「ユースタ…っ」
「悪ぃけどもう無理」
どんだけ我慢したと思ってんだ。
そう言ったユースタス屋の声はどことなく切羽詰まっていて、何か言う前に顔を上げさせられるとキスされた。開いたままだった唇からぬるりと舌が入り込んできて濡れた音を立てながら絡め取られていく。久しぶりのその感触に背筋が震えて、いつもならされるがままのそれにも自ら舌を絡めるとくちゅくちゅとやらしい音を立てられて。
「んっ、ふ…ぁ、んぅ…」
息継ぎのために少しだけ唇を離されて、でもやっぱりそれもほんの一瞬でまた唇を塞がれる。入り込んだ舌が口腔を余すことなく舐め尽くして、絡めた舌を強く吸われるとびくりと肩が震えた。知ってか知らずか弱い上顎も尖らせて舌先で擽るようになぞられてだんだん体から力が抜けていく。カクリと折れそうになった膝にユースタス屋の腕がしっかりと腰を掴んで座り込むことだけは阻止された。
「ふっ、ぁ…はっ…は…」
息苦しさに眉根を寄せれば、ちゅっとタイミングよく唇を離される。もしかしたらずっと見られていたのかもしれないと顎を伝う唾液を拭うユースタス屋に顔が赤くなった。
だけどそのままベロリと首筋を舐められてそれどころじゃなくなった。
「やっ、ユースタ、屋…!」
「シたい。…駄目か?」
するりと服の中に入ってきたユースタス屋の手を慌てて掴むとじっと見詰められて。それに思わず言葉が詰まる。駄目か?なんて聞き方はズルイ。だって俺は断る理由を持ってないから。
黙っていたら、くちゅと音がして耳の中に入ってきたユースタス屋の舌に思わず服をぎゅっと握り締めた。そのまま輪郭をなぞるように舌を這わされてその不思議な、擽ったいような気持ちいいような感覚にびくびくと体が震える。
「…ロー」
「ひっ、ぁ…っ」
抵抗を防ぐように、催促するように耳元で囁かれてついでに耳朶も甘噛みされる。それに思わず自分じゃないみたいな高い声が出て羞恥に顔が赤く染まっていった。もしかして耳弱いのか?とまた囁かれて今度は服の中に入った手が動き出す。滑るように動く手が乳首に触れると指先できゅっと摘ままれて。
「あっ…ま、ユースタス屋…!」
「やっぱ嫌か?」
「ちがっ…やじゃない…けど、」
「けど?」
「…ベッドが、い…」
断る理由のない俺は俯き加減でそう言うとユースタス屋の首に腕を回した。それにゆっくりと抱き抱えられて。本当はユースタス屋に聞きたいことも言いたいこともいっぱいいっぱいあったのに。全部後回しになりそうだなと寝室に運ばれながらぼんやり思った。