Gift | ナノ

いつの間にか俺はユースタス屋のいつもと違うその様子にドキドキしていた。
キスぐらいならいいよな、なんてユースタス屋の頬を両手で挟むと軽く唇にキスを落とす。起こしてしまうといけないから、触れるだけ。だけどそれが間違いだったのかも。だってしていくうちに、もっともっとと欲が出てきてしまったから。

「んぅ…っ、ぁ、ん…」

だからこっそりと、薄く開いた唇から舌を入れた。動かないユースタス屋の舌は物足りないけど、普段以上に熱いそれは触れ合うだけでゾクゾクする。
ちゅく、と夢中で舌を絡ませていたらユースタス屋が苦しそうに呻いたので慌てて唇を離した。糸を引いた唾液がぷつりと切れて、ユースタス屋の口端からは二人分の唾液が顎を伝う。
赤く染まった頬や薄く開いた唇が、力の抜けた体が、まるでいつもと逆の立場を表してるみたいでそれも新鮮。何だかんだ言って絶倫なユースタス屋には散々好き勝手されているし、けど今ユースタス屋はそれを出来ないと思うと結構いいかもとか思ってしまう。偶には俺だって自分の好きなようにしたいし。
何より大人しく弱々しいユースタス屋は可愛くて、その様子にだんだんと気持ちが高ぶってきた今の俺じゃキスだけで終われそうになかった。




「んっ、く…ふぁ、む…」

ここまでしても寝てるとなると逆にその寝つきのよさが素晴らしいもののように思えてくる、なんて考えながら手の中で脈打つユースタス屋のモノをべろりと舐めた。

今の状況説明なんてしなくても分かると思うけど、まあちょっとそういう気分になったもんだからユースタス屋にご奉仕中。本人夢の中だけど、一応風邪引いてぐたっとしてる訳だからこのくらいはしてやるの。寝てるからあんま意味ないかもだけど。
だけどユースタス屋のモノは寝てるとか全然お構いなし。いつもと同じぐらい大きくなって硬くなってるし、先端に吸い付いてやればピクピクと震える。なんか面白いかもとか思いながら舐めてキスして時折奥まで咥えてやったり。
その度にユースタス屋は呻くけど起きる気配ゼロで、体が動く時は大体身じろいだりなんだりするときだけ。ちょっと起きてほしいような起きてほしくないような、何とも言えない感じ。

「ふ、んんっ…は、ぁ…も、いいかな」

舐めるのは楽しいけどいつまでも舐めてたって先に進めない。ユースタス屋の反応も変わることはないし、大体このぐらいだろうというところで唇を離した。最後にちょっとだけ先端に吸い付いて、ユースタス屋のモノから溢れる先走りを手で掬って指に絡める。

「んぁ…っ!ぅ、っ、んん…っ」

面倒臭いからズボンと下着は片足だけ引き抜いて、自ら奥まったそこに触れた。最初は表面をなぞるようにしてユースタス屋の先走りを塗りつけると、ゆっくりと指を中に埋めていく。
自分で入れたことなんてあんまりないけど勝手は大体分かっている。いつもユースタス屋がするようにすればいいんだ。
空いた片手でユースタス屋のモノを緩く抜き上げながら、中に入れた指をぐるりと掻き回す。第一関節まで引き抜いたら根元まで埋めていって、時折中を掻き回しながらユースタス屋がいつもやってるみたいに指を動かす。
だんだん慣れてきたら指の数を増やしていって、三本入るころにはぐちゅぐちゅといやらしい音が辺りに響いていた。

「ひっ、ぁあ…ぅ、ん…っ、ふ、あ、ぁ…っ!」

適当に指を動かしている途中で見つけた前立腺をぐりぐりと爪で引っ掻きながら背をそらす。気持ちいい、頭の中が所々真っ白になっていって気づいたらユースタス屋のを弄っていた左手はただ柔く握るだけになっていた。
だけどそんなことを気にしている余裕もなくて、ひたすら奥へ奥へと指を伸ばして中を弄る。貪欲な中はヒクヒクと蠢いてさらに奥まで導こうとするけれど、自分の指では限度があるから。指で弄ることが出来ないほど奥まで掻き回したくて自然と腰が揺れる。だけどやっぱり届かないものは届かなくて、ぽっかりと穴が空いたように物足りない。

「ん、ふ、ぁあ…ゃあ…ゆー、た、やの…も、ちょーだ、い……」

返事なんてないのは分かってるけど、気づいたらユースタス屋の勃ち上がった性器をゆるゆると抜き上げ見つめてそんなことを呟いていた。何だかすごい淫乱な体に仕込まれてるんじゃないだろうかと頭の片隅に存在する冷静な自分がユースタス屋のモノを物欲しそうに見つめる自分を笑う。
だけど仕方ない。ユースタス屋に淫乱だと言われたって絶対に否定するけれど、今回ばかりは自分でもそう思う。

「ゃっ、がま、できな…ふ、きっどぉ……あっ、ひ…っ、ぁああ!」

思ったところで俺の脳内は性欲に支配されきっているのでどうしようもない。しかもそんなことを気にしてる余裕もない。本能に従うので精一杯だ。
だから頭の中はぐちゃぐちゃに蕩けていてすっかり冷静さを欠いていた。もう我慢できないと、何の反応もないユースタス屋に許しを乞うようにそう言って、ユースタス屋のモノを掴んでどろどろに解れたそこに宛がうと一気に腰を下ろす。
ぐちゅん、と最奥を突かれると同時に肌と肌がぶつかり合う。ユースタス屋のモノをいっぱいに感じながらびくびくと腰を震わせた。見ればそれだけで射精していて、一気に訪れたその快楽にぼろぼろと涙が溢れた。

「ひっゃあ、きもち…ふ、ぁ、あっ…ひっ、ん、あー…っ!」

イったばかりだけど快楽の波は収まらなくて、痙攣する足腰を叱咤しながらぐちゅぐちゅと自分で腰を動かしては中を擦るその感触に体を震わせる。無我夢中で腰を動かしながらそっと顔を上げるとユースタス屋の様子を窺った。
先程より顔が赤く、何だか苦しそうな顔をしてるけどまだ辛うじて寝てる。この状態でも寝れるだなんてどれだけ体が疲れているのだろうか。それとも寝つきがいいだけなのか。

どちらにせよ最初はそれでも構わなかった。ユースタス屋が動かない分無理しなくていいし自分の好きなように動けるし自分の好きなときにやめられる。だけどだんだんとそれじゃ物足りなくなってきたのも事実で。
自分で動きながら、いつもならユースタス屋が下からも突いてくれるのに、とか次第に考えるようなってしまう。イってる最中だってやめてくれないし、もっといろんなところも触ってくれる。許容量を超えた快楽を与えてくれる。だけど今自分ではそれが出来ない。気持ちよすぎるぐらいになるとどうしたって腰が引けるし、動きもゆっくりになってしまう。それがひどく物足りなかった。
もっとほしい。だけどいつもそれを与えてくれる当の本人は俺の下で眠っている。そう考えると無性に悲しくなった。

「あっ、も、…おきろ、ばかぁ…っ」

ぐずぐず言いながら力の入らない手で拳を作るとユースタス屋の胸元を叩く。子供が大人を叩くぐらいの弱い力しかないそれで、今までも一貫して眠り続けていたユースタス屋を起こすことなどまさか出来るわけもなく。それでもこうやって起こしてやれば起きるだろうと甘く考えていた俺にはどうして起きてくれないのかが分からない。

「ゃあ、な、で…きっど、おきてよぉ……ふ、うご、てぇ…っねが…」

泣きながら腰を振ってもユースタス屋はその赤い瞳を俺に向けることはしない。本格的に涙がぼろぼろと溢れてきて、体の奥に燻る熱の処理の仕方が分からなくて頭がおかしくなりそうだった。
いつもならユースタス屋がそれをどうにかしてくれるのに、いつまで寝てんだよ馬鹿野郎。

「ふぇ、ぇ…きっど…きっどぉ…」

もうどうしたらいいか分からなくてとりあえず涙が込み上げる。頭の中はすでに真っ白で何も考えられないし、ただユースタス屋にしがみついてぐずりながら腰を動かすことしか出来なかった。

「っ、ん…ぁ…?」

そのときだった。不意に呻き声とは違う、ユースタス屋の意識下で出されたような声が聞こえて顔を上げる。見ればユースタス屋はうっすらと目を開けて、寝起き独特のぼんやりとした表情で俺を見つめていた。
ここで放っておけばユースタス屋はまた眠りの世界へと引きこもってしまうだろう。それをさせないためにも俺はユースタス屋の唇に噛みつくようにキスをした。

「んんっ、ふぁ、…」
「っ、ん…?…ん、む!?んー!っ、は…おい、トラファ」
「ひっ、ぁあっ…ゃあ、はやくぅ…きっど、うごいてぇ…!」
「えっ…は?」

ぱっちり目を覚ましてくれたユースタス屋は、意味が分からないと言うような顔をして俺をじっと見つめていた。その瞳は困惑の色でいっぱいだったけど、俺を映してくれたことが嬉しい。きっどぉ、と泣きながら再度促すと、ユースタス屋は腑に落ちないような顔をしながらも俺の腰をしっかりと掴んでくれた。

「んっぁあ、あっ、あー…!ひっ、いい、きもち、ひゃあん!」
「ったく…何だってんだ…」
「あ、ぁあっ…や、きっど、そこ、そこ…〜〜っ!」
「…お前、まさかずっと俺の体でオナッてたのか?」
「だってぇ…がま、できな、て…」

ふぅん、とユースタス屋は呟くと精液と先走りに塗れた自分の腹を見つめた。
どうしてこんな状況になったのかは未だ分からないままだろうが、この状況に適応するのにそう時間はかからなかったようだ。俺が腰を降ろす度に突き上げてくれて、その度に頭が真っ白になるほどの快楽が身体中を襲ってくる。

「なぁ、何回イった?」
「はっぁ、いっか、だけ…ひゃ、ぁああ!」
「本当かよ。すげぇぐちゃぐちゃなんだけど」
「やっ、ほ、とにぃ…!だってイけな、て…」
「自分でするだけじゃ物足りなかった?」
「ふっ、ぅん…きっどに、おく…いっぱ、ついてほし、て…」
「ははっ…そんなこと思ってたんだ。かわいー…」

そう言うとユースタス屋は俺の腰を掴んでガツガツと奥にぶつけるように腰を打ちつけてきた。それが堪らなくて気持ちよくて、ぼろぼろと涙が溢れ出る。
激しい動きに与えれる快楽も激しくて、俺はそれについていくのに必死だった。ガクガク震える腕に何とか力を入れて支えて倒れ込まないようにするので精一杯で。

「あっ、ぁあ、ゃあ!はげし、ひっ、ゃら、ゃらぁ!」
「やじゃなくて気持ちいい、だろ?…っ、あー、頭いって…」
「ひっ、ぁあ…やっ!ちくび、やぁ、さわっちゃ…!」
「嫌々ばっか言ってっとやめるぞ?俺が病人だって分かってんのか?」
「ゃあ、ごめ、なさ…ふぇ、きもち、の…やめな、で、っぁあ、あっ、――っ!」
「そうそう。素直にしてればもっと気持ちよくしてやるから」
「あっ、ぁあ、だめぇ…ひっ、も、いっちゃ…!いくっ、いくぅ…〜〜っ!!」

やっぱり自分でするよりユースタス屋にされた方が何倍も気持ちよくて、だけど気持ち良すぎて頭がおかしくなりそうになる。
ユースタス屋はそれを分かってて休みなく刺激を与えてくるから質が悪い。奥を抉るように突き上げられるそれだけでも精一杯なのに、伸びてきたユースタス屋の手が服の中に入り込んで乳首を抓んだときは本当に体に電流が走ったみたいになった。

Next


[ novel top ]


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -