐き捨てるためにあるんじゃなくて俺を満足させるためにあるように。



「だから何て言やいいのか分かるだろ?」
「はっ……FUCK YOU、だ…糞野郎…っ!」


どうやらまだ躾が足りないみてェだな。




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