(犬×飼い主)
『犬の正しい躾方』
一、自分の方が立場が上であることを分からせる。
二、良いことは思いっきり褒めて、悪いことは気兼ねせずに叱る。
三、躾で一番重要なのはあなたのやる気と根気。でもそれ以上に、
「何読んでんだよ」
「あっ、返せ!」
ぺらり、とページを捲ると、不意にかけられた声に顔を上げる。それと同時に伸びてきた腕に本を掴まれて引き剥がされた。
手を上げて取り返そうとすればキッドはひょいと軽々しく避けるものだから腹が立つ。しかも(つまらなそうに)それを一瞥すると、ポイッと床に投げ捨てたのだ。そして一言。
「こんなつまんねェ本読んでないで俺と遊ぼうぜゴシュジンサマ」
「お前な…っ!」
にやりと笑った我儘犬を睨みつけるとその腕から抜け出そうと肩を押し返す。でも呆気なくソファの上に押し倒されて両手を押さえつけられると唇をキッドのそれで塞がれた。
「んっんん!」
突然のことに文句を言おうとして少し開いた隙間から遠慮なく舌を入れられる。そのままくちゅりと絡められて、それに逃げるように奥へと引っ込めれば、しつこいぐらいに追いかけてくるものだから、だんだんと苦しくなってきて眉根を寄せた。
舌を吸われて甘噛みされると上顎や歯列もなぞられる。長くて濃厚な口付けにじわりと目尻に涙が浮かび、バシバシと背中を叩けば漸く唇が離された。
「ふ、ぁ…っ、は…」
「そんなに気持ちよかった?俺のキスは」
「っ、!黙れ馬鹿犬…も、離れろ…っ!」
「嫌だ。お前だってもう乗り気じゃねェか」
服をたくしあげたキッドのにやつく瞳と目があって堪らず睨み付ける。
まだ触ってもいないのに勃ってるし、と乳首を指で弾かれてびくりと体が震えた。そのキッドの言葉と、あからさまに感じている自分の体に顔が赤くなる。
「淫乱なゴシュジンサマは確か乳首だけでイけるんだっけ?」
「んな訳、な、っ!」
「じゃあ試してみようぜ」
そう言ったキッドの指先で尖ったそこを摘ままれて、もう片方はぺろりと口に含まれる。
押し潰したり強く引っ掻かれたり痛いぐらいに摘ままれたり。かと思えばもう片方はそれとは正反対に、優しく舌で愛撫され、時おり甘噛みされるだけ。
「ん、ぁっ!や、も、離…っ、いぁ!」
確実に熱を持ち始めた身体はこのままだと抑えが利かなくなりそうで。離せと首を振ればそれを咎めるように犬歯で強く噛まれてびくりと体が震えた。
「やめっ、馬鹿、噛むな…!」
「痛くされた方が気持ちいいくせに」
そうだろ?と耳元で囁かれたので首を振るとキッドを睨み付ける。でもそうしたらまたぎゅっと乳首を摘ままれて。
せめて声だけでも聞かれたくなくて唇を強く噛み締める。でもキッドはそれが気に入らなかったらしく、声を出せ、と。それも無視するとぎゅっと目を瞑った。
「相変わらず強情なゴシュジンサマだな」
声色は呆れたようで、でも表情はそれと似ても似つかない愉しそうなものであると、見なくても簡単に予測できる。何せこいつはそういう奴なのだから。
「んっ、ふぁ!?、ん――…〜〜っ!」
散々嬲られて赤く腫れたそこを不意に指先で弾かれて、目を見開くとびくりと体を跳ねさせる。そのまま断続的に体を震わせるとぐったりとソファの上に沈み込んだ。
「…ん、はっ…」
「もしかしてイった?」
「…っ」
その言葉に唇を噛み締めて顔をそらすと、するりと確かめるように下着の中に手が入り込む。くちゅ、と小さな水音が聞こえて、それにキッドはにやりと笑った。
「やっぱ乳首だけでイけるじゃねェか」
そう言ってぺろりと手についた白濁を舐めとられる。それが悔しくて、羞恥と屈辱に目頭が熱くなった。
「次はどこ触ってイかせてほしい?乳首だけでイける淫乱なゴシュジンサマ」
わざとらしく耳元で囁くと、キッドは愉しそうに笑う。それにきっと睨み付けるが相変わらず大した効果はない。逆に目尻に浮かんだ涙を舐め取られて、誘ってるのか?と呟かれた。
「誰が…誘ってなんか…っ!」
「じゃあ無意識?」
足りないからもっと触ってって言われてるみてェ、と言ったキッドの言葉に顔が赤くなる。目が腐ってんじゃねぇか、と反論しようとすれば体を俯せにされて腰を高く持ち上げられて、それどころじゃなくなった。
「やっ、なに…!」
「あんまり素直じゃねェから素直にしてやろうと思って。早く挿れて、ぐらいは言わせてやるよ」
「っ、馬鹿っじゃねぇ…ひっ、あ?!」
不意にくちゅ、くち、と濡れた音が響いて、同時に後ろに感じた生温い感触に体を震わせる。まさか、と考える暇もなく、ぬるりと中に入り込んできた舌に首を振った。
「ふぁっ…!や、それ、離…やっぁ!」
ゆるゆると周りをなぞっていた舌がゆっくりと中に入り込み、抜き差しされる。ぬるぬるとまるで別の生き物みたいに蠢く舌は内壁をなぞり、時おり強く吸って、その刺激にじわりと目尻に涙が浮かんだ。
「ひぅ…そ、なとこ、舐め、な…っ」
「気持ちいいくせに」
ちゅぷ、と限界まで挿れられた舌がぐるりと円を描くように動かされる。それにガクガクと足が震えて、内部を強く吸われると、思わず腰が下がってしまいそうになった。でもしっかりと腰を掴むキッドの腕がそれを阻止して、ちゅぷちゅぷと変わらず舌を動かされる。
それでもやっぱり奥まで触れることのないそれは、どこかもどかしいと感じてしまって。自分の考えに頬が熱くなるけど、緩く動く腰が止められない。
「腰揺れてる」
「やっ、いうな…!」
「じゃあどうしてほしい?」
「…っ、知らな…」
「ふぅん、ならこのままでも別にいいんだな」
そうして再度舌を挿れられると強く吸われて体が震える。
どうしてほしいかなんて分かりきってるくせに、キッドはどうしても言わせたいらしく。耳につく濡れた音と、緩やかに責めるその舌に、だんだんと何も考えられなくなっていく。
「ぁ…キッド…っ」
「何?」
「も、それ、やっ…」
「じゃあどうしてほしいか言って」
「……っ」
「言えないのか?」
別に言えない訳じゃないけど、そんな恥ずかしいこと言いたくない。
ぐっと唇を噛んで押し黙っていたら後ろからキッドの溜め息が聞こえた。
「たまには言ってくれてもいいと思うけど」
「っ、あ?!ひっぁあ!」
ぐちゅぐちゅ、と突如突き入れられた指と予想しなかった快楽に堪らず背を反らす。もう焦らすのは止めにしたのか、いいところばかりを突き上げるその指の動きにどんどん頭が真っ白になっていった。
「あっはぁ!んゃあ、きっ…ぁあ!」
「いっぱい焦らしたからな。気持ちいいだろ?」
「…っ、あっあ、や、そこぉ…」
「ここ?」
「ひっあ!や、だめっ、や!」
キッドの言う通り焦らされた体ではたまらなく気持ちよくて、その指で感じるところを突き上げられる度にぼろぼろと涙が溢れ出る。
それが辛くて、逃げるように腰を引けば逃げられないようにしっかりと押さえつけられて、さらに刺激されるものだから、本当におかしくなりせうだ。
「ひっ、ゃあっ!」
「逃げようとすんなって。動かしにくい」
「や、だっ、て…ぁああ!」
ぐりっとその部分を爪で引っ掻かれて、涙を溢すと首を振った。与えられる刺激が強ければ強いほど、快楽と苦痛が混じりあって何が何だか分からなくなる。
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『犬の正しい躾方』
一、自分の方が立場が上であることを分からせる。
二、良いことは思いっきり褒めて、悪いことは気兼ねせずに叱る。
三、躾で一番重要なのはあなたのやる気と根気。でもそれ以上に、
「何読んでんだよ」
「あっ、返せ!」
ぺらり、とページを捲ると、不意にかけられた声に顔を上げる。それと同時に伸びてきた腕に本を掴まれて引き剥がされた。
手を上げて取り返そうとすればキッドはひょいと軽々しく避けるものだから腹が立つ。しかも(つまらなそうに)それを一瞥すると、ポイッと床に投げ捨てたのだ。そして一言。
「こんなつまんねェ本読んでないで俺と遊ぼうぜゴシュジンサマ」
「お前な…っ!」
にやりと笑った我儘犬を睨みつけるとその腕から抜け出そうと肩を押し返す。でも呆気なくソファの上に押し倒されて両手を押さえつけられると唇をキッドのそれで塞がれた。
「んっんん!」
突然のことに文句を言おうとして少し開いた隙間から遠慮なく舌を入れられる。そのままくちゅりと絡められて、それに逃げるように奥へと引っ込めれば、しつこいぐらいに追いかけてくるものだから、だんだんと苦しくなってきて眉根を寄せた。
舌を吸われて甘噛みされると上顎や歯列もなぞられる。長くて濃厚な口付けにじわりと目尻に涙が浮かび、バシバシと背中を叩けば漸く唇が離された。
「ふ、ぁ…っ、は…」
「そんなに気持ちよかった?俺のキスは」
「っ、!黙れ馬鹿犬…も、離れろ…っ!」
「嫌だ。お前だってもう乗り気じゃねェか」
服をたくしあげたキッドのにやつく瞳と目があって堪らず睨み付ける。
まだ触ってもいないのに勃ってるし、と乳首を指で弾かれてびくりと体が震えた。そのキッドの言葉と、あからさまに感じている自分の体に顔が赤くなる。
「淫乱なゴシュジンサマは確か乳首だけでイけるんだっけ?」
「んな訳、な、っ!」
「じゃあ試してみようぜ」
そう言ったキッドの指先で尖ったそこを摘ままれて、もう片方はぺろりと口に含まれる。
押し潰したり強く引っ掻かれたり痛いぐらいに摘ままれたり。かと思えばもう片方はそれとは正反対に、優しく舌で愛撫され、時おり甘噛みされるだけ。
「ん、ぁっ!や、も、離…っ、いぁ!」
確実に熱を持ち始めた身体はこのままだと抑えが利かなくなりそうで。離せと首を振ればそれを咎めるように犬歯で強く噛まれてびくりと体が震えた。
「やめっ、馬鹿、噛むな…!」
「痛くされた方が気持ちいいくせに」
そうだろ?と耳元で囁かれたので首を振るとキッドを睨み付ける。でもそうしたらまたぎゅっと乳首を摘ままれて。
せめて声だけでも聞かれたくなくて唇を強く噛み締める。でもキッドはそれが気に入らなかったらしく、声を出せ、と。それも無視するとぎゅっと目を瞑った。
「相変わらず強情なゴシュジンサマだな」
声色は呆れたようで、でも表情はそれと似ても似つかない愉しそうなものであると、見なくても簡単に予測できる。何せこいつはそういう奴なのだから。
「んっ、ふぁ!?、ん――…〜〜っ!」
散々嬲られて赤く腫れたそこを不意に指先で弾かれて、目を見開くとびくりと体を跳ねさせる。そのまま断続的に体を震わせるとぐったりとソファの上に沈み込んだ。
「…ん、はっ…」
「もしかしてイった?」
「…っ」
その言葉に唇を噛み締めて顔をそらすと、するりと確かめるように下着の中に手が入り込む。くちゅ、と小さな水音が聞こえて、それにキッドはにやりと笑った。
「やっぱ乳首だけでイけるじゃねェか」
そう言ってぺろりと手についた白濁を舐めとられる。それが悔しくて、羞恥と屈辱に目頭が熱くなった。
「次はどこ触ってイかせてほしい?乳首だけでイける淫乱なゴシュジンサマ」
わざとらしく耳元で囁くと、キッドは愉しそうに笑う。それにきっと睨み付けるが相変わらず大した効果はない。逆に目尻に浮かんだ涙を舐め取られて、誘ってるのか?と呟かれた。
「誰が…誘ってなんか…っ!」
「じゃあ無意識?」
足りないからもっと触ってって言われてるみてェ、と言ったキッドの言葉に顔が赤くなる。目が腐ってんじゃねぇか、と反論しようとすれば体を俯せにされて腰を高く持ち上げられて、それどころじゃなくなった。
「やっ、なに…!」
「あんまり素直じゃねェから素直にしてやろうと思って。早く挿れて、ぐらいは言わせてやるよ」
「っ、馬鹿っじゃねぇ…ひっ、あ?!」
不意にくちゅ、くち、と濡れた音が響いて、同時に後ろに感じた生温い感触に体を震わせる。まさか、と考える暇もなく、ぬるりと中に入り込んできた舌に首を振った。
「ふぁっ…!や、それ、離…やっぁ!」
ゆるゆると周りをなぞっていた舌がゆっくりと中に入り込み、抜き差しされる。ぬるぬるとまるで別の生き物みたいに蠢く舌は内壁をなぞり、時おり強く吸って、その刺激にじわりと目尻に涙が浮かんだ。
「ひぅ…そ、なとこ、舐め、な…っ」
「気持ちいいくせに」
ちゅぷ、と限界まで挿れられた舌がぐるりと円を描くように動かされる。それにガクガクと足が震えて、内部を強く吸われると、思わず腰が下がってしまいそうになった。でもしっかりと腰を掴むキッドの腕がそれを阻止して、ちゅぷちゅぷと変わらず舌を動かされる。
それでもやっぱり奥まで触れることのないそれは、どこかもどかしいと感じてしまって。自分の考えに頬が熱くなるけど、緩く動く腰が止められない。
「腰揺れてる」
「やっ、いうな…!」
「じゃあどうしてほしい?」
「…っ、知らな…」
「ふぅん、ならこのままでも別にいいんだな」
そうして再度舌を挿れられると強く吸われて体が震える。
どうしてほしいかなんて分かりきってるくせに、キッドはどうしても言わせたいらしく。耳につく濡れた音と、緩やかに責めるその舌に、だんだんと何も考えられなくなっていく。
「ぁ…キッド…っ」
「何?」
「も、それ、やっ…」
「じゃあどうしてほしいか言って」
「……っ」
「言えないのか?」
別に言えない訳じゃないけど、そんな恥ずかしいこと言いたくない。
ぐっと唇を噛んで押し黙っていたら後ろからキッドの溜め息が聞こえた。
「たまには言ってくれてもいいと思うけど」
「っ、あ?!ひっぁあ!」
ぐちゅぐちゅ、と突如突き入れられた指と予想しなかった快楽に堪らず背を反らす。もう焦らすのは止めにしたのか、いいところばかりを突き上げるその指の動きにどんどん頭が真っ白になっていった。
「あっはぁ!んゃあ、きっ…ぁあ!」
「いっぱい焦らしたからな。気持ちいいだろ?」
「…っ、あっあ、や、そこぉ…」
「ここ?」
「ひっあ!や、だめっ、や!」
キッドの言う通り焦らされた体ではたまらなく気持ちよくて、その指で感じるところを突き上げられる度にぼろぼろと涙が溢れ出る。
それが辛くて、逃げるように腰を引けば逃げられないようにしっかりと押さえつけられて、さらに刺激されるものだから、本当におかしくなりせうだ。
「ひっ、ゃあっ!」
「逃げようとすんなって。動かしにくい」
「や、だっ、て…ぁああ!」
ぐりっとその部分を爪で引っ掻かれて、涙を溢すと首を振った。与えられる刺激が強ければ強いほど、快楽と苦痛が混じりあって何が何だか分からなくなる。
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