Gift | ナノ

(同棲パロ。生クリームプレイ注意!)


トラファルガーがいきなり、ケーキを食いたいと言い出した。先程までやっていたお手軽料理なんちゃらって番組のせいだろうか。買ってくればいいだろうと布団を頭まで被って呟けば、作ったのがいいと呆気なく返された。

「んな面倒臭ェことできるか」
「簡単ケーキだぞ?簡単に決まってる」
「ならお前作れよ」

ガンガンと痛み頭を押さえながら軽く呻く。
知るか全く。こっちは昨日の飲み会のせいで頭が痛ェんだよ。こんなときに生クリームたっぷりのケーキなんぞ作るだけで胸焼けして吐くわ。
トラファルガーも早くテレビを消してベッドに戻るか、それかリビングに行ってほしいんだが。その軽快な音楽に頭の痛みが助長するみてェだから。ああ、寝室にテレビ置かなきゃよかった。
なんて考えていたらシーツの擦れる音がして、ぴたりとトラファルガーが背中にくっついてくるのが分かった。大人しくなったのはいいがテレビも消してほしい。でも言うのも億劫なので黙っていれば、不意にトラファルガーがぼそりと呟く。

「…ケーキ」

丸くて生クリームが何層にも重ねられてて甘いやつ。ぼそぼそと耳元で囁かれる言葉は今は呪詛にしかなりえない。
何だろうこいつは。俺に恨みでもあるんだろうか。そりゃ昨日、酔った勢いで結構無理させた気もするけれど。怒鳴られれば頭に響いてそれも困るが、こういう仕返しも質が悪い。

「どうしても食いてェなら材料買ってこい…」
「あるから問題ないよな」
「…スポンジケーキとかホイップクリームとか苺とか?」
「一昨日ぐらいにもおんなじこと思ってたから」

ざまぁみろと、髪を梳きながら呟いた言葉の後ろにそんな思いが込められているような気がしてならない。これだからトラファルガーの機嫌は損ねないに限る。こうやって底冷えしたどろどろの塊を腹の奥に抱えているトラファルガーは本当に厄介だ。拗ねるなら怒った方がまだ機嫌の直りが早い。
無理させたのは記憶にあるが、肝心の詳細はすっかり抜け落ちている。昨日俺は一体こいつに何をしたんだ。

「ユースタス屋?」

自分の名前を呼ばれているだけなのに、早くしろ糞野郎と言っているようにしか聞こえない。
渋々ベッドから起き上がると、そう言えばベッドがキレイなことに気づく。俺昨日ベッドまで行かずにシたんだな、きっと。

「後始末は…?」
「酔ったお前がしたくせにそのあとすぐまた突っ込まれて寝られたから自分でした」

にこりと笑顔をつけて返された言葉に顔が引き攣る。めっちゃ怒ってんじゃねェか。マジで昨日何したんだろ俺。
とりあえずこれ以上ベッドにいると何をされるか分からないので起き上がる。頭を幾分はっきりさせるためにもシャワーを浴びて、あがった頃にはトラファルガーはリビングのソファに寝転がっていた。

「作れ」

短くそれだけ。適当にタオルで頭を拭きながら現れた俺をちらりとも見ずにそう呟いた。
確かに昨日のことは俺に非があったのかもしれない。覚えてないし、無理させたのは悪いと思ってる。だけどこっちは頭が糞痛い上に体もだるくてケーキなんぞ作ってられるかって感じな訳だ。世間一般で逆ギレっつうあれだが、俺の状態が健全だったなら大人しくトラファルガーに従っただろう。コンディションが最悪なんだ。
でもこれ以上無駄な口論をしてもトラファルガーは益々不機嫌になるだけだろうし、仕方なく台所に立った。俺も若干苛ついてはいるがしょうがない。ケーキは、作ってやる。

「…トラファルガー」

ポップなパッケージのホイップクリームの素を冷蔵庫から取り出すと牛乳と混ぜてミキサーで泡立てる。暫くして、泡立てたホイップクリームがとろりとボウルに落ちていくのを確認するとトラファルガーを呼んだ。
こっちに来いと言う意味で呼んだんだが、トラファルガーは面倒臭がって動こうとしない。仕方がないのでボウルを持ってソファへ向かうと、掌で掬った出来立てホイップクリームをべとりとトラファルガーの頬へ擦りつけた。

「はっ、?!ちょ、なにすんだよ!」
「ケーキは、作ってやる」

ただし土台はお前だ。
そう言って笑うと先程までのふてぶてしさが嘘のように、トラファルガーの顔からサッと血の気が引いていった。




「ひ、ぁっ…!っも、馬鹿じゃねぇ、の!」
「作ってほしいっつったのはお前だろ?」
「こんなん、ちがっ…ゃっ!」

驚いたように目を丸くするトラファルガーをその場に押さえつけるのは簡単だった。マウントポジションを取ってしまえばこっちのもんで、ジタバタ暴れるトラファルガーを容易に押さえつけると服を捲りあげる。覗いた褐色の滑らかな肌を撫でると、一掬いしたクリームをその上にぼとりと落とした。

「んっ、つめた…!」
「…甘っ」
「じゃあ舐めんなよ!」

冷たさにびくりと肩を揺らしたトラファルガーを尻目に腹辺りに落ちたクリームをべろりと舐める。そしてすぐに舐めたことを後悔した。
場の雰囲気に流されていけるかと思ったが、残念なことに思っただけだった。口の中に一気に広がった甘ったるい味に思わず眉間に皺が寄る。
トラファルガーはそれを見てさらに眉根を寄せると文句を言ったが、やめる気はさらさらない。甘い白で塗れる褐色の肌は見ているだけでも愉しかった。

「このクリームはあとでお前にやるよ。だから苺食わせろ」
「はっ、?なに言っ…ふ、ぁ!ゃ、ばか、そこ、ちがっ…んん!」
「こんなに真っ赤にしてんのに?」
「っしね、ぁ、んぅ、ふっ…!」

さすがにクリームは無理そうだったからあとでこいつに食わせるとして、触ってもいないのに秘かに主張し始めた乳首に手を伸ばした。
こいつの体がスポンジケーキならさながら乳首は苺だと思うんだが、どうやら気に入らなかったらしくひどく睨まれた。また意味のないことに潤んだ瞳に赤い顔で。
触ってもいねェのに期待して乳首勃たせてるやつに嫌がられても何ともないが、一々取り合ってると際限ないのでとりあえず聞き流す。快楽を与えてやればこいつはいつだって簡単に素直になるからとっとと溺れさせた方が話も早い。

「ふ…ぁ、ひっ、んん…っ!」
「何だかんだ言って気持ちよさそうじゃん」
「っん、ゃ、あっ…」

首を振ってみても力ないそれでは嫌がっているようには見えず、唇から洩れる甘い声はそれと正反対にもっとしてほしいと強請っているようで。
それに答えるように幾らか強めに吸い上げると片方も指で抓んで弄ってやる。ある程度硬さを持ち始めたそこは赤く腫れていて、その感触を楽しむように犬歯でコリコリと刺激してやると面白い具合に腰が跳ねた。

「…はは、本当に苺みてェ」
「ふっ、ぁ、っ、や!ばか、塗る、なぁ…!」
「クリームで感じてるくせに。冷たくて気持ちいんだろう?」
「やっ、ちが…ひっ、ぁあ!ゃあ、吸っちゃ、…ふっ、んん!」

赤く腫れた乳首と純白のホイップクリームとのコントラストが卑猥で、塗る度にびくびくと腰を揺らすトラファルガーもまた淫乱に他ならなかった。
それでも認めたくないと言うように首を振ったので、窘めるように乳首にかぶりつくとそのクリームごと吸い上げてやる。ただこれは俺にもダメージがでかいので、泣きながら体を震わせるトラファルガーにキスすると舌にのせられた甘ったるいそれを擦り付けるようにトラファルガーの舌と絡めた。

「ふ、んっ…ぅ、む…は、んん…!」

ぎこちなく動くトラファルガーの舌と絡み合えば途端に口内の甘さが倍になる。あまり意味なかったな、と思いつつも、それでもきゅっとしがみついて必死に舌を絡めてくるトラファルガーに応えるように優しく愛撫してやった。くちゅくちゅと音を響かせて、何とか俺についてこようと動き回る舌を柔く噛んでやればそれだけでトラファルガーはぎゅっと眉根を寄せて泣きそうな顔をする。可愛い、可愛い。

「んぅ…っは、ぁ……ん…」

ちゅ、と絡めていた舌を離し唇を離すとすでにトラファルガーの瞳はとろとろに蕩けていた。相変わらずキス一つで快楽の底に沈んでしまうらしい。
そんな淫乱なこいつも可愛くて好きだと、額に触れるだけのキスを落とす。赤く染まった頬も、口端から溢れ落ちる唾液も、胸や腹を伝う甘いクリームもどれもが全ていやらしく思えた。
今すぐにでも突っ込んでやりたいとこが、生憎その前に少しやらせたいことがあるもんで。

「…ローはクリーム好きだろ?」
「ふ、ぇ…?」

いまいち状況を理解しきれていないトラファルガーを起こしてやるとソファの下に下ろしてやる。俺の足元に蹲ってぼんやりした表情で首を傾げるトラファルガーは最高に可愛かった。
まるで待てをする犬みたいにそこでじっとしているトラファルガーに、ズボンのジッパーを下ろしていく。俺がこれから何をさせたいのか分かったのか、トラファルガーは恥ずかしそうに頬を染めるとおずおずと俺の手に自分の手を重ねた。

「してくれる?」
「…ぅん…」

こくりと小さく頷かれた言葉に満足して、下着をずらすトラファルガーをじっとみやる。
こいつはフェラが苦手だし、そもそも俺があまりさせようとしない。させても今日みたいにごくたまにだけで、大抵トラファルガーは嫌がる素振りは見せずに、その代わり恥ずかしそうに俺のモノを口に含んだ。

普段通りなら今日もまたそうなるだろうし、トラファルガーもそう思っているだろう。
だけど今日は少しだけいつもと違う。趣向を変えて、とでもいうのだろうか。
とにかく口を開けたトラファルガーを遮ると、テーブルの上に置いてあったボウルをトラファルガーの横に置いた。そこにはもちろんたっぷりのホイップクリーム。

「ユー、スタス屋?」
「つけて、それ」
「…え…?」
「つけて舐めて。甘いの好きだろ?」
「っ!」

笑いながらトラファルガーの頭を撫でるとその頬が面白いぐらいに赤く色付いていく。

「そ、な…できるわけ…!」
「じゃあほら、これならいいだろ」

うっすら瞳に涙を溜めてふるふると首を振るトラファルガーにいかにも仕方がないというような態度を取ると、トラファルガーの手を掴んでホイップクリーム塗れにさせて、その手で勃ちあがった俺のモノを緩く握らせた。必然的についてくるクリームにトラファルガーの頬が一気に赤くなる。
ここまでしたんだからもうしないと言うようにただ黙ってソファに座っていれば、トラファルガーはちらりと俺を見てから意を決したように赤い舌を唇から覗かせた。

「ふ、むっ…ぁ、んぅ…」

クリームに塗れた手で俺のモノを掴むと、ところどころについたクリームをまるでアイスでも食べるかのように舐めとっていく。ぬるぬるとした舌が上下に動き、必死に舐めとるその様子に背筋が震えたのは言うまでもない。

「ロー、おいしい?」
「ぅ、む…ぁ、おいし…んんっ…」
「もっとつける?」
「ふぁ…んっ、する…」

先程まで恥ずかしがっていたこいつはどこへやら、とろりと瞳を蕩けさせたトラファルガーはこくりと頷くと自らボウルに手を伸ばして掬ったクリームを勃ち上がった性器の先端にぼとりと落とした。
そしてまた舌を出してちろちろと舐めとっていく。夢中で性器にしゃぶりつくその姿に目を細めた。上手だな、と言うように優しく頭を撫でてやれば、トラファルガーは嬉しそうな顔をして舐めるだけだった先端を咥え始めた。

「ンン…ふ、っ…む、」
「…っ、は」

苦しそうに、それでも一生懸命頬張って頭を上下させるトラファルガーの髪をくしゃりと掴む。拙い愛撫や舌の動きは拙いなりに気持ちがいいもんで、さらに涙を浮かべて頑張ってるトラファルガーの姿なんか見てしまうとずっと気持ちよく感じる。
勝手が分からないのかぶつけるように舌を動かして、何とか俺を気持ちよくさせようとするトラファルガーが可愛い。労るように耳を撫でて、舌を動かすトラファルガーをじっと見つめていれば不意に見上げた視線とかち合った。だがそれもすぐにそらされてしまって、恥ずかしそうに頬を染めながら目を伏せる。
もう少しその舌使いを堪能していたかったが、そんな態度をとられるともう駄目だった。

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