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「トラファルガー…」
「っ、ぁ…なに…?」

シャワーを浴び終えて部屋に戻るとトラファルガーはベッドに座って本を読んでいた。放っておくとこいつはいつまでも読み続けるし、せっかく二人きりなのにそれはつまらないじゃないか。
だからその細い体を後ろから抱き締めて耳元に唇を寄せると名前を囁く。意識した低い声はこいつの苦手なもので、ほら、こうやってすぐに顔を赤くするのだ。
ちゅ、と耳裏にキスを落とすとびくりと大袈裟なほどに体が震える。これから何をされるのか分かっているのだろう。相変わらずのその反応に笑いながら、そっと腰を撫でた。

「ちょ、ユースタ…っ」
「本なんか読んでねェでもっと楽しいことしようぜ?」

慌てたようにトラファルガーが振り向いて腕を掴まれる。こういう行為に免疫のない俺の恋人は、全くこういった類いのものが苦手なのだ。理由を聞けば恥ずかしいから、と涙目で俯いてしまう。そのわりにトラファルガーの体は本人に反するように…一言で言えば、淫乱、だな。
妖艶で、淫らで、そのくせ常に羞恥がまとわりつくこの体はまさに俺好みと言ってもいいほどで。

「嫌か?」
「だっ、て…まだ明るい…っ」
「明るい方がいいだろ。お前の体がよく見える」
「っ!やだ、離せっ」
「おい、暴れんなって」

ぼそりと一言、耳元で囁いた言葉はトラファルガーの羞恥を煽るには十分だったらしく、一気に頬を赤く染めるとじたばた暴れだした。でも実際、トラファルガーは夜、お互いが薄ぼんやりと見えるほどでないとさせてくれないから。
今はまだやっと日が沈み始めた頃。トラファルガーに言わせてみればまだまだ明るいらしい。

だが今更ここにきてこの気持ちを抑えられる訳もない。一度沸き起こった肉欲を早々に頭の片隅へと追いやって、はいじゃあ夜まで待ちましょうと言えるほど、俺の人間性は出来ていなかった。

「大人しくしてろよ。悪いようにはしねェから」
「嘘吐くな!離せ、っ…んぅ!」

頬を染めて怒鳴るトラファルガーに全く迫力など感じられないが、騒ぐこいつはうるさいので手っ取り早く唇を塞いで黙らせる。きゅっと固く結ばれたそこに舌を這わせてゆるゆると舐めてやればそれだけでびくっと肩が揺れて笑みが溢れた。口を開けろと促すように優しく頬を撫でてやれば、結局はおずおずと開かれていって。するりと舌を入れ込むと逃げるように奥に引っ込むそれを深く絡めとった。

「んっ、ふぁ…」

絡めた舌を柔く噛んでそれから少し強めに吸ってやると、縋りつく腕からどんどん力が抜けていく。弱い上顎を何度も繰り返しなぞり、ちゅくちゅくと濡れた音を響かせながら深いキスをさらに深めるように後頭部をぐっと掴んだ。角度を変えるようと動かす際に離された唇からは鼻にかかったような甘ったるい吐息が洩れて。そうしてくたりとこちらに体を預けるようになるまで存分に口付けた。

「ぁっ、は…んっ、ユ、スタ…まって…」
「んなこと言ってこことかもうぐちゃぐちゃなんじゃねェの?」
「ひ、ぁ…っ!」

そろそろいいかと唇を離せばその激しさを知らせるように唾液が糸を引いてぷつりと切れる。その様子にトラファルガーは頬を染めながら、それでもまだ嫌だと首を振るので腰に回していた手を下ろすとわざとらしくズボンの上から中心を撫でてやった。びくりと大袈裟に体を揺らした、すっかり力の抜けた体を抱き締めながら耳元で囁くと、やわやわと揉むようにして緩く刺激してやる。じわりと目に涙を浮かべながら逃げるように動くトラファルガーにくつりと笑うと、そっと手を離して今度は内腿を撫で上げた。素直にならないなら素直にさせるまでだ、とそう思うとするりとパーカーを捲り上げる。まるで掌に吸い付くような肌を辿って、控え目に主張する乳首をきゅっと抓んでやった。

「ふっ、ぁ、あっ…!ゃっ、ひぅ…いた…っ」
「痛くされんのも好きだろ?」
「んゃぁ、ちが…っ!」

ふるふると首を振ったトラファルガーを窘めるように抓んだ乳首に強めに爪を立てて引っ掻いてやれば、びくりと体が震えて甘い声が上がる。もう片方も引っ張ったり押し潰すように弄ってやって両方とも虐めてやれば、淡い色をしていたそこはどんどんと赤く色づいていって。少し弄って指を離すとぷくりと赤を主張するそこはすでに痛いほど尖っていた。

「少し弄っただけでこれかよ…エロい体」
「ゃっ、いうなぁ…!」

キッとこちらを振り返ったトラファルガーの双眼は涙に濡れていて全くと言っていいほど怖くない。逆に、赤く染まった頬と身長差から必然的に上目遣いになるそれには煽られるだけで。じゃあ見てみろよ、と乳首を抓んでやるとトラファルガーはまた嫌だと首を振った。

「ほら、ここすげェ尖ってる…」
「ひぁ、ゃっ、…も、ゃだっ、ぁ…」
「お前が素直にならないからだろ」
「ふっ…だって…」

わざとらしくいやらしい言葉を耳元で囁いてはトラファルガーの羞恥を煽る。それに泣きそうに揺れた瞳が振り向いてこちらを捉えた。じわりと涙の浮かんだ目尻に口付けると気持ちいい?と低く呟いてやって。いつもなら恥ずかしがって何も言わないが、先程の言葉の効果かトラファルガーは俯き様にこくりと小さく頷いた。意地悪しないで、と泣きそうな、消え入りそうな声で呟かれて何でこんなに可愛いのだろうかと心底思う。こっちもなるべくなら優しくしてやりたいが、加虐心を存分に煽ってくれるトラファルガーになかなかそうもいかなくて。

「このまま手で弄られんのと口でされんのどっちがいい?」
「ゃっ、な、で…そ、なの、聞く…っ」
「それともここで終わりにするか?」
「ふっ…いじわる、しな、でって…っ」

言ったのに、とじわりと目に涙を溜めて呟くトラファルガーが可愛い。仕方ないだろ、お前がそんな顔するのが悪いんだから。

「なぁ、どっち?それともどっちもがいいか?」
「……っ、が、いい…」
「聞こえねェな」
「ふぇっ…どっちもが、い…」

耳まで真っ赤にさせて俯くトラファルガーにくすりと笑う。体をこちらに向かせて俯いた顔を上げさせるとゆらゆらと涙で揺れる瞳にそっと口付けた。よく言えました、と耳元で囁くと捲り上げた服を持たせて、ちゅっと赤く腫れたそこに軽くキスをした。

「ちゃんと言えたからご褒美な」
「ひ、あっ、ぁ…」

そう言うと赤く腫れた乳首を含んで舌先で転がしてやる。びくびくと震えるトラファルガーの腰を尻目にもう片方も指で弄ってやった。
優しく舌で舐めあげながら時おり強く吸ってやるとトラファルガーが堪らないと言うようにぎゅっと服を握り締めて体を仰け反らす。空いた片手で腰を支えながら緩く歯を立ててやればぐずるように髪を引っ張られて。

「っ、あ…噛んじゃ、ゃだぁ…」
「でも気持ちいいだろ?」
「ひぁ、んぅっ…!」

硬く芯をもったそのコリコリとした感触を楽しむように犬歯でぎゅっと噛んでやるとトラファルガーはぼろぼろ涙を溢しながら眉根を寄せた。乳首だけでこんななってちゃなぁ、と思いながらジュウッと強めに吸ってぐりぐりと指で押し潰してやる。

「あっ?!ひっ、あぁ!」

そうすれば一際高い声をあげて、びくっびくっと断続的に震えると強張る体。続いて弛緩したようにぐったりと力が抜けていき、荒く息を吐くその様子は見慣れたもので。


「ぁ、はっ…」
「お前…もしかして乳首だけでイった?」
「ゃ…っ!」

クリクリと真っ赤に腫れたそこを弄りながら耳元で囁けばトラファルガーは紅潮した頬をさらに赤くさせて聞きたくないと言ったように俯く。

「そんなにここ気持ちいいんだ」
「ひぅ、ぃや…いわな、で…」「なぁ、教えろよ」
「ぁ…」
「イっちまうほど気持ちよかったのか?」

くいっと俯く顔を上げさせると目線を無理矢理に絡めさせる。逃げられないように顎を掴んで固定してやると一語一句言い聞かせるように耳元で囁いた。
トラファルガーは特に言葉で虐められる苦手だ。言葉で優しく虐めてやるとそれだけでこいつは簡単に堕ちてしまう。今だって泣きそうになりながら、それでも小さくこくりと頷いて、見られたくないと言うようにぎゅっと俺に抱きついている。その体を抱き締めながらくすりと笑った。

「ロー、どんぐらいイったか見して」
「っ!や…!」
「こら、隠すなって」

軽く腰を浮かせてズボンと下着を剥ぎ取るとしがみつくトラファルガーを優しく離して囁く。瞬時に赤く染まった顔に隠そうとする腕を掴むと、とろ…っと精液が伝う自身に指を這わせた。
いっぱいでたな、と笑うように呟くとトラファルガーはぽろりと涙を溢してしまって。その涙を拭うと宥めるよう頭を撫でる。

「泣くなって」
「ふっ、だっ…てぇ…ユ、スタ、が…っ」

余程恥ずかしかったのかまたぎゅっと抱きついてきたトラファルガーの背中をそっと撫でた。安心させるように何度も背中を撫でていれば、震えていた肩が徐々に収まり、顔を上げさせるとちゅっと濡れた目尻にキスをした。
続きしような?と囁くとトラファルガーは頬を赤く染めて、それでも戸惑いがちに頷く。可愛い、とその表情に頬を緩ませながら唇に軽くキスを落とすとその体を抱き締めた。




「ぁ、あっ、ゃ、そこぉ…!」
「ここだろ?」
「んんっ、ひ、ぁあっ!」

もうすでに三本も指を飲み込んでいるそこはすっかり解れていて、いつもならそろそろいいかと挿れる頃合いだ。それでも執拗に指で中を掻き回して前立腺を責めるのは、もっとぐちゃぐちゃにしてこいつの理性を飛ばしたいから。だってしっかり意識があったら絶対使わせてくれないだろうし。

「ひっ、ぁあ!んっ、ぁ、きっどぉ…!」

トラファルガーが俺をファーストネームで呼ぶときは理性がなくなり始めている合図だ。案の定こちらに向けられた瞳はとろんと蕩けていてぐったりと力の入らない腕で尚俺に縋りついてくる。
そろそろか、と思いながらそっと指を引き抜くとちゅっとトラファルガーの額にキスをした。

「ロー、頼みがあるんだけど」
「ぁっ…な、に…?きっど…?」

そう言って頬を撫でると腰を上げた俺にトラファルガーが不安そうな顔をする。それに安心させるように、ちょっと待っててなと言うとサイドチェストの中に適当に放っておいたソレを取り出して元通りトラファルガーを抱き寄せた。

「…っ!!やっ、それ…!」
「一回だけでいいから、な?」

俺が何を持っているのか気付いたのか、トラファルガーの表情が途端にがらりと変わる。じわりと目尻に涙を浮かべて俺の手の中にあるものを見つめ、それから俺をちらりと見るといやいやと首を振った。

「ゃだ…ふっ…そ、なの…」

眉根を下げたトラファルガーに、そんなに嫌かなと手の中のものを見つめた。
取り出したのはバイブだった。紫色の、いかにもといったようなけばけばしいもので、所々に突起物のついたそれはよりよい快感を得るために的なものなのだろう。ふらりと寄った店で面白半分に買ってはみたもののこれといって使うこともなく、つい先日この存在を思い出したばかりだった。

もちろん思い出したときからとにかくこれをトラファルガーに試してみたくて仕方がなかった訳で。それでも頬を赤く染めて泣きそうなりながら俯くトラファルガーは使われるのが嫌らしい。

「一回だけだって。そしたらもう使ったりしねェから」

な、いいだろ?と無理矢理はさせたくないがどうしても使いたい俺は、何とか食い下がるとトラファルガーは困り果てたように眉根を下げてきゅっとシーツを握り締めた。それに、ロー、と頼み込むように耳元で囁けばトラファルガーは赤い顔をさらに赤くさせて。潤んだ瞳でちらりとこちらを見上げると、小さく小さくこくりと頷いた。
それににやりと笑うと、でも一回だけだからなと念を押すように言ったトラファルガーに、分かってるとその頬にキスをする。そうして口端をつり上げながらゆるりとトラファルガーの唇を撫でた。

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