Gift | ナノ

(同棲パロ。小スカ注意。)


徐々に大きくなっていくアラーム音に眉根を寄せると、手探りで携帯を探し出す。ちらりと見た時間は休日として起きるにはまだまだ早い方で、なぜか毎日設定になっているアラームをイライラしながら止めた。俺は一度起きてしまうと、もう一度寝付くまでに時間がかかってしまうタイプなのだ。
体はまだ睡眠を欲しているが眠る気にはなれず、何となしに隣ですやすやと眠るトラファルガーを眺めた。毛並みの心地よい毛布に包まって眠るその姿はまるで猫のようで、規則正しく上下に揺れる肩はやはり少しばかり体温が低い。元から低体温のトラファルガーを後から抱き締めると、それでもやはり触れ合ったところから少しずつ熱が伝わってきた。

「…トラファルガー」

いたずらに呼びかけてみたが、少し身じろいだだけで夢の中から戻ってくる気配はなかった。俺もこのまままた寝てしまおうか、どうしようかと考えながらトラファルガーの肩に顔を埋める。触れる髪が擽ったいのか、息を洩らして動く体。腰に回した手で滑らかな肌を撫でると小さく声が洩れた。だが起きたわけではないらしく、未だすやすやと眠るトラファルガーに何だか悪戯心が湧いてくる。

いつの間にか眠気より性欲にベクトルが向いた俺は、自分の手が暖かいことを確認するとゆっくりとトラファルガーの胸に掌を滑らせる。最初は撫でるだけだ。それを繰り返すうちに徐々に乳首が尖り始め、指が引っかかるたびにトラファルガーが控え目な声を出した。起きてはいないようだが、その声が快感を堪えているように聞こえてしまい、撫でていた手できゅっと乳首を抓んだ。

「ぁっ…」

鼻にかかったような声が小さく聞こえ、それを皮切りに両方とも指で虐めてやる。優しく撫でたり、抓んだり、引っ張ったりしたが、まだトラファルガーは起きる様子がなかった。意識のない喘ぎ声が静かな部屋に響くたびに、捏ねられた乳首がツンと尖って震えている様が目に浮かぶ。
起きてほしいような、もう少し遊びたいような、何とも言えない気持ちだ。だが俺の気持ちなど視野にも入れずトラファルガーは眠っている。それがもう少し遊ぼうという方向に俺を持っていった。

乳首を散々弄りましている間にトラファルガーの性器は勃起していた。触れればぬるりと手が滑る感覚がして、先走りが溢れているのが分かる。寝ていたってこいつは淫乱らしい。どこまで俺好みの体になっていくんだろうか、考えると笑みが洩れた。

「んっ、ぁ、あ…」

先程よりはっきり聞こえる声に、流石に直接的な刺激だと違うようだと思う。まだ緩く上下に動かしているだけだが、トラファルガーの腰がびくりびくりと震え、どんどん頬が赤くなっていくのが分かる程だ。

達せない程度の刺激を与え、寝ても覚めても淫乱な体の反応を楽しんだ。半開きになった唇からは艶やかな声が洩れ、シーツを頭に擦り付ける様子に実は起きているんじゃないかと思ってしまう。それでもあくまでまだ眠っているようだ。
だが実際にはもう半分起きかけていたようで、ふるふると震え出した睫毛にそろそろだろうと直感した。それと同時に俺はトラファルガーから離れると、濡れた手を無造作にシーツで拭ってトラファルガーに背を向けた。

「んっ……ぁ、え…ッ?」

背後でトラファルガーが目を覚ました気配がする。同時に聞こえてくる戸惑ったような声にニヤケそうになるのを堪えた。

俺はとにかく眠ったふりをした。目を瞑り、じっとしていれば恐る恐ると言ったようにトラファルガーが俺を覗き込む気配がする。そして俺が眠っているのにほっとしたような息を吐いた。
何も知らないトラファルガーが今どんな顔をしているのか知りたくて、俺はごろりと寝返りを打つ。薄目を開けて見てみると上半身だけ起こしていて、これ、どうしよう、と顔に書いてあって思わず吹き出しそうになる。俺もトラファルガーが次にどんな行動に出るのか気になってじっと行く末を見守っていた。
少し経ってトラファルガーはもう一度俺が寝ているのを確認すると、徐にベッドから抜け出そうとした。さすがに出て行かれては詰まらないので、ちょうど今起きましたという風を装ってゆっくり目を覚ますと、それに気付いたトラファルガーがびくりと肩を震わせた。

「あ……ユースタス屋、はよ」
「…はよ」

トラファルガーは目を泳がせながらそれだけ言うとまた出て行こうとしたもんだから、俺はその腕を掴んでベッドに引き込むと後から抱き締めた。

「ちょ、離せって…!」
「どこ行くんだよ」
「トイレに行ってくるだけだ!」

寝起きのくせに騒ぐトラファルガーを見るとどうにも切羽詰まっているようだ。笑いそうになる口元を叱咤し、出来るだけ起きたばかりの気だるげな雰囲気を出しつつもしっかりと抱き締めて離さない。
まだ寝てろよ、とトラファルガーを繋ぎとめるようにそれらしい言葉を吐いた。だがトラファルガーはトイレ行ったら戻ってくるから離せとしか言わない。必死らしい。別にバレたって何がどうこうなるわけでもないし、なんか朝勃ちしてたからヤろーとか言ってみればいいのに。まあ絶対言わないだろうけど。自分でしたいときはしようと恥ずかしげもなく誘ってくるくせに、こういう不本意な事態になると割り切れなくなるのだろうか。
などと考えている間もトラファルガーは俺の腕から逃れようと無駄な努力を続けていた。お前は大人しく寝てろと身を捩って頭を押してくる。多分俺が寝ぼけてると思ってるんだろう。だいぶ前からばっちり目覚めてたけどな。

「ユースタス屋、いい加減、に…ぁっ!」

あまりにもトラファルガーが逃げようとするので、さりげなくを装って滑らせた手で先程よりは少し萎えた性器に触れた。途端にトラファルガーはびくりと肩を揺らし、驚いたような声を出す。背を向けられているためどんな表情かは分からないが、おそらく顔を真っ赤にしているんだろう。覗いた耳が赤く火照っていた。

「トイレの原因はこれか?」
「やっ、ばか…触んなっ」
「んなこと言ってぐちゃぐちゃじゃん…昨日もしたってのに朝から元気だな」
「うっさい、離せ!」
「イったらな」
「あっ、やだ、いいって、っ…ん、ふぁ、ッ!」

何も知らないトラファルガーは羞恥に震えていてひどく可愛かった。覗いた顔に、何でこんな、と書いてあって面白い。
ネタバレは別にしなくてもいいかなとか思いながら、滑りのよくなった手で包み込むように上下に抜いた。首筋にキスを落とし、時折吸いつけばシーツを握る手に力が篭る。先走りが溢れる先端を刺激し、開いた片手で乳首を弄ってやれば、限界が近いのかトラファルガーが首を振る。最初に抱き締めた時よりも体温は随分と上がっていた。

「あっ、ぁ、!ユースタ、ゃ、もっ…ひっぁ、離し…っ!」
「イきたきゃイけよ」
「ひぅ、違っ…!ぁ、ばか、ほんとに…も、離せぇ、っ!」

何かいつもと様子が違う。首を傾げればトラファルガーはじっと俺のことを睨みつけてきた。と言っても涙で一杯になった瞳では何も怖くない。我慢すんな、と囁いたがトラファルガーはまた違うと言って首を振るだけ。力の入っていない指先が俺の手を弱く引っ掻いた。

「あ、ぅ…やっ、でちゃ、から…」
「だから我慢すんなって」
「ちが、…〜っ!ぁ、もっ…ゃめ、まじで、やばいからっ…!」

切羽詰まったような声を出し、泣きそうな顔で逃れようとするトラファルガーに漸くピンときた。この態度はあれだ。どうやらトイレに行きたかったのは本当らしい。もし先に気付いていたとしても行かせなかっただろうけど。

「いいから、ロー…出せよ」

しかしまだ気付いていないふりを装って手の動きを激しくする。そうすればトラファルガーの体がびくびく震え、見開かれる涙の溜まった瞳。涙が溢れ落ちるのと同時に、堕ちるのを確信した。

「あっ、だめ、ッ…!ひ、ゃだぁ、でる、でちゃ、ぁあ…〜〜ッ!」

その言葉を最後にびくんと体が大きく揺れ、手の内で脈打つ性器が精液とは似ても似つかないものを吐き出していく。びちゃびちゃとシーツの濡れていく感触がし、羞恥で震えるトラファルガーは息を詰めて泣きながら排尿の快感を堪えていた。やだ、はなせ、と小さな抵抗も意味をなさず、随分溜め込んでたなと笑うと面白いほど頬が赤くなった。
トラファルガーの腹を擦り、出切ったことを確認すると未だ羞恥に震えてこちらを見ようともしない姿に笑みを浮かべる。こういう態度を取るから余計虐めたくなるっていうのに。

「あーあ…そんなにお仕置きしてほしかったのか?」
「やっ…だ、って、ユースタス屋が…!」
「漏れそうだからトイレ行きたいってちゃんと言えばよかっただろ?弄られて悦んでたお前が悪い」

お仕置きだな、そう囁くとトラファルガーは首を振った。

「やだっ、謝る、からぁ…」
「そんな可愛い顔しても駄目」

涙の溜まった目尻にキスすると、ぐずるトラファルガーにくつりと笑う。さてどんなお仕置きをしてやろうか、なんて考えながら。

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