Gift | ナノ

「ロー、大丈夫か?」
「ふ、っ…は、…ん、だいじょ、ぶ…」

頬に残る涙の跡を舐め取ると顔を覗き込む。薄く唇を開いて酸素を取り入れながらもトラファルガーはこくりと頷いた。

「ならいいな。入ろうぜ」
「ん、ぇ…?どこに…?」
「露天風呂だよ」

後で入るって言っただろ?と言って手近にあったティッシュで掌を拭うとトラファルガーを抱き上げる。
余韻に浸った頭はまだ意識がぼんやりとしているのか、あまり状況が掴めていない様子だった。それをいいことに、てきぱきと浴衣を脱がせて夜の露天風呂に入り込んだ。


「…そんな入りたかったのか?」
「せっかく来たしな。何で?」
「だってまだ…最後までシてないのに…」

湯に浸かっていると、だんだんと意識がはっきりしてきたらしいトラファルガーがぼそりと呟く。最後の方は小さくて聞き取りにくいものだったが、俺の耳はしっかりとその言葉を拾っていた。

「可愛いな、お前。最後までシたかったの?」
「だってユースタス屋、出してないし…」

前言撤回、意識がはっきりしていてトラファルガーがこんなこと言うわけがない。普段なら絶対聞けないような可愛い台詞の連発に自分でも頬が緩んでいくのが分かる。
横で小さくなっているトラファルガーを自分の脚の上に招くと向かい合うようにして座らせた。少し顔を赤くしてこちらを見つめるその額にキスを落とすとトラファルガーを抱き締める。

「続きは今からするんだよ」
「え、でもここ温泉、」
「そんなん気にしてる余裕もなくなると思うけどな?」

そう言ってにやりと笑うといっそう赤くなったトラファルガーの頬に口付ける。
最初からこっちでシようと考えていたのに、浴衣のトラファルガーがあまりに色っぽくてつい手を出してしまったんだ。だから一回イかせてやったら続きはこっちで…と考えていたんだが、ここまで期待されると余計にその期待に応えたくなってしまう。
唇に触れるだけのキスを落とし、俺もイかせてくれる?と聞けばトラファルガーはこくりと小さく頷いて俺にぎゅっと抱きついた。




「ひゃ、あっ、きっどぉ…っ!や、あつ、ぃ、〜〜っ!」
「何が?指?」
「ちがっ、ゃあ、お湯がはいってぇ…、ひっ、ぁあっ」

ぐちゅぐちゅとトラファルガーの中に入れた指を掻き回しながら、震えるその姿をじっと見つめる。
指はすでに二本飲み込んでいて、ぐるりと中で円を描くように大きく動かすとトラファルガーは背を撓らせて高い悲鳴を上げた。動かすたびに中に入ってくるお湯がどうにも堪らないらしく、ぼろぼろと涙を流しながらどうにかしたいと必死に俺に縋り付いてくる。
そのたびに、慣らさなきゃだから、と取ってつけたような言葉を優しく耳元で繰り返し、縋り寄って泣きついてくるトラファルガーの反応に目を細めながら遠慮なく指を動かした。

「ひ、んっ、ゃだっ…きっど、ゃ、も…っ!」
「あともうちょっとしたら挿れてやるから我慢しろよ?」
「そ、な…っ、あっ、あぁ、ああっ!」

ちゅ、とトラファルガーの目尻にキスをして、ぎりぎりまで引き抜いた指にもう一本で絡めて一気に奥まで突き上げる。ぐちゅり、と何の抵抗もなく根元まで飲み込んで、そこが大分柔らかくなっていることも十分分かった。
今すぐ挿れても案外大丈夫かもしれない、なんて思っていたら不意に指がぎゅっと締め付けられて、トラファルガーの腰がびくびくと痙攣しだす。もしやと思って顔を覗き込んでみれば瞳はすっかり蕩けていて、湯の上には猥らな白濁色が浮かび上がっていた。

「はっ、ぁ…」
「…あーあ。勝手にイくから汚れちまったぞ?」
「ぁっ、ごめ、なさ、」
「指入れられただけなのになぁ、本当堪え性がねェの」
「ふ、だって…っ」

すっとその白濁を掬うと見せ付けるようにして指に絡めながら呆れたフリして言葉を紡ぐ。もちろんただのフリだから、口端がつり上がらないようにするのを堪えているわけだ。
すぐイくトラファルガーはエロくて可愛いし、まずそんな感じやすい体にしたのは紛れもなく俺だ。嫌いなわけがない。
ただトラファルガーは言葉で虐めてやるとあまりに可愛い反応をするのでついつい責めるようなことを言ってしまいたくなるのだ。今だって瞳に涙を溜めながらぎゅっと唇を噛み締めて、ああ、本当可愛い。

「次はちゃんと我慢できるな?」
「ん、でき、る…」
「いいこ」

それに素直だ。素直に俺の言うことを聞いて、それを破らないように必死に頑張るトラファルガーほど可愛い生き物を見たことがない。
零れ落ちそうな涙を舐め取ってやると額にそっとキスを落とす。それだけで少し安心したようにトラファルガーの体から強張っていた力が抜け、それを合図に細腰を掴むと引き寄せる。
挿れるぞ、と耳元でそっと囁けばこくりと頷いたトラファルガーがぎゅっと俺に抱きついてきて。十分解れたそこに自分のモノを宛がうと、ふわふわと浮く腰をしっかり掴んで一気に突き下ろした。

「んぁ、ああっ!」
「っ…、は、やば、」

入り込んだ中があまりにも温かく、柔らかくて思わず眉根を寄せた。丹念に慣らしたそこはきつく絡み付いてきて、元々ない隙間をさらにお湯が満たしていくのはいつも以上に火傷しそうなほど熱く感じた。

「ひっ、きっどぉ、あつ、よぉ…ぁっ、ああ!」

それはトラファルガーも同じらしい。俺にしがみついて涙を溢す様に煽られながら、浮き出しそうになる腰を掴んで突き上げた。
必然的により深く中へ入っていく自身にトラファルガーは喉を反らす。しがみつく腕も震えていて、それに腰を掴みなおせば快楽に敏感になった体は嫌々と首を振った。
だけどももう止められない。何度か出し入れを繰り返せば逃げる気力すらなくなったのか、俺に抱きつきながら喘ぐだけになる。それでも辛いのか、ぼろぼろと涙を流しながら時折むずかるように首を振った。気持ちよすぎるものほど辛いものはないと前にトラファルガーが言っていたのを思い出す。

「あっ、あー…!ゃあ、も、きっど、いっちゃ、…っ!」
「我慢するんじゃねェの?」
「やっ、がま、できなっ…ひっ、いくぅ…!」
「駄目だろ、ロー。まだいいって言ってない」
「ぁ、…っ、ひくっ、ゃら、いきた…」

達しそうになったトラファルガーを見かねてぎゅっと自身を握り塞き止めてやるとその顔がくしゃりと歪んだ。イきたいと腰を振って涙を流すトラファルガーの可愛いのなんのって。
もう少しだけ我慢な、と言うとぐちゅりと腰を動かす。途端にトラファルガーの体がびくりと震え、新しい涙が涙腺を押し上げてじわじわと滲み出る様にひどく加虐心を煽られた。出来ないと言いたげに首を振られたが、それを無視すると緩くしていた律動を徐々に速めていく。

「ひっ、ぁ、んっん!やっぁ、ゃ、ああっ!」
「ほら、腰浮いてんぞ?しっかり落とせって」
「や、ゃめっ…!ひ、ぁあ!」

せめてもの抵抗と、浮いた腰を掴むと根元まで突き下ろす。そのたびに一番奥深くまで入っていって、墓穴を掘っていると気づかないもんだろうかと薄く笑った。
それほど目一杯になってるトラファルガーが可愛い。とろりとした瞳は俺だけを映し出し、背中に立てられた爪には最早甘さしか感じない。

「ふっ、ぇ、きっど…おねが、も、だめぇ…ひ、いきた…っ!」
「…しょうがねェなぁ」
「っ、ひ、ぁあ、あー…〜〜っ!」

だから何度目かのトラファルガーの懇願は聞き入れざるを得なかった。それに今日はまあまあ我慢した方だし、このままずっと浸かって逆上せるのも悪いからもういいだろう。
そう思って戒めていた指を離して突き上げると、トラファルガーは大きく背を撓らせた。その間も律動をやめることはせず、自身にかけた手もそのままに抜き上げてやる。
ぎゅうっと中が強く締まり最後の一滴まで搾り出させると、数度突き上げた後に俺もトラファルガーの中へと吐き出した。

「っ…は、ロー?」
「…ぁ、…んっ…」

心地いい気だるさに身を任せつつ、びくびくと小刻みに震えるトラファルガーの顔を覗き込む。ぐったりとしたトラファルガーはどうやら気絶してはいないようだが、意識が定まっているか怪しい。呼びかけにもロクに応じず、自力で出来ているのは呼吸ぐらいだ。
少しやりすぎたかもしれないな、とその姿に頭を掻くとその体を抱き上げて早々に露天風呂から上がらせた。




「露天風呂って普通景色を楽しみながら入るもんじゃねぇの?」
「違うもん楽しんだんだからいいだろ」
「ばっ、それは違、」
「シないの?ってお前から言ってきたくせに」
「っ、だって俺ばっかされたら理不尽だろ!」
「だからシてやったんだろ。ちゃんと可愛がってやったし」
「うるせぇ、もう黙れ!」

ぎゃんぎゃん騒ぐトラファルガーを隣に乗せて、今は帰宅途中だ。当初の予定では、旅館で一泊した後、近くにある観光名所にでも寄って帰ろうとしていたのだが、トラファルガーが腰が痛いし面倒臭いと言うので取り止めた。メインの方は十分満喫したから、別段その意見に異論はない。
ただトラファルガーは案の定朝から機嫌が悪くて何をするにも大変だった。まず口を利かなかったもんだから、今は大分いいほうだ。さっき言えなかったことを俺に投げるようにぶつけてくるが。

「別に、また行きゃいいだろ」
「…絶対温泉以外にしてやる」
「どこでもどうぞ。俺はお前とならどこでもいい」

口元に笑みを浮かべると、行く前に誰かさんが言ったような言葉を呟いた。定位置から少しずらしたルームミラーからは、頬を赤く染めたトラファルガーを映し出している。
その姿にバレないように笑みを洩らすと、赤信号で止まったのをいいことに、トラファルガーの頬に手を触れてこちらを向かせるとその唇に触れるだけのキスを落とした。



「…じゃあ、次はシャボンティパークがいい」
「え、無理。絶叫系嫌いだし」
「矛盾してるんだけど馬鹿野郎」







109000hitにてキリリクしてくださったウヂヲ様に捧げます!
もう本当いつのキリリクだよお前…!どんだけ待たせるんだよお前…!って感じですよね。すみません!><;
リクは「同棲パロで小旅行」でした!たまには遠出、だけどいちゃらぶは変わらないっていう。どこでもバカップルです(笑)
お待たせしてすみません!リク有難うございました!





[ novel top ]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -