Gift | ナノ

(同棲パロ。小スカ注意!)

一週間だろうが一ヶ月だろうが、別に代わり映えないと思っていた。あいつが一週間いなくなったぐらいで俺の生活に大きな変化がある訳でもないし、それぐらいどうってことない。言ってしまえば、いつも通り。

だけどやっぱり、とか思ってしまう自分がいる。


ユースタス屋と連絡はなるべくとらないことにした。電話して、声なんか聞いたりしたら絶対に会いたくなる。だからするとしてもメールだけ。でもユースタス屋は忙しいらしいから、それも滅多にしない。
だからここ五日、ユースタス屋とは何も連絡をとっていないに等しい訳で。そろそろやばいかもしれない、なんて考えてしまっている。

ごろり、と寝返りを打ってシーツに顔を埋めると息を吐いた。何故か一人で使うベッドはいつもより広く感じて、隣にいるはずのユースタス屋も今は、いない。


会いたい会いたい。
ユースタス屋に会いたい。


こんなはずじゃなかった。なのに身体はユースタス屋を馬鹿みたいに求めている。
これじゃあユースタス屋が出かける前にかけられた言葉と同じだ。寂しくて死ぬなよって。そのときはウサギじゃねぇんだからと返したけれど、実際は人間寂しいと死ねるらしい。なら今なら本当に死ねるかも。でも死んだらユースタス屋に会えないから、とか。あーもう馬鹿みたいだ。


ユースタス屋に会いたい。ユースタス屋の声で名前を呼んでほしい。ユースタス屋の手で触ってほしい。
そればっかりぐるぐる考えてしまってどうしようもないぐらい。

しかもそんなことばっか考えてたら、身体が自然に熱を持って。ユースタス屋がいないから暫くご無沙汰な身体は正直だ。その熱を押し込めるほど俺もできちゃいないから。
(…我慢できない。)

カチャカチャ、とベルトを外すとベッドの下に放り投げた。続いてズボンも下着も脱ぐと熱を持った自身にそっと触れる。

「んっ…は、ぁ…」

溢れでる先走りを指先で掬い、擦り付けるように動かせば濡れた音が辺りに響く。

この手はユースタス屋の手。いま俺を抱いているのはユースタス屋。

そう自分に暗示をかけてぎゅっと目を瞑ると、まるで本当みたいに、



『…ロー』

「んぁ、ひっ…ぁ…っ」

情事の最中いつもユースタス屋がしてくれる手つきを必死に思い出して同じように動かしていく。そうすれば本当にユースタス屋がシてるみたいに思えてきて、幻聴まで聞こえたんだから俺も相当の頭もキテる。
でもやめられない。

「ひっぅ、んぁ、あ…ユ、タス、屋ぁ…」

『気持ちいい?…お前ここ弄られるの好きだもんな』

「ぁっあ!ゃ、あ、あ!」

ぐりぐりと先端を弄ると気持ちよくて腰が浮き上がるように跳ねる。妄想の中のユースタス屋が意地悪げににやりと笑ってそれにじわりと涙が滲んだ。

『ほら、こっちも、』

「んぁあっ!ひっ、あ…っ!」

『一緒にすると気持ちいいんだろ?』

「ふっ、ぇ…ん、きもち、い…っ」

するりと自分で服を捲りあげて乳首に触れるとまだ柔らかいそこをぎゅっと摘まむ。痛いぐらいに摘まんだら優しく撫でるように触れて。いつもユースタス屋がする触り方。そうするとだんだん柔らかかったそこが固く芯を持ち始め、下半身に直結してるみたいに刺激がビリビリと伝わって余計に気持ちよくなる。

「ひっ、ぁあ…ユ、スタ、屋…」

自分で弄って、あられもない声だして、ユースタス屋の名前呼んで、妄想の中で媚びて、そんな自分に恥ずかしくて死ねそうだ。
いつも絶対しないようなことをするのもユースタス屋のせい。全部あいつが悪い。

ユースタス屋に触れられないと寂しくて死んじまいそうになる身体にしたあいつが。


「ふっ、ぁ、あっ、ゃ、も…っ!」

『イきそうか?』


ぐちゅぐちゅと自分の手を速めながら妄想の中のユースタス屋にこくこくと頷いた。そうすればもっと手つきが速くなって、


『…イってもいいぜ』




「ふ、ゃ…ぁ、な、で…?」

びくびくと跳ねる腰。だらだらとだらしなく先走りを溢す自身の先端に触れて指先で軽く引っ掻くと言い様のない快感が身体中を襲ってシーツをぎゅっと握り締めた。

なのに、

「な、で…いけな…っ」

どんなに刺激を与えてもやっぱりどこか物足りなくてイけない。イきたいのにその感覚が訪れることはなくて。苦しくて精液にまみれた自身を握って刺激を与えても余計に苦しくなった。その味わったことのない感覚に気づいたら泣いていて。

「ふ、ぇ…な、で…いきた…っ」

どうしようもなくて辛くて。いつもなら助けてくれるユースタス屋も今日はいないから。ぐちゅぐちゅと音を立てて自身を抜きながら終わりのない熱に啜り泣いた。

『ロー…イきたい?』

「ん、ユー、タス屋ぁ…いきた…」

それは確かに俺の妄想で、頭の中で響く声であるはずなのに、まるで耳元で囁いてるみたいにして聞こえてくる。どうしようもなかくて、思考回路もぐちゃぐちゃに溶けた俺はその『ユースタス屋』に縋るしかなくて。楽にしてくれるんならもう何だっていい。


『じゃあ後ろ弄ってみろよ。…自分のいいように動かして』




「ひっ、ぁあ!ん、ゃあっ!」

ぎゅっと自分の指を締め付ける感覚に俺はシーツを握り締めた。
ユースタス屋の言う通り四つん這いになって指を挿れると気持ちよくてすぐに中を掻き回した。指もどんどん入っていって、今はもう三本とも咥え込んでいる。だけどやっぱりユースタス屋がいつも触れるいいところってのは自分じゃ分からなくて。そもそも奥まで指が届かなくて悪戯に中を掻き回してはたまに得られる強い刺激に腰を振るだけ。こんな格好ユースタス屋に見られたら死ねるなと思いながらぐるりと円を描くように中を刺激した。

「あっ、ぁあ…っ!」

『ロー、イけそう?』

その言葉にふるふると首を振ると放置されたままだった自身を掴んで刺激する。だけどやっぱり、イけそうにもなくて、


『じゃああれ使えば?』

にやりと意地悪く笑っただろうユースタス屋に何を、なんてのは聞かなくても分かる。サイドチェストの上から二番目の棚。その中身を使うように諭されて、どうしようもないからどうにでもなれと頷くとユースタス屋の声はもうしなくなった。


棚を開けるとダンボール箱が出てきてその中を開けるとごちゃごちゃと置かれた玩具たち。中にはまだ俺が使われていないのもあって、使用用途不明のものある。

「ユースタス屋のへんたい…」

自ずと顔が赤くなって、今から自分がこれを使うのだと思うと気が引ける。だけどダンボール箱の中に手を突っ込むとごちゃごちゃしたそこから目当てのものを探し出した。

「…これでいーよな」

ピンク色した親指ぐらいの大きさをした、いわゆるローター。これにもあまりいい思い出はないけれどバイブよりはマシかなと手にとって箱を奥に押しやった。
リモコンと絡まったそれは三個も取れて、必要なのは一つだけだけど面倒だからリモコンと一緒に脇に置いておく。そうしてまた同じ格好をすると解れきった中にローターを押し入れた。

「んぁ、は…っ」

柔肉を掻き分けて入っていく異物の感触に背筋が震える。大体この辺だろうかと適当なところで指を引き抜くとスイッチを入れた。

「っ!?ひっあ!」

中で動き出したローターの刺激が思っていたよりもずっとずっと気持ちよくて、予測していなかったその刺激に目を見開くとびくんと背が撓った。今まで闇雲な動きで悪戯に熱を昂らせるだけだったそこは的確な刺激にぎゅうぎゅうとローターを締め付けて善がっている。

気持ちよくて、我慢できなくて、気づいたらあとの二個も手にとって蠢くそこに押し込んでいた。

「んはぁあっ!や、すご…奥まで、きて…っ!」

一個入れ、さらにもう一個も入れる。そうすれば最初の一個目がどんどん奥に入っていって、でもまだ足りなくてぐいぐいと指で更に押しやった。その過程でユースタス屋がいつも触れるいいところにちょうどあたって、今までにないぐらい気持ちよくなってシーツをぎゅうっと握り締めるとぼろぼろと涙を溢した。

「ふっ、ぁあ!や、そこ、ゃあっ!」

機械相手に首を振ってももちろん止めてくれる訳もない。ぐいぐい押し込んでいた指を引き抜くとリモコンを掴む。
ここで一回イってやめればよかったのに、そのときの俺はなかなかイけなかったせいでもっと強い刺激がほしかった。

だからカチリ、と。スイッチを中から強へと変えた。

「ひっぁああっ!」

その瞬間目の前が一気にスパークして真っ白になった。どくり、とシーツにぶちまけられた大量の精液に荒い息を漏らす。
やっと訪れたその感覚に浸かる暇もなくまだ後ろで勝手に動き回るローターを止めようとあまり上手く働かない頭でリモコンを探した。

のに、


「ゃあ…っ、な、で…うそ、ない…」

気だるい余韻に浸ってボーッとした頭もその事実で一気に覚醒する。だって、何で、さっきまでここにあったのに、

…もしかして、落とした?

一番最悪のパターンに半泣きになりながらも隙間を覗けばそこには紛れもなく俺の探し求めていたリモコンがあって。
隙間に手は入らないしベッドから降りて取るなんて到底無理だ。泣きそうになりながら何とか中から引き抜こうと指を挿れる。


「ふ、ぇ…ゃ、とどかな…」

調子に乗って奥まで押し込んだせいで指で取れる範囲はとうにすぎたてしまったようだ。
抜くことも出来ない。止めることも出来ない。
熱を吐き出したばかりの体はその強い刺激に堪えられず震えていた。

「ひっ、あ!ゃ、やだ、な、で、ぁああ!」

容赦なく内壁を抉り、最奥をぐちゃぐちゃに掻き回すそれに泣きながらシーツに縋りついた。何とか取ろうと指を動かすけれどただの悪足掻きでしかない。

「んっぁあ!や、ゃ、いく、いっちゃ…っ!」

止まることのない刺激にすぐに二度目の絶頂が訪れ、びくびくと体を震わせながら後ろのローターをぎゅっと締め付けてしまう。それにまた感じて、締め付けての悪循環。逃れることの出来ないそれに泣きながら首を振った。

「あっ、あ――…っ!…やっ?!だめ、ゃだ、あっあっあ!」

びくっと体を震わせてまた絶頂。でも今度の快感はまた他の与えられる刺激とは違って、

「ひっく、ふっ…ひっああ!やっ、まだ、いって、のにぃ…〜〜っ!」

イってる側からまた新しい刺激を与えられて射精が永遠に続くような感覚を味わわされる。それが辛くて、でも気持ちいいのも確かで、無意識のうちに腰を振ると眉根を寄せて泣きながらだらしなく喘いだ。

「ひぅ…あっ、ゃあ…ふっ、も、むりぃ…っ」

気持ちいいけどやっぱり辛くて、このまま電池が切れるまで、何てきっともたなくて壊れてしまう。想像するだけでもゾッとする。でもだからってどうにも出来なくて結局はいつも通り。

泣いてユースタス屋に縋ってた。


「ふ、ぇっ…きっ、ど、ひぁっ、ゃだあっ、きっどぉ…」




「…ロー?」

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