main | ナノ

 欲情ハニーの戯れ

「…やっぱり」

くすりとユースタス屋が笑う。さっきから何か様子がおかしかったんだよな、なんて囁く。きゅっ、と反応したそれを軽く握られてユースタス屋の目がすっと細められて、いてもたってもいられなくなる。
穴があったら入りたい隠れたい。恥ずかしくて頬が熱い。出来る限りの抵抗をして思わず声を大きくしてしまう。

「は、なせ!」
「でもこのままじゃ辛いだろ?」
「ゃ、んっ…っ、トイレ行く、から、!」
「俺がいるのに?」
「ん、ぁ、だって…っ」

わざとらしく肩を竦めたユースタス屋を睨み付けるとゆるゆると抜き上げるその手を掴む。だが緩やかに、しかし確実に与えられる快楽に体はすっかり開いてしまっていて。ちゅっと耳にキスを落とされて、気持ちよくしてやるから、なんて囁かれるとどんどん体から力が抜けていった。
俺の馬鹿。これっていつもと同じじゃないか。

「ふぁ、あっ、ん…」
だけどユースタス屋の長い指が、大きな手が。
さっきまで意識していたそれを思い出し、ちらりと視界に入った光景に余計に意識してしまって抵抗どころじゃなくなる。何度も耳にキスを落とし柔く抜き上げるその姿が、手がせめて視界に入らないようにぎゅっと目を瞑った。
でもそうしたら見えない分感じてしまって。布越しの柔い刺激が物足りなくて、どうにか自分を抑えてないとはしたなく強請ってしまいそうになる。
もっと強く、直接触ってほしい。でもそんなこと言えるわけなくて、必死に唇を噛み締めていれば耳朶を甘噛みされる。そのままするすると入り込んできた手に乳首を抓まれて背筋が震えた。

「あっ、ぁあ!」
「お前本当乳首弄られるの好きだよな」
「んゃ、あ、ちがっ」
「こんな勃ってんのに?…嘘つくなよ」
「ひゃ、ん!」

くつりと笑ったユースタス屋に強く爪を立てられてびくんと体が震える。
いつの間にかユースタス屋の脚の間に座らされて後ろから抱き締められる体勢になっていた。しっかりと抱き締められて逃げられないその体勢でいいように弄ばれる。

「ひっ、ぁ、あっ」
「ロー、目開けてみ?」
「ぁ、やっ…」
「早く」

早く、と有無を言わさぬそれに急かされて恐る恐る目を開けた。
途端に入り込んできたのは真っ赤になった乳首を弄るユースタス屋の白い指。

「っ、ゃだ、!」
「こら、目瞑るなよ?ちゃんと見てろって」
「ふゃ、っぁあ!」

ぐずるように首を振ればぎゅっと強く乳首に爪を立てられる。それに目を見開くと、痛いのは嫌だろ?と優しい声で囁かれて。小さく頷くと耳裏にキスを落とされる。ちゃんと見てろ、と言われて否定することは出来なかった。
涙でぼやける視界でユースタス屋に抓まれた乳首を見て恥ずかしくて瞬きすれば涙が溢れた。それを優しく拭われて、恥ずかしいのが気持ちいいんだよなと笑いながら囁かれた。もちろん首を振ったけど視界からも犯されるその感覚に熱が重く溜まっていくのはとめられない。

「ロー、気持ちいい?」
「ふっ、ぁ…」
「教えて」

気持ちよくないならやめるし、なんて微塵も思ってことをにやにや笑いながら言われて離れていきそうになった手に慌てて首を振った。やめないでとぐずると耳朶を甘噛みされて。ロー、と。名前を囁かれたらもう駄目。

「ふぁ、きっどぉ…きもちい、…っ!」
「可愛い…これは?強くされるのも好きだろ?」
「んっ、ひっぁ!ゃ、いいっ、ぁあ!」
「ロー、腰揺れてる」
「ぁ、だっ、てぇ…ゃ、も…ちゃんと、触って…?」

乳首は痛いぐらい抓まれて押し潰されているのに未だ自身は布越しにゆるゆると扱われるだけ。中途半端に与えられた刺激は苦しいだけで、振り返るとユースタス屋に懇願した。
ちゅ、と優しく目尻にキスされて仕方ねェなと苦笑される。下着を取り払われて現れた自身を掴むとユースタス屋はくすりと笑った。

「すげェなロー…ぐっちゃぐちゃだぞ」
「ひぁ、いわなっ…あぁっ!」
「じゃあ聞かせてやろうか?」
「ぁ、やぁっ!ゃめ…!」

グチュグチュ、グチャ…!

強く手を動かされて、聴覚が拾うのは粘着質な音。聞きたくもないのに聞こえてきたいやらしいそれにじわりと視界が涙で滲む。
乳首だけでこんなになったんだ、なんて笑いながら呟いたユースタス屋にさらに羞恥を煽られてぽろぽろと涙が溢れ落ちた。

「あっ、ぁ、音、ゃあっ!」
「ローが悪いんだぞ?こんなに濡らして…」
「ひっ、ん!ゃあ、だってぇ…ふ、きもち、い、からぁっ…ゃああ!」
「我慢できない?」
「ふ、ぅん…ぁ、がま、できな…っひぁ、だめぇ、いっちゃ…っ!!」

コクコク頷いてユースタス屋を振り返れば、エロ…なんて呟かれる。違うと首を振る気力もなくて、ただ絶頂の感覚に浸ろうとした。なのに。

「ぁ、ゃあっ!な、で…っ!」
「駄目だって」

まだイくなよ?と囁かれてじわりと目尻に涙が浮かんだ。
今まで激しく動かされていた手は絶頂を迎える一歩手前でぴたりととまって、少し波が収まった頃にゆるゆるとした動きで抜き上げられた。嫌だとぐずればもう少し我慢しろ、と乳首を弄られる。これじゃあ最初に逆戻りだ。イくには足りないそのもどかしい刺激に涙が溢れて腰が揺れた。

「ぁ、あっん、きっどぉ、ゃ、いきた…っ」
「焦らされるの好きだろ?」
「ふぇ、ゃあ…っ、もっと、激しく、してぇ…?」

緩い刺激に泣きながら振り返ればユースタス屋が苦笑する。向きを変えられて正面で向き合うような体勢にされるとだらしなく喘ぐ唇を塞がれた。

「ん、ぅっ…ふ、ぁっ…」
「…イきたい?」
「んっ、いきた…っ、も、痛い、おねが…!」

ツンと先端をつつかれてびくんと体が震えた。弱いそこを虐められればとろとろ先走りが溢れてきて。
ユースタス屋にしがみつくと必死に懇願する。強請るように擦り付ければ、こくりと息を飲むのが分かった。

「…淫乱。イっていいぞ」
「あっぁあ!あー…っ!!」

ちゅく、と耳を舐められると緩い手つきが激しいものへと変わり、二、三度強く抜き上げられただけで絶頂へと追い詰められた。
その掌に全て吐き出すと、強張っていた体から一気に力が抜けてユースタス屋に寄りかかる。余韻に浸りながら震えていたらゆっくり頭を撫でられて、ユースタス屋にぎゅっと抱きついた。

「…今日どうしたんだ?お前」
「ぁ、っ…わか、な…」

少し不思議そうな顔を抱きついたまま見上げると目尻にキスされた。涙を舐めとられて小さく震える。
分からないけど、ただ一つ言えることは。

「今日の…キッド、だめ…」
「は?」
「な、か…見てる、と…変なこと、考える…」
「…変なことって?」

欲を称えた赤い瞳がすっと細められて鋭く俺を射る。それにぞくりと背筋が震えた。
答えることはせずにユースタス屋の腕を取った。手首を掴んで、くちゅ、と指を口に含む。フェラするみたいに舌で愛撫して、たっぷり唾液で濡らすと蠢く奥へと導いていく。
「こーいう、こと…」

熱に浮かされた瞳でじっとユースタス屋のことを見つめる。こくり、と喉が上下したと同時に入り込んできた指にぎゅっとユースタス屋にしがみついた。

「ひっ、ぁああ…!」
「お前な…そんな誘い方どこで覚えてきたんだよ」
「あぁ、んっ、ふぁあ!」

最初から激しい動きに口から洩れるのは喘ぎ声だけ。それでも何とか切々に、キッドがこんな風にしたくせに、と耳元で囁けばどさりとソファに押し倒された。

「ひゃ、んっ!ぁ、きっどぉ…」
「…煽ったのはお前だからな?」

涙を目一杯溜めて見上げれば、くつりと凶悪に笑って舌舐めずりするユースタス屋に期待の方が上回ってぞくりと体が震えた。



「ふっ、ぁ…きっどぉ、もっと、して…」

もっと、蕩けさせて。




[ novel top ]




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -