死ねばいいのに! | ナノ

「ふぁ…ゃ、みる、なぁ…!」
「んー無理」

明るく照らされた室内でまじまじと見つめられて堪えられるはずがない。身を捩っても逃げることは出来ず、つつつ、と自身をなぞられてそれだけでびくりと体が揺れる自分が恨めしい。

「ここ、ちょっと弄っただけで溢れて…やらしー体」
「ぁあ…っ!ひ、ゃだ、もっ…!」
「ヤじゃないくせに…さっきから我儘ばっかだな、言うなとか見るなとか。…触るのもやめてほしい?」
「…っ!」

わざとらしくそう耳元で囁いたユースタス屋が内腿をゆっくりなぞる。どうなんだよ、と訴えかける瞳は愉しそうに揺れていた。
それにまさか本当のことを答えられるわけもなくて、ここまでくればもう意地に等しい。ぎゅっと唇を噛んで溢れ出しそうな涙を堪えると、こんな情けない顔を見られないように俯いた。
浅ましく快楽を欲する体は未だ残る理性に押し止められて、でも抑え切れなくて、どうしようもない。泣き出しそうな自分にぎりっと奥歯を噛み締めた。

「…あー、もう負けた負けた」
「っ…?」
「ほんっと強情だよな、お前」

一瞬の沈黙の後、不意に降りそそぐ声にちらりと視線を寄越す。そしたら苦笑したユースタス屋に頭を撫でられて瞼にキスされた。たまには言ってくれてもいいのにな、と困ったような拗ねたような口調で言われて、そっとユースタス屋の手が自身に触れた。
びくりと体が揺れ、それがいかにも期待してましたというようで恥ずかしい。それでも緩急をつけて上下に抜かれるといままで散々焦らされた体はすぐにでもイきそうになった。

「ひっ、ぁ、あ…!ゆーすたっ…やぁ、いっちゃ…っ!」
「早くね?…でも大分我慢したしな。イってもいいぞ」
「ふっぁ、ぃ、くっ…ぁ、んんっ!」

ちゅっ、とユースタス屋に口付けられて舌を絡められると抜く手の動きが速くなって眉根を寄せた。快楽に頭がぼーっとして、口端から抑えきれない声が洩れる。
何だか全部気持ちよくて、ユースタス屋に縋りつきながら呆気なくその掌に全て吐き出した。


「はっ、ぁ、あ…っ、や、なにぃ、…っ?」

イったあとは強張っていた体からぐったりと力が抜けていって、荒くなる息を整えようとゆっくりと呼吸する。ユースタス屋はそんな俺を尻目に頬にキスすると、膝裏に手を回して胸元につくくらい持ち上げてきたものだから恥ずかしくて顔が赤くなった。でも力の入らない体では抵抗することも出来ない。ユースタス屋が崩れたケーキから生クリームを掬う様をかぶりを振って見つめていた。

「っ!?ひっ、ぁ!んぁ、あっ、ゃだ、やっ」
「慣らさなきゃ痛いだろ?」
「あっ、だっ、てぇ…それ、ゃあっぁ!」

ユースタス屋の生クリームに塗れた指がゆっくりと後孔をなぞって、それに目を見開いた。制止の声を発した時にはもう遅くて、ユースタス屋の指が塗りこむようにして中に入ってくる。本当に塗っているだけのようなもので、奥にまで入らず、浅いところを弄るとすぐに出てしまった。掻き回すような刺激とは程遠いそれに疼く体と、先を求めてしまう羞恥で涙腺が緩んでいく。
そんな俺を見透かしたようにユースタス屋はにやりと笑うと体をずらし、その瞬間ぬるり、と。塗りたくられたそこに這う舌の感触にびくんと大袈裟に腰が跳ねた。

「あ、ぁあ、っ!ゃだ、やぁっ…っ!?ひ、ぁ、吸っちゃ、やぁ、〜〜っ!」

ジュッ、と強く吸われて軽くイったような感覚に見舞われる。でもユースタス屋はやめてくれなくて、聞きたくもない音を立てて浅いところを刺激される。かと思えば限界まで舌をいれられて、ゆっくりと舐め取るような動きをされて。堪えきれなくてぼろぼろと涙が零れていった。
離してほしくて身を捩っても、しっかり掴まえられた腰はまるで強請るように動かすことしか出来なくて。

「んっ、ぁあ、あ!や、ゆ、すた…っ、も、離し、てぇ、」
「んー…?」
「あっ、ぁあ!ゃら、やめっ、〜〜っ!」

泣き顔も甘ったるい声も懇願する自分ももうどうでもよかった。首を振って、力の入らない手でユースタス屋の頭を引き剥がそうとするけれど、弱弱しく引っ張っるだけですぐに縋りつくように手を添えてしまう。
びくびくと断続的に震える腰もとめられなくて、ぐずるように泣いていたら、指の方がいい?なんて見当違いのことを言われて舌の代わりに指が押し入ってきた。

「ふぁっ、あ、んんっ…!」
「すげ…もう二本入ってるぞ」

くつりと笑って入っている指を実感させるようにユースタス屋が中を掻き回す。前立腺を柔く引っ掻かれてびくりと体が揺れた。無意識のうちに指を締め付けてしまって、きついな、と言ったユースタス屋が滲んでいく。
さいてい、だ。と掠れる声で呟いた。ユースタス屋に聞こえたかは分からない。だけどその唇が緩く弧を描いたので、きっと耳には入ったはず。もうこれ以上その唇から吐き出される自分の痴態を聞きたくなかった俺は、ユースタス屋の服を引っ張ると無理矢理キスをした。



「あっ、ぁあ、ひっ、やっ」
「っ、鏡見ながら犯したいな、今のお前」
「ぅるさ…ぁ、だまれ…っ!」

ぼそりと耳元で囁かれた言葉にユースタス屋の髪を引っ張った。だけど弱弱しいそれは全く意味を成さないで、俺は変わらず揺さぶられるだけ。

「ふぁ、あ、ゆ、すた…ぁ、も、これ、ゃあ…っ」
「奥まで入って気持ちいいだろ?」
「やっ…、ひ、ぁあっ!」

ぐいっと掴まれた腰をぎりぎりまで引き上げられて何の前触れもなく手を離される。ずぶずぶと勝手に入っていくそれに泣きながらユースタス屋にしがみついた。それでもユースタス屋はとめてくれなくて、震える腰を掴むと激しく打ち付けてくるから頭の中が真っ白になる。自分の重みで奥まで入っていくその体勢が嫌で首を振っても、ユースタス屋は頬にキスをくれるだけ。

「あっ、ぁあ、ゃ、やらぁ…いく、いっちゃ、っ――!!」
「っ…、はっ…やっぱお前、最高にかわいーな」
「ふ、ぁっあ、ちが…かわいく、な…ん、ぁあっ!ゃ、まって、まだ…!」

くつりと笑ったユースタス屋に耳元で囁かれた声に何でか知らないが顔が熱くなる。余韻に浸る暇もなく律動を繰り返されて泣きながら首を振った。
きっと今の俺の顔、ひどいことになってるんだろう。でもそれもユースタス屋が悪い。やっぱりこいつは…。
回らない頭でとりとめもなくユースタス屋の暴言を吐きながらせめてもの抵抗とその背中に爪を立てた。




[ novel top ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -