同棲中な二人の裏的日常 | ナノ

今日こそは、と思ってみるが…どうだろうな。

「っ、ん…はっ、ぁ…」
「声、我慢するなよ」
「ゃ、んんっ、…はっ」

いやらしく尖った乳首を指先で摘むとそのまま捏ねるように弄り、時折爪を立てるようにしてやればトラファルガーはびくりと震えて唇を噛み締めた。

「っ!んやっ、噛む、な…ぁ」
「ああ、悪ぃ」

もう片方の乳首には舌を這わし、少し強めに歯を立ててやれば小さく体が跳ねて噛むなと首を横に振られる。それに今度は労わるように舌でゆっくりと舐めてやった。

「んく、っは…あっ!」

つつつ、と指先でなぞるように手を下におろすと反応しだした自身に触れる。何の前触れもなく与えられた直接的な刺激にトラファルガーは小さな嬌声を洩らし、腰は逃げるようにびくりと跳ねた。
乳首を弄っていた手を離すと腰に触れる。逃げられないようにしっかり掴むと緩急をつけて抜き始めた。

「ぁ、あっ…っ、ふ、ぅ…っ」
「だから我慢するなって言ってんだろ」

唇を噛み締めるだけでは抑えが効かないのか、トラファルガーは自分の指を噛んで必死に声を堪えようとする。それに顔を顰めるがこいつは嫌だと首を振って懸命に堪えるばかり。

きっとこの手を力づくに退かせても、そしたらまた切れそうなぐらい強く唇を噛み締めるだけだろう。というかいつもはそうだ。
だからそれなら、と手を退かして唇をそっとなぞり、薄く開いたそこから自分の指を割り込ませた。

「ん、ふっ、ぅ!んんっ!」
「噛みたきゃ噛んでもいいぜ」

トラファルガーの唇が血塗れになるのはいただけない。耳元でそっと呟くと、口腔の柔らかい粘膜を確かめるように指を動かす。まるでキスするように舌や上顎を指先で弄んだ。
途中まで引き剥がそうと手首を握っていた腕の力は徐々になくなり添えるだけになっていく。噛んでもいいと言ったのにそうする気はないようで、その代わりに必死で指に舌を這わせてきた。その姿ににやりと笑うと額にそっとキスを落とす。

「案外可愛いな、お前」
「んんっ!ふぁ、ん…っ」

口が自由なら煩いだの何だの言ってきたかもしれないが、生憎くぐもった声しか聞こえない。否定するようにこちらを見つめる目は睨んでいるに違いないんだろうが涙目のせいでそうとはとれなかった。

だんだんと息苦しくなってきたのか、瞳に溜まった涙が流れ落ち、口端からは飲みきれなかった唾液が顎を伝う。ぐちぐちと音を立てて与えられる自身への緩い刺激に控えめに揺れる腰はそれが物足りないと主張していた。

「ん、んんっ!ふっ、ぁ、ん、んっ!」

緩く抜いていた手つきを追い上げるような激しいものに変えると、途端にトラファルガーの体がびくりと跳ねる。切なげに寄せられた眉に、イきそうか?と聞けばこくりと頷いて涙目で見上げられた。

「っ…お前その顔反則」
「ふっ、んっあ!?や、ぁっあっ、あ――…っ!」

トラファルガーの口腔から指を引き抜くと、ぐりっと射精を促すように先端を刺激する。それに今更声を抑えられる訳もなく、一際高い声を上げると掌に白濁を吐き出した。



「っ…は、ぁ…」

吐精感に身を任せ、ぐったりとベッドに沈み込むトラファルガーの額にキスをする。あまり期待はせずにそっと後ろに指を這わす、と案の定びくりと肩が震えて首を横に振られた。

「やっ…ユースタス、屋ぁ……やっぱ、無理だ…」
「無理ってお前な…」

またこの展開か、とため息を吐いた。
そう、非常に腹立たしいことに、トラファルガーの静止によってこれ以上先に進んだことがない。いつもこんな中途半端なところでこいつの泣きそうな顔に負けて行為を中断しているのだ。
何でも怖い、だとか、そんなもの入らない、だとかで一向に進展がない。確かに怖がるのも無理はないし受け入れる側の負担も考えれば無理強いは出来ない。
出来ないがここで止めさせられる俺の気持ちにもなってみてほしい。いつか本当に我慢が出来なくなったとき無理矢理押し倒して突っ込みそうで嫌だ。


「まあ別にいいけどよ。…もう慣れたし」
「……ん、ごめん」
「気にするな」

ゆっくりでいいから、と頭を撫でる。我ながらトラファルガーにゲロ甘な自分が気持ち悪いと思った。

余韻に浸っているらしいぼんやりとした瞳に目を逸らす。このままここにいたら多分終わる。なのでシャワーでも浴びようと立ち上がろうとして、そこでふいに腕を掴まれた。

「何だ?」
「…俺がしてやる」
「は?」
「いいからユースタス屋は座ってろ」

してやるって何をだよ俺はシャワーを浴びてェんだけど、と思いながらも顔を真っ赤にしたトラファルガーに仕方なく座りなおす。
ああやばいそういう表情されるとマジで襲いたくなるから止めろ、と自らの情欲になるべくトラファルガーを見ないようにして堪えた。

すると何故かベルトの外れる音がして、そして下を見れば何故か俺のモノを握って赤い顔をさらに赤くしたトラファルガーがいた。

「…っ!おま、何して…っ」
「うるさい」

はぁ、と熱い息を吐くと決心したように舌を出して先端を舐める。暫くちろちろと舐めるような動作を続けていたが、それですでに俺の理性が消えた。

「っ…ロー、咥えてみろ」

そう言えば恐る恐る口を開けてゆっくりと先の方だけ口に含む。いつものこいつなら考えられない光景だ。

「…ふっ、ん…んっ…」

時折いやらしく覗く舌に堪えきれず、ぐっと頭を押し付けるとさらに奥深くまで咥えさせる。それに眉根を寄せて苦しそうに顔をしたが今更止められる訳でもなく、手も使え、と言えば含みきれなかった部分を手でゆっくりと扱いてきた。

別段上手いという訳ではないが、上手かったらそれはそれで複雑な気持ちになるから別にいい。それよりも視覚的な刺激が大分強い。
今にも零れ落ちそうなくらい目に涙を溜めながら頬を上気させ、時折窺うようにちらりとこちらを見ては恥ずかしげに目を逸らす。その姿にごくりと喉を鳴らした。

「っ、は…っ、もういいから、離せ…」

そう言うとトラファルガーは首を振って自らより深く咥え込んでくる。ぴちゃぴちゃと聞こえる音が一層卑猥な雰囲気を醸しだし、口腔で締め付けるように強く吸い付いてくるその動きに半ば無理矢理引き剥がした。


「…っ、何で…気持ちよくなかった…?」
「…違ェよ」

我慢出来なくなった、と言ってトラファルガーを抱き寄せると、俯き泣き出しそうな目尻にキスをする。
サイドチェストからローションを取り出すと自分の掌にたっぷりと垂らしてそっと後ろの窄まりに触れた。

「あっ!?ゃ、な、に…っ」
「だから我慢出来なくなった」

びくりと体を強張らせると涙を浮かべた瞳がこちらを見やる。それを尻目にゆっくりと指を挿入していった。
これがさっき自分の危惧していた、我慢できなくなって無理矢理突っ込む、なんじゃないだろうかと一瞬脳裏に浮かんだがそれでも止められそうにない。


当たり前だが中はきつく、途中顔を顰めたトラファルガーに緩く自身を抜いてやる。力が抜けた頃を見計らって根元まで挿れるとまたギリギリまで引き抜いて奥まで挿れる―の繰り返しで少しずつ中を慣らしていった。

「ん、んっ…ぁ、あ、あ…っ!」
「痛いか?」
「ん、ゃっ…変、な…感じ…っ」

まあそりゃ最初は異物としか認識しないよな、と思いながら指を一本増やす。中を慣らしながらも探るように指を動かせば、次第に小さく嬌声が洩れて瞳は徐々に快楽を映し出した。

「あ、あっ…ひっ!ゃ、っ…や、そこ、ゃだ…っ!」
「…ここか?」
「っ、あぁっ!ひっ、ぁ…そこ、変…っ!や…っ!」

どうやら指が前立腺にあたったらしく、びくびくと断続的に体を跳ねさせると首を振る。
逃げようとする腰をしっかり押さえつけてそこだけを集中的に責め立てれば終いにはぼろぼろと泣き出した。

「ひっく、あっ、ゃあっ!ひっ、ぁ、あっ!」

耳元で響くトラファルガーの嬌声にいますぐ挿れたい気持ちを堪えて三本目を挿れる。大分慣れてきたらしく、すんなりと受け入れたそこを指でぐちゃぐちゃに掻き回した。

「ふっ、ぁあ!ひっ、ぁ…くっ、ぁ、あ、あっ!」
「…指だけでこんなんなって大丈夫なのかよ」

震えながらしがみつくその姿に思わず呟く。思った以上に感度は良好らしい。

ぐちゅり、と指を引き抜くとベッドの上に出来るだけ優しく押し倒す。くたりとしたトラファルガーは荒い息をしながら必死に酸素を取り込んでいた。
そっと頭を撫でると額にキスをする。挿れてもいいか?と聞けば、それでも戸惑いがちに小さく頷いた。



「あっ、ゃあっ…いっ…、っ!」
「っ、は…きっつ…」

慣らしたと言えどもやはり中はきつく、強い締め付けに眉根を寄せる。きっとトラファルガーの方はもっと辛いだろう。宥めるように顔中にキスをすると、少しでも力が抜けるように自身に手をかけ、ゆっくりと抜いていく。そうすれば次第に与えられた快楽に意識が傾き、中の締め付けが弱まったところで一気に根元まで挿入した。

「っあぁ!っ、いっ…はっ、…ぁ…」
「…っ、全部入ったぞ」
「は……ん…っ、きっ、ど…」

平気だから、とトラファルガーが呟く。
もちろん平気なはずがない。まだ挿れたばかりだし、何より表情が苦しそうだ。
だがじわりと涙の浮かんだ瞳に見上げられて、先程の淫らに喘ぐトラファルガーなんか思い出してしまうとどうにも我慢できそうになく。そもそも俺は大分前から我慢していた訳で、例えそうでなくても…駄目だ今はとにかく我慢出来そうにない。

「っ、悪い…動くぞ」
「ひっ!ぁあっ、ゃ、き、っど…っ!」

こっちにしたって余裕がない。そこはお互いそうだろう。
だからトラファルガーの煽りに堪えられる訳もなく、腰を掴むと律動を開始する。最初はそれでもゆっくりと動くだけだった、がこいつの嬌声だとか必死に縋りつく腕だとかやけにエロい顔だと俺の名前を泣きながら呼ぶ姿だとか。そんなの目の前で繰り広げられて見せつけられて誰がゆっくり優しくなんて出来るだろうか俺には無理だ。

「あぁ、ひっゃ!ゃあっ…!も、っ、はげし、ぃ…あ、あっ!」

先程見つけたところを狙って狭い中を押し拡げるよう突き上げるとトラファルガーは涙を溢して喉を反らす。容赦なく続く律動に首を振って嫌だとうわ言のように喘いでも体は素直に反応していた。
だらだら先走りを溢す自身に触れると絶頂を促すように抜き上げる。それにまたトラファルガーは眉根を寄せて、唇からはより一層いやらしい嬌声が響いた。

「あっ、だめ、だめ、ゃだ、い、く…いっ…!」
「イけよ、ロー……っ」
「やっ、あっあっ、ひっぅ……〜〜っ!」

中の強い締め付けに眉根を寄せると、ぎゅっとしがみついてくるトラファルガーの耳元でそっと囁く。
それにびくん、と一際大きく震えて声も儘成らずに達する、と同時に俺も中に吐き出した。






あのあと疲れ果ててすぐに意識を飛ばしてしまったトラファルガーは、今もベッドの上で穏やかな寝息を立てながら眠っていた。
初めてなのに些か無理をさせた感が否めないのは何故だろう。まあいい、一回ヤれば二回も三回も同じだろ、とすでに先のことを考えてる自分に少し呆れた。

そっと頭を撫でると擦り寄ってくる体に笑みを洩らす。薄く開いた唇に触れるだけのキスをした。






最後なので甘い話を…と思ったら甘さがまったくいつもと同じな件。
そうだったうちはゲロ甘サイトだった^^←
これにて強化期間終了です!長々とお付き合いいただき有難うございました!





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